第66話 謁見
文字数 1,882文字
ギランが扉の両脇にいた護衛に向け、
「この者たちに攻撃は無用だ。王の命である。中に入らせてもらうぞ」
と言うと、護衛が距離をとった。
ギランが扉を開けて中に入る。
それに続いて私たちも中に入った。
『うわぁ、とっても大きな部屋。流石、王様の部屋だわ』
このスケールにどうしても驚いてしまう。
見回すと左側の先に王座があり、1人の巨人が座っていた。
『あれがラグナロク王なのね。見るからに王の風格がある』
素直にそう思った。
ギランについていき、ラグナロク王の前まで来た。
ギランが、
「王よ、ご命令通りアトランティスの一行を連れて参りました」
そう報告し王の右側に移動した。
左側には更に位の高いと思われる巨人がいたが、何も話しかけてこなかった。
『いよいよね。これからが本番だわ』
「ラグナロク王。この度は突然の来訪を受け入れてくださり、ありがとうございました。私がアトランティス王家の第2王女のラムディア・ラァ・アトランティックです」
そう名乗りお辞儀をした。
「うむ。流石にびっくりしたがな。おぬしの必死な呼びかけが伝わってきたので、会うことにした」
「ありがとうございます」
そう御礼を述べると、剣を鞘ごと外し利き手 に持った。
後ろを振り向いて、
「皆も武器を外して頂戴。私たちから敵意がないことを示すのが礼儀だわ」
「しかし!」
ライゼンが反論するも首を振って拒否する。
「少し失礼いたします」
そういって5mほど前に進み、そこへ鞘ごと剣を置き元の位置に戻った。
他の者も、渋々続いた。
「それでは、お話をお聞きいただけますでしょうか?」
と気合いを入れラグナロク王に問うた。
「ふふふ。あっはっはっはっはっは」
ラグナロク王が、突如笑いだした。
そして、
「お姫様にしては肝が据わっているな。なかなかのものだ。気に入ったぞ」
そう言ってくれた。
『作戦成功!』
心の中でガッツポーズをして喜んだ。
「私は対話に来ました。ですから剣は無用でございます。突然会いにきた私に会ってくださったラグナロク王への礼儀と思います」
「うむ。本気であるのは飛行船からの声で伝わってきたが、その覚悟できたというのは理解した」
「ありがとうございます」
「その前に聞きたいことがある」
「はい。なんでございましょう?」
「アトランティスの王家の者は輝かしい金髪だと聞くが、ラムディア姫の髪の色は少し違うが、どうしてなのだ?妾 の子なのか?」
「なっ!」
とカイオンが反応したのを、とっさに手で制す。
「疑問に思われるのは当然だと思います。私は元々、その金髪でございました。私には巫女の資質がございましたゆえ精神修行の結果、守護天使との交信が可能になりその際、不思議ですが髪の色が変化しました」
「そのような話は聞いたことがないぞ」
「はい。私の姉上は巫女を務めておりますが、その姉でも不思議だと申しておりました。これは信じていただくしかございません」
そういうと王の右側にいたギランが、
「は! そういうことなのか!!」
と叫んだ。
『??』
突然のことで驚いてしまった。
ラグナロク王がギランに、
「どういうことなのか説明せよ」
そう命じた。
「はっ! 実は先ほどから髪の色が違うため判断しかねていたのですが、以前の侵攻のときにゴルン隊長が戦った相手が、その姫と後ろに控えている銀髪の男だったのです。そういうことなら見覚えがあるのに違和感があったのは当然だったな」
「ほう。ラムディア姫は自ら戦場に出ていたのか?」
「はい。お名前は存じませんが片手武器と盾の珍しい装備の者が5人。そのうちの1人が私の金髪を見て襲ってきたので交戦しました」
「ふふふ。はっはっはっはっは。なかなか愉快な姫だな。おぬしが巨人であったなら妃に欲しいと思ったぞ」
そうラグナロク王が発言した。
「そ‥‥そうですか、それは光栄に存じます。あと、これがアカシック王からの親書でございます」
そういって大きな親書を取り出した。
それをギランが受け取り、ラグナロク王の元に持っていった。
「気を遣って字を大きくしたのだろうが、それでも小さいな。まぁなんとか読めそうではある」
そう言って親書を読み始めた。
親書を読み終えると、
「お転婆姫で申し訳ないが、対話に応じてやって欲しいと書いてあったぞ」
「そうでございますか」
「そちが、アトランティスのアカシック王の第2王女であることを信じよう」
「ありがとうございます」
『やったわ! これで交渉が可能になったわ。お父様、ありがとうございました』
心の中で叫んでいた。
「では、本題に入ろうか」
ラグナロク王が呼び水をかけてくれた。
「この者たちに攻撃は無用だ。王の命である。中に入らせてもらうぞ」
と言うと、護衛が距離をとった。
ギランが扉を開けて中に入る。
それに続いて私たちも中に入った。
『うわぁ、とっても大きな部屋。流石、王様の部屋だわ』
このスケールにどうしても驚いてしまう。
見回すと左側の先に王座があり、1人の巨人が座っていた。
『あれがラグナロク王なのね。見るからに王の風格がある』
素直にそう思った。
ギランについていき、ラグナロク王の前まで来た。
ギランが、
「王よ、ご命令通りアトランティスの一行を連れて参りました」
そう報告し王の右側に移動した。
左側には更に位の高いと思われる巨人がいたが、何も話しかけてこなかった。
『いよいよね。これからが本番だわ』
「ラグナロク王。この度は突然の来訪を受け入れてくださり、ありがとうございました。私がアトランティス王家の第2王女のラムディア・ラァ・アトランティックです」
そう名乗りお辞儀をした。
「うむ。流石にびっくりしたがな。おぬしの必死な呼びかけが伝わってきたので、会うことにした」
「ありがとうございます」
そう御礼を述べると、剣を鞘ごと外し
後ろを振り向いて、
「皆も武器を外して頂戴。私たちから敵意がないことを示すのが礼儀だわ」
「しかし!」
ライゼンが反論するも首を振って拒否する。
「少し失礼いたします」
そういって5mほど前に進み、そこへ鞘ごと剣を置き元の位置に戻った。
他の者も、渋々続いた。
「それでは、お話をお聞きいただけますでしょうか?」
と気合いを入れラグナロク王に問うた。
「ふふふ。あっはっはっはっはっは」
ラグナロク王が、突如笑いだした。
そして、
「お姫様にしては肝が据わっているな。なかなかのものだ。気に入ったぞ」
そう言ってくれた。
『作戦成功!』
心の中でガッツポーズをして喜んだ。
「私は対話に来ました。ですから剣は無用でございます。突然会いにきた私に会ってくださったラグナロク王への礼儀と思います」
「うむ。本気であるのは飛行船からの声で伝わってきたが、その覚悟できたというのは理解した」
「ありがとうございます」
「その前に聞きたいことがある」
「はい。なんでございましょう?」
「アトランティスの王家の者は輝かしい金髪だと聞くが、ラムディア姫の髪の色は少し違うが、どうしてなのだ?
「なっ!」
とカイオンが反応したのを、とっさに手で制す。
「疑問に思われるのは当然だと思います。私は元々、その金髪でございました。私には巫女の資質がございましたゆえ精神修行の結果、守護天使との交信が可能になりその際、不思議ですが髪の色が変化しました」
「そのような話は聞いたことがないぞ」
「はい。私の姉上は巫女を務めておりますが、その姉でも不思議だと申しておりました。これは信じていただくしかございません」
そういうと王の右側にいたギランが、
「は! そういうことなのか!!」
と叫んだ。
『??』
突然のことで驚いてしまった。
ラグナロク王がギランに、
「どういうことなのか説明せよ」
そう命じた。
「はっ! 実は先ほどから髪の色が違うため判断しかねていたのですが、以前の侵攻のときにゴルン隊長が戦った相手が、その姫と後ろに控えている銀髪の男だったのです。そういうことなら見覚えがあるのに違和感があったのは当然だったな」
「ほう。ラムディア姫は自ら戦場に出ていたのか?」
「はい。お名前は存じませんが片手武器と盾の珍しい装備の者が5人。そのうちの1人が私の金髪を見て襲ってきたので交戦しました」
「ふふふ。はっはっはっはっは。なかなか愉快な姫だな。おぬしが巨人であったなら妃に欲しいと思ったぞ」
そうラグナロク王が発言した。
「そ‥‥そうですか、それは光栄に存じます。あと、これがアカシック王からの親書でございます」
そういって大きな親書を取り出した。
それをギランが受け取り、ラグナロク王の元に持っていった。
「気を遣って字を大きくしたのだろうが、それでも小さいな。まぁなんとか読めそうではある」
そう言って親書を読み始めた。
親書を読み終えると、
「お転婆姫で申し訳ないが、対話に応じてやって欲しいと書いてあったぞ」
「そうでございますか」
「そちが、アトランティスのアカシック王の第2王女であることを信じよう」
「ありがとうございます」
『やったわ! これで交渉が可能になったわ。お父様、ありがとうございました』
心の中で叫んでいた。
「では、本題に入ろうか」
ラグナロク王が呼び水をかけてくれた。