第52話 秘密作戦2
文字数 1,643文字
マシュロンが部屋から退出すると、バレンスタインはガハルを呼び出した。
「宰相。お急ぎの要件とは、どのようなことでしょうか?」
心が落ち着かなかった。
このところお叱りばかり受けているため、また虫の居所が悪く叱咤されるのだと思ってきたのだ。
「実は先ほどまでマシュロンと秘密の作戦の話をしていたのだ」
バレスタイン宰相からの意外な言葉にビックリした。
しかし、叱咤でないとわかりホッとした。
「左様でございますか、その内容をお聞きしてもよろしいのでしょうか?」
「うむ。そのためにお前を呼び出したのだ」
「は! ではお願いいたします」
「2年前にマシュロンが言っていただあろう。東の大陸で試作兵器の実験を行うと」
「覚えてございます」
「マシュロンに兵器の詳細を聞いてだな。わしが東の大陸ではなく占拠されているアチ地区にしろと命じたのだ」
「なんと! アチ地区の打開策が見つかったのですか!?」
そうしてバレンスタインは、ガハルに兵器の詳細を伝えた。
*
「本当に可能なのですか? そのようなことが‥‥」
「それが可能なのだよ。準備まであと1ヶ月必要だがな。その間は巨人族もまだ侵攻してこないだろう」
「確かに。奴らは土地を耕し食糧生産に力を入れております。抜かりなく砦は強化しておりますが」
「でだ。その兵器を使ったあと、まずは第2拠点を取り戻し、その勢いで第1拠点も取り戻すぞ!」
「は! マシュロン殿の兵器と連携し取り戻してみせます」
『これでガフェイを殺した奴を倒しことができるぞ』
心の底から笑い声が沸いてきて、つい顔にでてしまった。
「ガハルよ。よかったな打開策がでてきて」
と皮肉を言われてしまった。
「失礼いたしました。申し訳ございません」
「まぁ良い。だがこの作戦では軍用転用の試作飛行船1隻を犠牲にせねばならん」
「なんと! 宰相はご許可されたのですか!?」
「我がアトランティス軍の兵士の犠牲を考えれば安いものだ」
「宰相がご納得されているのでしたら、わたしめに異論がございません」
「では、そちもマシュロンと直接連絡をとり作戦準備に入れ。わかったな!」
「は! かしこまりました」
そう返事をするや否やマシュロンのところに急行した。
*
王家の晩餐後に、家族での話が始まった。
「巨人族にアチ地区を占領されたが、アチ地区の住民を首都に避難させ終えたと聞く」
アーク兄さまが口を開く。
「その辺りは立派ですね」
ラファティア姉さまが珍しく政府を褒める。
「どうで支持率の低下を防ぐためだろう? 奴が正義感でやったとは思えんね」
アーク兄さまは鋭く指摘する。
「それでも一般国民の被害を防いだのだから是が非で判断してあげなくてはね」
「そうですな」
ラファティア姉さまがにそう言われ、アーク兄さまは渋々納得した。
「巨人族もアチ地区を占領してから大人しいですね。食糧生産に力を入れ本国に送っているようです」
アモン兄さまが発言する。
「このまま大人しくしてくれていれば、まだ良いのですが」
私がそう口にすると、
「いや。作物関係が軌道に乗ったら今度は攻めてくるぞ。なんと言っても奴らは好戦的なのだ。戦もせずに農作業ばかりでは統率が取れなくなる」
「そうですね。でも山脈があるため首都にいきなりは攻めてこれないですよね?」
そう私が問うた。
「西側は赤色人種のために拠点駐屯部隊の人数が多い。だから手薄な東側から攻めてくるだろうな。アチ地区が拠点となっていれば可能だ」
アーク兄さまは冷静に読んでいた。
「実際、そうなるだろうね。しかし軍部も打開策がまったくなく停滞しているだけだ、このまま東側まで墜とされたら首都侵攻が可能となる」
アモン兄さまが言う。
「軍部も馬鹿ではないから東側の拠点駐屯部隊をかなり増やしている。司令官は元アチ地区の司令官のファーレンが任命された」
アモン兄さまが軍部の動きを説明してくれた。
「そうですか、ファーレンなら良い指揮をしてくれるでしょう」
私はファーレンの実力がちゃんと認められていたことが正直嬉しかった。
「宰相。お急ぎの要件とは、どのようなことでしょうか?」
心が落ち着かなかった。
このところお叱りばかり受けているため、また虫の居所が悪く叱咤されるのだと思ってきたのだ。
「実は先ほどまでマシュロンと秘密の作戦の話をしていたのだ」
バレスタイン宰相からの意外な言葉にビックリした。
しかし、叱咤でないとわかりホッとした。
「左様でございますか、その内容をお聞きしてもよろしいのでしょうか?」
「うむ。そのためにお前を呼び出したのだ」
「は! ではお願いいたします」
「2年前にマシュロンが言っていただあろう。東の大陸で試作兵器の実験を行うと」
「覚えてございます」
「マシュロンに兵器の詳細を聞いてだな。わしが東の大陸ではなく占拠されているアチ地区にしろと命じたのだ」
「なんと! アチ地区の打開策が見つかったのですか!?」
そうしてバレンスタインは、ガハルに兵器の詳細を伝えた。
*
「本当に可能なのですか? そのようなことが‥‥」
「それが可能なのだよ。準備まであと1ヶ月必要だがな。その間は巨人族もまだ侵攻してこないだろう」
「確かに。奴らは土地を耕し食糧生産に力を入れております。抜かりなく砦は強化しておりますが」
「でだ。その兵器を使ったあと、まずは第2拠点を取り戻し、その勢いで第1拠点も取り戻すぞ!」
「は! マシュロン殿の兵器と連携し取り戻してみせます」
『これでガフェイを殺した奴を倒しことができるぞ』
心の底から笑い声が沸いてきて、つい顔にでてしまった。
「ガハルよ。よかったな打開策がでてきて」
と皮肉を言われてしまった。
「失礼いたしました。申し訳ございません」
「まぁ良い。だがこの作戦では軍用転用の試作飛行船1隻を犠牲にせねばならん」
「なんと! 宰相はご許可されたのですか!?」
「我がアトランティス軍の兵士の犠牲を考えれば安いものだ」
「宰相がご納得されているのでしたら、わたしめに異論がございません」
「では、そちもマシュロンと直接連絡をとり作戦準備に入れ。わかったな!」
「は! かしこまりました」
そう返事をするや否やマシュロンのところに急行した。
*
王家の晩餐後に、家族での話が始まった。
「巨人族にアチ地区を占領されたが、アチ地区の住民を首都に避難させ終えたと聞く」
アーク兄さまが口を開く。
「その辺りは立派ですね」
ラファティア姉さまが珍しく政府を褒める。
「どうで支持率の低下を防ぐためだろう? 奴が正義感でやったとは思えんね」
アーク兄さまは鋭く指摘する。
「それでも一般国民の被害を防いだのだから是が非で判断してあげなくてはね」
「そうですな」
ラファティア姉さまがにそう言われ、アーク兄さまは渋々納得した。
「巨人族もアチ地区を占領してから大人しいですね。食糧生産に力を入れ本国に送っているようです」
アモン兄さまが発言する。
「このまま大人しくしてくれていれば、まだ良いのですが」
私がそう口にすると、
「いや。作物関係が軌道に乗ったら今度は攻めてくるぞ。なんと言っても奴らは好戦的なのだ。戦もせずに農作業ばかりでは統率が取れなくなる」
「そうですね。でも山脈があるため首都にいきなりは攻めてこれないですよね?」
そう私が問うた。
「西側は赤色人種のために拠点駐屯部隊の人数が多い。だから手薄な東側から攻めてくるだろうな。アチ地区が拠点となっていれば可能だ」
アーク兄さまは冷静に読んでいた。
「実際、そうなるだろうね。しかし軍部も打開策がまったくなく停滞しているだけだ、このまま東側まで墜とされたら首都侵攻が可能となる」
アモン兄さまが言う。
「軍部も馬鹿ではないから東側の拠点駐屯部隊をかなり増やしている。司令官は元アチ地区の司令官のファーレンが任命された」
アモン兄さまが軍部の動きを説明してくれた。
「そうですか、ファーレンなら良い指揮をしてくれるでしょう」
私はファーレンの実力がちゃんと認められていたことが正直嬉しかった。