第63話 グリーンラッド国へ2
文字数 1,859文字
その後も水晶神殿に留まりカルディアに交信する。
「カルディア。聞こえる?」
「聞こえてますよ。まったく無謀なんだから‥‥って私が地上にいても同じことをしたけどね」
「私たちは一心同体ですものね」
「悲しいかな、そうなのよね」
カルディアがおどけている。
「すべて把握しているでしょ?」
「もちろん」
「勝算はあると思う?」
「どうかなー。正直、わからないわ。ラムディアが考えた通り処刑や捕虜にしたら、困る事態になるのはグリーンラッド国なのは確かだから勝算がないってことはないわ」
「そう聞いてほっとしたわ。ありがとう」
「ちなみに私は、そんなインスピレーションは送ってないわよ! ラムディア自身が考え、決めたことなの」
「うん。私もそう思っている。だから、こうして挨拶しておきたかったの」
「天上界からは物理的な支援はできない。それは認識しているわよね?」
「しているわ」
「ならその勇気をラグナロク王にぶつけてきなさい! 応援しているわ」
「ありがとう。じゃぁ明日の朝一番に出航するわ。また交信できるといいね」
「いいねじゃなくて、するのよ! きっとできるわ。信じてる」
「うん。じゃ、いってきます」
明日の朝はトート神への祈りを早めにするつもりだけどカルディアと交信する時間は取れないため今、挨拶しておきたかった。
*
巨人族が侵攻のために船で南下し始めているため時間がない。
王家用小型飛行船の定員10人乗りに、機長と操縦士2人。
私、シルバー、イーシュナ、ライゼン部隊長、カイオン近衛隊員の5人の計7人が乗り込んだ。
そのため翌日の朝、太陽が昇り飛行船の飛行が可能になった時間をもって早々に出航した。
充電効率は飛躍的に良くなっているが、西の大陸の東海岸線沿いに北上していくことにした。
夜通しは、現在の充電性能をもってしても飛べない。
そして、グリーンラッド国から脱出しなくてはならない事態になったときのため、近くでフル充電する必要もあった。
時間はないけど、必要な時間は仕方ない。
1日目も2日目もフル飛行。
最後の充電を短時間で済ませるために、バッテリーを使わないようにした。
こういった管理は、ベール機長に一任した。
3日目には到着できるけどグリーンラッド国に一番近い西大陸の北東部にて着陸し充電し、昼食をとって入国した。
空に見かけないものを初めてみる、巨人族の一般国民が眼下に見える。
『平和そうね。そうして見ているだけだと、とても荒々しい種族だとは思えない』
そう思えた。
「思ったより温暖なのね。もっと寒いと思ったわ」
そう話しかけるとシルバーが、
「私もそう思いましたが、事前に聞いていた話では凍えるような寒さではないとのことでした。しかしながらグリーンラッド国の北方はとても寒いそうです」
「そうですか、こののどかな風景。少し癒されるわね。アトランティスの首都に居るとこういった自然がとても大切なのねって思うわ」
「そうでございます。彼らも攻めてこずに貿易で交流しれば、我がアトランティスの恩恵を受けることもできたでしょうが、自然の大切さは改めて思わされます」
ライゼンがそう答えた。
「ライゼン、カイオン。巻き込んでしまってごめんなさいね」
「いえ! 姫様をお護りできるのですから近衛隊の本懐です!!」
カイオンが、はりきってそう答えてくれた。
「そうでございます。そのための近衛隊なのですから、心配はご無用に願います」
ライゼンもそう答えた。
「ありがとう。改めて、よろしく頼むわ」
「はっ!」
「はい!」
「イーシュナもありがとう」
「いえ。私はラファティア王女の命に従ったまでです。そしてラムディア王女も大事な主のお一人でございます」
「うん」
そう答えた。
「本当にラム様が、お一人で交渉なさるのですか?」
シルバーが再確認してきた。
「ええ。王に事前連絡もなく会うのですから、王女が自ら話をしなくては失礼です。そうでなくては話も聞いて頂けないでしょう」
「かしこまりました。もう何もいいませぬ」
引き下がってくれた。
と言うか諦めてくれたのでしょう。
「さぁ姫様方。王城が見えて参りましたよ」
ベール機長が、そういうと皆が前方を凝視した。
「うわぁ。流石に巨人族の王城。大きいわね」
その大きさに驚いた。
「姫様、如何いたしますか?」
機長が確認をしてきた。
「打合通りに王城の上空から対話しにしたことを伝え、巨人族が攻撃的な感じでなければ、王城付近の地上に着陸させてもらうわ」
そう指示した。
「は! かしこまりました」
そして王城の上空付近に到着した。
「カルディア。聞こえる?」
「聞こえてますよ。まったく無謀なんだから‥‥って私が地上にいても同じことをしたけどね」
「私たちは一心同体ですものね」
「悲しいかな、そうなのよね」
カルディアがおどけている。
「すべて把握しているでしょ?」
「もちろん」
「勝算はあると思う?」
「どうかなー。正直、わからないわ。ラムディアが考えた通り処刑や捕虜にしたら、困る事態になるのはグリーンラッド国なのは確かだから勝算がないってことはないわ」
「そう聞いてほっとしたわ。ありがとう」
「ちなみに私は、そんなインスピレーションは送ってないわよ! ラムディア自身が考え、決めたことなの」
「うん。私もそう思っている。だから、こうして挨拶しておきたかったの」
「天上界からは物理的な支援はできない。それは認識しているわよね?」
「しているわ」
「ならその勇気をラグナロク王にぶつけてきなさい! 応援しているわ」
「ありがとう。じゃぁ明日の朝一番に出航するわ。また交信できるといいね」
「いいねじゃなくて、するのよ! きっとできるわ。信じてる」
「うん。じゃ、いってきます」
明日の朝はトート神への祈りを早めにするつもりだけどカルディアと交信する時間は取れないため今、挨拶しておきたかった。
*
巨人族が侵攻のために船で南下し始めているため時間がない。
王家用小型飛行船の定員10人乗りに、機長と操縦士2人。
私、シルバー、イーシュナ、ライゼン部隊長、カイオン近衛隊員の5人の計7人が乗り込んだ。
そのため翌日の朝、太陽が昇り飛行船の飛行が可能になった時間をもって早々に出航した。
充電効率は飛躍的に良くなっているが、西の大陸の東海岸線沿いに北上していくことにした。
夜通しは、現在の充電性能をもってしても飛べない。
そして、グリーンラッド国から脱出しなくてはならない事態になったときのため、近くでフル充電する必要もあった。
時間はないけど、必要な時間は仕方ない。
1日目も2日目もフル飛行。
最後の充電を短時間で済ませるために、バッテリーを使わないようにした。
こういった管理は、ベール機長に一任した。
3日目には到着できるけどグリーンラッド国に一番近い西大陸の北東部にて着陸し充電し、昼食をとって入国した。
空に見かけないものを初めてみる、巨人族の一般国民が眼下に見える。
『平和そうね。そうして見ているだけだと、とても荒々しい種族だとは思えない』
そう思えた。
「思ったより温暖なのね。もっと寒いと思ったわ」
そう話しかけるとシルバーが、
「私もそう思いましたが、事前に聞いていた話では凍えるような寒さではないとのことでした。しかしながらグリーンラッド国の北方はとても寒いそうです」
「そうですか、こののどかな風景。少し癒されるわね。アトランティスの首都に居るとこういった自然がとても大切なのねって思うわ」
「そうでございます。彼らも攻めてこずに貿易で交流しれば、我がアトランティスの恩恵を受けることもできたでしょうが、自然の大切さは改めて思わされます」
ライゼンがそう答えた。
「ライゼン、カイオン。巻き込んでしまってごめんなさいね」
「いえ! 姫様をお護りできるのですから近衛隊の本懐です!!」
カイオンが、はりきってそう答えてくれた。
「そうでございます。そのための近衛隊なのですから、心配はご無用に願います」
ライゼンもそう答えた。
「ありがとう。改めて、よろしく頼むわ」
「はっ!」
「はい!」
「イーシュナもありがとう」
「いえ。私はラファティア王女の命に従ったまでです。そしてラムディア王女も大事な主のお一人でございます」
「うん」
そう答えた。
「本当にラム様が、お一人で交渉なさるのですか?」
シルバーが再確認してきた。
「ええ。王に事前連絡もなく会うのですから、王女が自ら話をしなくては失礼です。そうでなくては話も聞いて頂けないでしょう」
「かしこまりました。もう何もいいませぬ」
引き下がってくれた。
と言うか諦めてくれたのでしょう。
「さぁ姫様方。王城が見えて参りましたよ」
ベール機長が、そういうと皆が前方を凝視した。
「うわぁ。流石に巨人族の王城。大きいわね」
その大きさに驚いた。
「姫様、如何いたしますか?」
機長が確認をしてきた。
「打合通りに王城の上空から対話しにしたことを伝え、巨人族が攻撃的な感じでなければ、王城付近の地上に着陸させてもらうわ」
そう指示した。
「は! かしこまりました」
そして王城の上空付近に到着した。