壊月彗星が廻る
理不尽な境遇に抗い、葛藤や絶望を晴らすために、厄災という強大すぎる悪魔の力を宿してしまう7人の女性を描くシリアス系ファンタジー風ドラマ小説です。
千年前に戒められた『7つの悪徳』を募らせ、それらに呼応する悪魔を顕現させた7人の女性は、厄災を恐れた人々によって敵意を向けられるだけでなく、謎めいた存在が持つ特別な武器によって命を狙われてしまいます。
厄災が厄災を呼ぶ不気味な連鎖が生じ、人々の世界が脅かされていくなかで、それでも7人の女性は各々の理念や悲願のために悪魔の力を揮います。
…そしてすべての悪魔が顕現した先に待ち受ける、この物語の行く末とは如何に。
目次
連載中 全55話
2024年04月25日 21:00 更新
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第1章 舞う金盞花
- 第1話 私を殺す理由2024年04月05日
- 第2話 走馬灯2024年04月05日
- 第3話 悪魔の顕現2024年04月06日
- 第4話 熾烈の果て2024年04月05日
- 第5話 疑念2024年04月06日
- 第6話 おわりのはじまり2024年04月06日
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第2章 騙る赤百合
- 第1話 逃避行2024年04月06日
- 第2話 巻き毛の少女2024年04月06日
- 第3話 嘘偽りのない事実2024年04月06日
- 第4話 最後の質問2024年04月06日
- 第5話 鳥籠2024年04月06日
- 第6話 悪趣味2024年04月07日
- 第7話 まぼろし2024年04月07日
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第3章 湿る大岩桐草
- 第1話 寂然たる館2024年04月07日
- 第2話 悪魔の接吻2024年04月07日
- 第3話 2つの毒2024年04月07日
- 第4話 蛇の眼2024年04月08日
- 第5話 普遍的な愛情2024年04月08日
- 第6話 不変の摂理2024年04月08日
- 第7話 あやまち2024年04月08日
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第4章 結う蓬莱蕉
- 第1話 負の連鎖2024年04月09日
- 第2話 紛糾2024年04月09日
- 第3話 引き寄せるもの2024年04月09日
- 第4話 再来2024年04月09日
- 第5話 悪魔の使い方2024年04月09日
- 第6話 貴方が殺した理由2024年04月09日
- 第7話 最後の手段2024年04月09日
- 第8話 おもかげ2024年04月09日
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第5章 象る昇藤
- 第1話 急襲2024年04月09日
- 第2話 ラピス・ルプスの民2024年04月09日
- 第3話 決意2024年04月09日
- 第4話 誇りか、呪いか2024年04月10日
- 第5話 幾千もの敵意2024年04月10日
- 第6話 解り合うため2024年04月10日
- 第7話 あだうち2024年04月10日
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第6章 忍ぶ篝火花
- 第1話 瀬踏み2024年04月10日
- 第2話 壊月彗星が廻る2024年04月10日
- 第3話 ドランジア2024年04月11日
- 第4話 翻弄2024年04月12日
- 第5話 大いなる野望2024年04月11日
- 第6話 不意打ち2024年04月12日
- 第7話 救いの手2024年04月11日
- 第8話 いのちのつかいみち2024年04月11日
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第7章 崩る紫芍薬
- 第1話 暗雲2024年04月12日
- 第2話 擦れ違い2024年04月13日
- 第3話 命日2024年04月13日
- 第4話 悪魔の器2024年04月13日
- 第5話 すぐ傍に2024年04月14日
- 第6話 引き金2024年04月14日
- 第7話 土壇場2024年04月14日
- 第8話 平行線2024年04月14日
- 第9話 すべてのおわり2024年04月14日
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第8章 囁く黒花
- 第1話 覚醒2024年04月21日
- 第2話 確執と自失2024年04月23日
- 第3話 手掛かり2024年04月25日
登場人物
【ドール】齢19の修道女。
▶ラ・クリマス大陸北西部にあるディレクト州の歴史ある街ディレクタティオで暮らしており、グレーダン教の総本山であるディレクタティオ大聖堂に連なる修道院に属している。
▶生まれつきの白髪が忌み嫌われ、赤子の頃に大聖堂に託された孤児だった。
▶対人関係が希薄なため幼い頃から本の虫であり、好奇心が旺盛。
▶その性格が災いしてか、あることをきっかけに異端者、廻者として糾弾されることになり、その理不尽な仕打ちを機にラ・クリマスの悪魔を顕現させてしまう。
【死神】ドールの命を狙い対峙する謎めいた人物。
▶グレーダン教徒に似た紫紺のローブを纏い、真っ白で無機質な仮面を着けている。
▶グレーダン教に代々継承されてきた司教杖に似た、武器と言い難い杖を構える。
▶その先端に着装された黒い鉱石からは、悪魔を脅かす不思議な力が醸し出されている。
▶「死神」という名称は、ドールが便宜上付与したものにすぎない。
【ネリネ・エクレット】齢16の貴族令嬢。
▶大陸南東部ヒュミリア州、2大交易都市の1つであるメンシスを治める領主ホリー・エクレットの1人娘。
▶穏やかで物腰柔らかな性格だが、箱入り故に世間知らずである。艶のある金髪の持ち主。
▶だが突如メンシスを襲った猛烈な竜巻で被災し、親も家も失う。
▶街の再建を大陸軍に任せて親戚の元へ身を寄せることになるが、その言動はまるで別人になったようであった。
【カリム】大陸議会の事務官を名乗る青年。
▶年齢はネリネと同じくらいと思われ、左目を前髪で隠しており陰気そうな印象である。
▶身に付けている赤を基調としたシャツと議会所属を表すバッジを留めた黒地のチョッキは所定の制服のようなもの。
▶馬車に乗りメンシスを去るネリネに随行し、竜巻被害について聴取しようとする。
▶大陸北東部の孤児院の出身で、過去に何か苦い経験をしているようである。
【リリアン・ヴァニタス】ヴァニタス海賊団の若き首領。
▶巻き毛の金髪が特徴で、体術では随一の戦闘力を持つ。
▶急逝した父の遺言により、齢16にして首領の座を継承しているが、経験が乏しく未熟であるため、父の右腕であった幹部ローレンの助力を得ながら海賊団を存続させている。
▶海賊団はアルケン商会という善良な団体を騙る裏で、密輸品などの取引を働いていた。
【ロキシー・アルクリス】齢17の女使用人。
▶大陸中央部プディシティア州にあるセントラム農業盆地の領主クレオーメ・フォンス伯爵の別邸に仕える。
▶物心ついた頃から母レピアと共に別邸に棲み込みで従事しており、あまり外界との接触がない。
▶長い藍色の髪をしており、やや陰鬱な印象とは裏腹に齢離れした恵体の持ち主。
▶使用人長でもあるレピアとともに好からぬ秘密を抱えており、大陸軍側からの詮索を敬遠している。
【ルーシー・ドランジア】大陸平和維持軍 国土開発支援部隊の隊長。
▶すらりとした上背に長い黒髪を湛え、銀縁の眼鏡の奥に黄金色の瞳を覗かせる齢28の女性。
▶メンシス港の機能停止を受け、セントラムの生産品の出荷計画などを見直すべく部隊を牽引しフォンス邸別邸を訪れるが、密かに別の目的も念頭にあるらしくロキシーに探りを入れる。
▶飄々として掴みどころのない性格。身内も大陸議会の関係者であるらしい。
【ステラ・アヴァリー】齢24の孤児院管理人。
▶大陸北東部カリタス州の新興都市グリセーオで大陸軍が設立し運営を委託するジェルメナ孤児院に従事している。
▶領主キーウィ―・アヴァリーの1人娘であり、2年前に母から管理人の立場を継承している。
▶赤みがかった茶髪を三つ編みで束ねている。世話焼きで責任感や正義感が強い。
▶過去に厄災を経験して以来、1人でも多くの親なき子の命を護りたいと身を粉にして働いているが、結果としてこれ以上収容できないほどの孤児を拾ってしまい、食糧などの遣り繰りに頭を悩ませている。
【リオ】かつてジェルメナ孤児院で暮らしていた少女。
▶物語開始時点から7年前、グリセーオ西端を流れる川に独り漂着していたところを救助されたが、虚弱体質に陥っていたためジェルメナ孤児院に引き取られ静養することになる。
▶救助以前の記憶をほとんど引き出すことが叶わず、当時は齢7,8程度と推測されていた。
▶2年後に『強欲の悪魔』を顕現させてしまい、命を落としている。栗毛と鈍色の瞳が特徴。
【ピナス・ベル】伝説の瑠璃銀狼の血を引くラピス・ルプスの民の少女。
▶外見は齢12,3ほどだが、人間と比べて齢を重ねる間隔が緩やかで、既に30年生きている。
▶大陸北部アヴスティナ連峰の中腹にあるクラウザという集落で同胞と共に密かに暮らしている。
▶とある目的を果たすため『貪食の悪魔』を宿して鳥の姿となり、大陸西部へ向かっている。
▶7年前のとある出来事で人間側との軋轢を経験し、その際に『貪食の悪魔』を宿した母を失っているほか、サキナとも面識をもっている。
【オドラ―・ベル】ピナスの祖父であり、クラウザの集落を束ねる長老。
▶齢200を超え、ラピス・ルプスの民の特徴である銀色の毛並みは灰色にくすみ、全身毛むくじゃらである。
▶大陸の人間が内戦時代を経て現代に至るまでの歴史だけでなく、千年前から続く厄災についても口伝により知識を蓄えている。
▶人間と対立する気はないが、緩やかに数を減らしてく一族の行く末を憂い、『貪食の悪魔』を同胞から生み出さぬためにも、人間の手を借りてでも種を存続させるべきか思案している。
【クランメ・リヴィア】齢28の博物館職員兼調査研究員
▶大陸西部グラティア州、首都ヴィルトス近郊のアーレア国立自然科学博物館に従事している。
▶やや小柄で、分厚い眼鏡と象牙色の髪が特徴。大陸南西部ミーティス州の農村出身で、独特な訛りで喋る。
▶ルーシーとはグラティア学術院で同期生の関係だが、当時はあまり好ましい印象を抱いていなかった。
▶ラ・クリマスの悪魔の『封印』に関わるとある仕事を引き受けている。
【イリア・ピオニー】齢26にして大陸平和維持軍 国土開発支援部隊の隊長を務める軍人。
▶桃色がかった金髪と強い正義感の持ち主。国の平和のため心身を尽くそうとする厳格な性格。
▶現代に至る国内軍事を統括し続けた由緒あるピオニー家の娘。父ジオラスは元帥の地位にあり、2人の兄も同じく軍人である。
▶十代のころに出会ったルーシーの理想に感銘を受け、励まされたことでその背中を追い続けている。
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小説情報
壊月彗星が廻る
- 執筆状況
- 連載中
- エピソード
- 55話
- 種類
- 一般小説
- ジャンル
- ファンタジー
- タグ
- ファンタジードラマ, ダークファンタジー, 厄災, 死生観, シリアス, 女主人公, ヒューマンドラマ, 魔法っぽい能力, 生きる
- 総文字数
- 244,867文字
- 公開日
- 2024年01月03日 14:09
- 最終更新日
- 2024年04月25日 21:00
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