第6話 本当の死

文字数 4,450文字


 青白い(はやぶさ)の姿に転じたピナスがトレラントを飛び去ったのち、クランメに連れられてセントラムへ転移したドールは、一面に広がる黒い湖を前に深紅(しんく)の瞳を輝かせていた。

 白黒の単調な世界観とはいえ、生前に本や絵画でしか見たことのなかった大陸有数の名所を、このような境遇でも訪れることが出来(でき)たことに自然と胸が躍っていた。
 吟遊(ぎんゆう)詩人、()しくは旅する修道女として(えが)いていた夢が、ほんの少しでも叶ったような気がしていた。


「……ピオニー様!?」


 だがその呑気(のんき)な観光気分は、背後から聞こえたロキシーの動転したような声音で容易(たやす)()き消された。

 ドールが振り向くと、一緒に転移していたイリアが困憊(こんぱい)した様子で蹌踉(よろ)めいたところを、ロキシーが咄嗟(とっさ)に支えていたところであった。


「…すまない。一段落して疲労のようなものが…どっと力が抜けたような感覚に(おちい)っているだけだ。」


 そのように釈明するイリアに対し、諸悪の根源を自覚していたドールは()ぐに()け寄って(こうべ)()れた。


「申し訳ございません。私が破滅的な行動を()ったばかりに、余計な力を使わせてしまったことをお()びいたします。いえ、ピオニー隊長だけでなく全員に謝罪しなければなりません。悪魔の力を振り(かざ)さずとも話し合える余地はあったはずなのに、私は簡単に悪徳に呑まれてしまって…。」


「その辺で構わない。私こそ配慮が不足していたし、責任を感じている。元より我々は信条も価値観もばらばらで、衝突して当たり前だった。だが皮肉にも衝突の(たび)に悪魔の力を(ふる)うことで、ここまで生き(なが)らえているとも言えるのだ。」


「…どういうことなんですか?」


「私が宿した悪徳は『憤怒(ふんど)』…それもドランジア議長に対する不信や不満に由来する怒りだった。しかし今となってはそれも曖昧(あいまい)になり、この奇妙な世界で(みな)の足並みが(そろ)わないことに苛立(いらだ)ちを、衝突に対抗するように敵意を(いだ)くことで悪徳を保っていた。」

「胸に(あな)を開けられ心臓を失った我々は、各々(おのおの)の悪徳こそが心臓の代わりとなって(おのれ)を動かし続けているのだと思う。」


 イリアが()瀬無(せな)面持(おもも)ちで語ると、彼女に肩を貸していたロキシーも同調するように(うつむ)いていた。
 
 他方でそのやりとりを湖の(ふち)から(なが)めていたクランメは、(くら)紺青色(こんじょうしょく)の瞳を3人に向けながら語り掛けた。


「その認識で(おおむ)ね間違いないやろな。生前も適度に魔力を使わな生きられへんかったんや、悪徳の矛先(ほこさき)が限られとるこの世界では尚更(なおさら)限られた命やと言える…それも内輪揉(うちわも)めしとったらお互いに消耗し続けるのみや。」

「うちらは()だ時間が残されているようで、その(じつ)もういつ消えても可笑(おか)しないほどに脆弱(ぜいじゃく)(はかな)い存在なんや。そしてうちらが引き起こした厄災は、しっかり現実世界で観測されとる。…なぁロキシー、ここの住民は朝何時頃から活動してるんや?」


 ロキシーは幼少の頃からセントラムの領主邸宅に仕えていたものの、あまり対外的な付き合いはなく農産業に精通しているわけではなかった。
 それでも丘の上に建つ邸宅から長年(ながねん)街を(なが)めてきたこともあり、農家の生活習慣や地形に関して他所(よそ)に説明出来(でき)る程度には把握していた。


「この時期はブドウを朝摘(あさつ)みしておりますので、早い者ですと4時過ぎには湖畔(こはん)の畑に出て参るかと存じます。」


「ここはそいつらから見つかりやすい場所やと思うか?」


「…どうでしょう。ただ、丘の上の領主邸宅からは目立つ場所かもしれません。」


 ロキシーが返答に詰まっていると、クランメの質問の意図を察したイリアが(みずか)らの足で立ちながら補足を加えた。


「いずれにせよラ・クリム湧水湖(ゆうすいこ)は東西の(やぐら)から、駐屯(ちゅうとん)している大陸軍が交替で監視をしているはずだ。農業だけでなく生活用水としても引かれている湖の水質に、異常を来すような外的要因を警戒するためにな。どの湖畔(こはん)へ移動しようが結果は同じだろう。ただ深夜のうちであれば、岸辺の些細(ささい)な凍結は目立たないとは思うがな。」


 それを聞いたクランメは一度溜息(ためいき)を挟んでから、改めて(みな)へ言い聞かせた。


「やっぱりそうなるわな。実質うちらに残された猶予(ゆうよ)は未明までの3時間程度や。それ以上にかかると現実世界で見つかって騒ぎになるか、最悪氷穴(ひょうけつ)を途中で破壊される(おそれ)がある。そして湖底を往来する時間も考慮すれば、一刻も早く氷穴(ひょうけつ)を完成させなあかん。そのためには…莫大(ばくだい)な魔力を()ぎ込んで一気に(こしら)える必要がある。」


 その声音は(かす)かに震えており、イリアが伝播(でんぱ)した緊張感を()み締めながら問いかけた。


莫大(ばくだい)な魔力…そんなものをどうやって早急(さっきゅう)に用意するつもりだ? ステラの持つ力を介して、全員の魔力を貴女(あなた)に送れば良いのか?」


「そないな甘っちょろい程度やない。…全部や。うちを含めた全員分の魔力を(たましい)

()ぎ込む。そしてその後のことは、ディヴィルガムを持つカリム君に託すんや。」





「なんで…なんで急にそんな話になるのよ……?」


 クランメが宣言した方針に、真っ先に狼狽(うろた)えたのはネリネことリリアンであった。


「ドランジアの計略を止めれば私達は消滅を(まぬか)れる…そういう話だったんじゃないの!? ドランジアの前に辿(たど)り着くまでに私達が消滅したら、そんなの本末転倒じゃない!!」


「悪いけどな、それは君が(ひと)りでに言うた望みであってうちは何も保証はしてへん。それに…ぼちぼち限界が来とる者もおる。ドランジアがどうなろうが、大して余命は変わらへんやろな。それならいっそ残っている余力を、成すべき目的のために早々(そうそう)()ぎ込むべきなんや。」


 リリアンは空色の瞳を強張(こわば)らせながら他の『宿主』達の表情を次々に見遣(みや)ったが、(みな)()む無く受け入れようと視線を伏せるばかりであった。
 ルーシー・ドランジアと因縁がある(むね)を発言していたピナスでさえ、先の飛行中での(いさか)いを経てか、ステラの隣で口を曲げながらも大人しく聞き従っていた。

 間もなくしてこの生きた感覚が終焉(しゅうえん)を迎え、

が訪れることにリリアンだけが唯一反抗していた。


「…あんまりだわ。先に転移した4人で話を合わせて、後で多数決にするようなものじゃない。私は嫌よ。魔力を()ぎ込むなら、私以外の全員で仲良く心中しなさいよ。」


「そないな意地張っても(ひと)りで生き続けられへんことくらい、君も(わか)っとるやろ。」


 だがクランメの冷静な指摘が突き刺さり、リリアンは立ち尽くして何も言い返せなくなった。

 (みずか)らの『虚栄(きょえい)』という悪徳は(かた)る相手がいるからこそ成り立つものであり、現状その対象たる『宿主』達が(みな)姿を消せば、自我を保てず自然と消滅に追い()られる顛末(てんまつ)()うに理解していた。

 そのためにロキシーの蘇生(そせい)を試みようとしていたことを思い出すと、リリアンは再びロキシーへ(すが)るような視線を向けた。
 (すで)にクランメらの意見に同調したことに裏切られたような(むな)しさを覚えながらも、従者を名乗った彼女に(はかな)い望みを(つな)ごうとしていた。

 その無言の訴えを感知したロキシーは、重苦しい雰囲気の中で動くことに戸惑いながらも、ゆっくりと下着姿の令嬢の前へ歩み寄った。


「…ネリネ嬢様…。」


「お願いよロキシー…貴女(あなた)だけでも(そば)にいてよ……あの影の男と一緒に居てもいいから、私からも離れないでよ……私のこと、心配してくれたじゃない……!」



 『淫蕩(いんとう)の悪魔』を宿すロキシーが男である影の青年の呼びかけで覚醒(かくせい)し、恥も(いと)わず泣き付いた時、彼女にとって唯一の未練は果たされたのだとリリアンは推し量っていた。
 そしてその青年と行動を共にしなければ、いずれまた意識を失い本当の死を迎えることも想像に(かた)くなかった。

 (ゆえ)にこの懇願(こんがん)は、彼女が使用人として振る舞うことに(あやか)った、(みじ)めで利己的な切望であった。

 一方のロキシーは、両肩に掛けられた小柄な令嬢の手が(かす)かに震えているのを感じ取っていた。そして(みずか)らも抱き寄せるように腕を回して、彼女の耳元へ(なだ)めるように(ささや)きかけた。


「私、お嬢様には感謝してもしきれないんです。ドレスを(いただ)いて、頼って(いただ)いて、何より意識を失った私をずっと(まも)り通して(いただ)いて…

(いただ)

が嬉しかったんです。」

「生前もこんなに(いと)しい主人に仕えられたら良かったのにって思えたんです。それと同時に、私にも未練が生まれました。それは…お嬢様を(ひと)りこの世界に残してしまうことです。」


「……!?」


「私はカリム様をお(した)いしていますが、それは

なのです。現実で未来を生きるあの御方(おかた)に、悪霊の(ごと)く付き(まと)うわけには参りません。せっかくお(まも)(いただ)いた身ですが、恐らく長くは持たないでしょう。」

「そうしてお嬢様だけをこの寂寞(せきばく)とした世界に取り残すなどとても()り切れない思いですし、お嬢様には本当の死を(ひと)(わび)しく迎えて欲しくないのです。ですから…どうか私と一緒に死んでください。そうすればきっと、(つら)くはないですよ。」



 使用人の(ささ)やかな願いを聞いたリリアンの脳内では何か熱いものがじんわりと広がり、目元に向かって急速に込み上がった。
 
 次に(まばた)きをしたときには涙も衝動も抑えが()かなくなり、ロキシーのはち切れそうな胸元に(ひたい)(うず)めて我を忘れて号哭(ごうこく)した。


「嫌だよおおおお!! …死にたくない! 死ぬのが怖い! 終わりたくない! 終わっちゃうのが…嫌だよおおおおお!!!」



 強情にも隠し続けてきた本音を(わめ)き散らして崩れ落ちていくリリアンを、ロキシーは温かく受け止めながらゆっくり腰を下ろした。

 白黒の(むな)しい世界に響く素直な嗚咽(おえつ)を、他の『宿主』達もその場で聴き入っては憮然(ぶぜん)としていた。

 (すで)に一度死んだ身であるとはいえ生前と同じ記憶と感覚が続いている以上、どんなに割り切ろうとも、改まった死を受け入れることに誰もが無念を(いだ)いていた。
 そしてそんな中でも各々(おのおの)が残された魔力という名の命に意味を見出(みいだ)そうと、覚悟を決めようとしていた。




 深夜であるにも(かかわ)らずラ・クリム湧水湖(ゆうすいこ)壊月彗星(かいげつすいせい)煌々(こうこう)と照らして(まぶ)しく、眠気を(いや)(おう)でも晴らしてくるようであった。

 背後の茂みの奥で虫の音が聞こえる以外は静寂(せいじゃく)そのものであり、カリムはディヴィルガムを握り締めながら身を(ひそ)めて周囲を警戒していた。

 驚愕(きょうがく)の速度でセントラムに到着して以来、()だ心臓が高鳴っていた。
 一方で7体の色とりどりの(もや)は先程から何か話し込んでいるようで、イリアに隠れるよう指示されて以来何の進展もないという意味でも一向に落ち着かなかった。


——そもそも俺の申し出に(こた)えてくれるのかどうかすら、()だ何も聞けていない。それを今(まさ)に話し合っているのかもしれないけど、何も聞こえないし口を挟めないことが()れったい。

——大陸軍が詮索(せんさく)してくるかもしれないと思うと尚更(なおさら)浮足立(うきあしだ)って仕方がない…俺は本当に蒼獣(そうじゅう)に連れ去られたように、上手いこと認識されているんだろうか。


 そうして立て続けに不安に(さいな)まれていると、(ようや)紺青色(こんじょうしょく)黄蘗色(きはだいろ)の2体の(もや)がカリムの方に近付いてきた。次いで、脳内にはクランメの飄々(ひょうひょう)としたいつもの声音が響いてきた。


『待たせたな、カリム君。ほなこれからの作戦を説明させてもらうわ。…後のことは全部、君にかかっとるからな。』
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登場人物紹介

【ドール】齢19の修道女。

▶ラ・クリマス大陸北西部にあるディレクト州の歴史ある街ディレクタティオで暮らしており、グレーダン教の総本山であるディレクタティオ大聖堂に連なる修道院に属している。

▶生まれつきの白髪が忌み嫌われ、赤子の頃に大聖堂に託された孤児だった。

▶対人関係が希薄なため幼い頃から本の虫であり、好奇心が旺盛。

▶その性格が災いしてか、あることをきっかけに異端者、廻者として糾弾されることになり、その理不尽な仕打ちを機にラ・クリマスの悪魔を顕現させてしまう。

【死神】ドールの命を狙い対峙する謎めいた人物。

▶グレーダン教徒に似た紫紺のローブを纏い、真っ白で無機質な仮面を着けている。

▶グレーダン教に代々継承されてきた司教杖に似た、武器と言い難い杖を構える。

▶その先端に着装された黒い鉱石からは、悪魔を脅かす不思議な力が醸し出されている。

▶「死神」という名称は、ドールが便宜上付与したものにすぎない。

【ネリネ・エクレット】齢16の貴族令嬢。

▶大陸南東部ヒュミリア州、2大交易都市の1つであるメンシスを治める領主ホリー・エクレットの1人娘。

▶穏やかで物腰柔らかな性格だが、箱入り故に世間知らずである。艶のある金髪の持ち主。

▶だが突如メンシスを襲った猛烈な竜巻で被災し、親も家も失う。

▶街の再建を大陸軍に任せて親戚の元へ身を寄せることになるが、その言動はまるで別人になったようであった。

【カリム】大陸議会の事務官を名乗る青年。

▶年齢はネリネと同じくらいと思われ、左目を前髪で隠しており陰気そうな印象である。

▶身に付けている赤を基調としたシャツと議会所属を表すバッジを留めた黒地のチョッキは所定の制服のようなもの。

▶馬車に乗りメンシスを去るネリネに随行し、竜巻被害について聴取しようとする。

▶大陸北東部の孤児院の出身で、過去に何か苦い経験をしているようである。

【リリアン・ヴァニタス】ヴァニタス海賊団の若き首領。

▶巻き毛の金髪が特徴で、体術では随一の戦闘力を持つ。

▶急逝した父の遺言により、齢16にして首領の座を継承しているが、経験が乏しく未熟であるため、父の右腕であった幹部ローレンの助力を得ながら海賊団を存続させている。

▶海賊団はアルケン商会という善良な団体を騙る裏で、密輸品などの取引を働いていた。

【ロキシー・アルクリス】齢17の女使用人。

▶大陸中央部プディシティア州にあるセントラム農業盆地の領主クレオーメ・フォンス伯爵の別邸に仕える。

▶物心ついた頃から母レピアと共に別邸に棲み込みで従事しており、あまり外界との接触がない。

▶長い藍色の髪をしており、やや陰鬱な印象とは裏腹に齢離れした恵体の持ち主。

▶使用人長でもあるレピアとともに好からぬ秘密を抱えており、大陸軍側からの詮索を敬遠している。

【ルーシー・ドランジア】大陸平和維持軍 国土開発支援部隊の隊長。

▶すらりとした上背に長い黒髪を湛え、銀縁の眼鏡の奥に黄金色の瞳を覗かせる齢28の女性。

▶メンシス港の機能停止を受け、セントラムの生産品の出荷計画などを見直すべく部隊を牽引しフォンス邸別邸を訪れるが、密かに別の目的も念頭にあるらしくロキシーに探りを入れる。

▶飄々として掴みどころのない性格。身内も大陸議会の関係者であるらしい。

【ステラ・アヴァリー】齢24の孤児院管理人。

▶大陸北東部カリタス州の新興都市グリセーオで大陸軍が設立し運営を委託するジェルメナ孤児院に従事している。

▶領主キーウィ―・アヴァリーの1人娘であり、2年前に母から管理人の立場を継承している。

▶赤みがかった茶髪を三つ編みで束ねている。世話焼きで責任感や正義感が強い。

▶過去に厄災を経験して以来、1人でも多くの親なき子の命を護りたいと身を粉にして働いているが、結果としてこれ以上収容できないほどの孤児を拾ってしまい、食糧などの遣り繰りに頭を悩ませている。

【リオ】かつてジェルメナ孤児院で暮らしていた少女。

▶物語開始時点から7年前、グリセーオ西端を流れる川に独り漂着していたところを救助されたが、虚弱体質に陥っていたためジェルメナ孤児院に引き取られ静養することになる。

▶救助以前の記憶をほとんど引き出すことが叶わず、当時は齢7,8程度と推測されていた。

▶2年後に『強欲の悪魔』を顕現させてしまい、命を落としている。栗毛と鈍色の瞳が特徴。

【ピナス・ベル】伝説の瑠璃銀狼の血を引くラピス・ルプスの民の少女。

▶外見は齢12,3ほどだが、人間と比べて齢を重ねる間隔が緩やかで、既に30年生きている。

▶大陸北部アヴスティナ連峰の中腹にあるクラウザという集落で同胞と共に密かに暮らしている。

▶とある目的を果たすため『貪食の悪魔』を宿して鳥の姿となり、大陸西部へ向かっている。

▶7年前のとある出来事で人間側との軋轢を経験し、その際に『貪食の悪魔』を宿した母を失っているほか、サキナとも面識をもっている。

【オドラ―・ベル】ピナスの祖父であり、クラウザの集落を束ねる長老。

▶齢200を超え、ラピス・ルプスの民の特徴である銀色の毛並みは灰色にくすみ、全身毛むくじゃらである。

▶大陸の人間が内戦時代を経て現代に至るまでの歴史だけでなく、千年前から続く厄災についても口伝により知識を蓄えている。

▶人間と対立する気はないが、緩やかに数を減らしてく一族の行く末を憂い、『貪食の悪魔』を同胞から生み出さぬためにも、人間の手を借りてでも種を存続させるべきか思案している。

【クランメ・リヴィア】齢28の博物館職員兼調査研究員

▶大陸西部グラティア州、首都ヴィルトス近郊のアーレア国立自然科学博物館に従事している。

▶やや小柄で、分厚い眼鏡と象牙色の髪が特徴。大陸南西部ミーティス州の農村出身で、独特な訛りで喋る。

▶ルーシーとはグラティア学術院で同期生の関係だが、当時はあまり好ましい印象を抱いていなかった。

▶ラ・クリマスの悪魔の『封印』に関わるとある仕事を引き受けている。

【イリア・ピオニー】齢26にして大陸平和維持軍 国土開発支援部隊の隊長を務める軍人。

▶桃色がかった金髪と強い正義感の持ち主。国の平和のため心身を尽くそうとする厳格な性格。

▶現代に至る国内軍事を統括し続けた由緒あるピオニー家の娘。父ジオラスは元帥の地位にあり、2人の兄も同じく軍人である。

▶十代のころに出会ったルーシーの理想に感銘を受け、励まされたことでその背中を追い続けている。

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