第24話 防御戦
文字数 2,015文字
翌朝9時、砦の上での配置を終えた。
男性兵も地上での配置を終え、巨人が攻めてくるのを待つだけとなっていた。
『これも攻めてくる時間がわかっていたから出来ることね。アモン兄さま、本当にありがとう。投石の可能性も教えてくれて感謝してもしきれないわ。絶対に戻って御礼を言わなくちゃ』
そう心に誓った。
「みんな、いい? 光銃の殺傷能力は関係ない。相手の攻撃の邪魔さえできればいいの。上からだと狙いやすいから落ち着いて正確に目を狙ってね。そうすれば少なくとも顔面には当たるわ」
「はい!」
「各隊長が投石など察知したら通信で指示するから退避するのよ。ちゃんと通信機に耳を傾けてね。今の内にみんな、通信機を今一度テストして頂戴」
と指示した。
もちろん昨夜、飛行船内でテストはしたけれど念には念をと今一度、全員の通信機に問題がないことを確認した。
「敵が射撃範囲に入ってアトランティス軍との交戦を始めたら、攻撃開始よ。各自の判断に任せるからね。ずっと訓練してきたのだから大丈夫。信頼しているわよ」
と攻撃開始を各自に委ねた。
私は砦の一番中央で全体を見渡せる場所についた。
各隊の中心場所に隊長を配置している。
私は戦場全体を見て、指示を出すのが今回の役割。
正直、剣で戦いたいけど今回は我慢。
*
そして待つこと40分後、先端が開かれた。
巨人族は、片手武器部隊を前衛に配置して攻めてきた。
これは願ってもないことだった。
地上に隠れている男性支援兵、砦の上からの射撃となる私たちに近い場所にくるのだから、支援しやすいからだ。
『向こうは片手武器の部隊が有効だからと全面に配置してきたのだろうけど仇になったわね。でも、ありがとう』
と心の中で感謝した。
中央突破を図ってきたのか中心が先んじて砦まで到達していた。
ソフィーア隊が砦の中央だったので、ソフィーア隊が一番初めに射撃を開始した。
そして、どんどんと戦闘範囲が広がっていき全員が射撃を開始していた。
最初は、初めて生で見る巨人に恐怖を感じたようだけど、みんな一緒で行動していることもあり意外と早く冷静になり正確な射撃をしていた。
そう数を撃つより、攻撃しようとしたとき顔面に光弾があたると怯 み、隙ができる。
そのときを狙って男性兵が剣を打ち込む。
正直、支援兵が少し足りないけど、何とかなっている。
両手武器の巨人とは3:1で対抗している。
初実戦の兵も多いと聞いているけれど、良く戦っている。
『お父様のあの質疑応答で巨人を倒すことへの迷いがなくなったのは、きっと大きな支援になっているのだわ』
と私は思った。
『お父様、ありがとうございます』
心の中で感謝した。
戦場を見ていると両端は隠れている男性の支援兵が上手く活躍していた。
『軍も訓練してくれていたとは聞いていたけれど、ありがたいわ』
『そうなると、少し中央の支援を厚くした方が良いわね』
と判断し、右翼配置のシャレムと左翼配置のイスカに少し中央側に移動するように指示を出した。
『うん。良い感じ。みんな初めての戦闘なのに立派だわ』
と感心していた。
今のところ、砦上を狙っての投石攻撃はないが油断はできない。
『アモン兄さまが注意するように教えてくれたのだから、巨人も馬鹿じゃない。きっと攻撃してくるわ』
と注意を払っていると共に、各隊長に油断しないように改めて伝えた。
*
もう2時間は経過していた。
こちらも巨人を次々と倒しているが、アトランティス兵にも被害が出ている。
どちらが優勢で、どちらが劣勢かの判断ができない状態だ。
やはりファーレン隊は戦い慣れている。
だからこそ、両手武器部隊を優先に攻撃している。
駐屯部隊だけみれば、完全に優勢だ。
強い!
だけど300人だから、巨人100人の相手をするのに精一杯だ。
倒しては次を、倒しては次をと連戦が続いている。
両手武器部隊には、援軍部隊と支援部隊で拮抗している感じだ。
倒し、倒され両軍に被害が出ている。
見ていると、目を塞ぎたくなる光景が目に飛び込んでくる。
射撃しているみんなは、標準を見て視界が狭いため余り目に入っていないようだけど部隊長はそうはいかない。
「5人とも大丈夫? 酷いものが目に飛び込んでくるから辛いね。私もよ。でもこれはアトランティスの平和を守る正義の戦いなの。だから頑張って部隊員を守ってあげて」
と励ますことしかできない。
状況に応じて、部隊を左翼側に移動させたり、右翼側に移動させたりと指示していた。
集中力が要る。
私が油断すると、みんなを危険に晒すことになる。
更に2時間経過して、戦闘開始から4時間が経過していた。
現在13時50分
すると、巨人族が引き始めた。
アトランティス軍は追撃はしない。
しないというより、余裕がないのだ。
巨人族が海岸線まで撤退し、我が軍も拠点に撤退した。
両陣営、疲れ果てたのかこの日、戦闘が再開されることはなかった。
男性兵も地上での配置を終え、巨人が攻めてくるのを待つだけとなっていた。
『これも攻めてくる時間がわかっていたから出来ることね。アモン兄さま、本当にありがとう。投石の可能性も教えてくれて感謝してもしきれないわ。絶対に戻って御礼を言わなくちゃ』
そう心に誓った。
「みんな、いい? 光銃の殺傷能力は関係ない。相手の攻撃の邪魔さえできればいいの。上からだと狙いやすいから落ち着いて正確に目を狙ってね。そうすれば少なくとも顔面には当たるわ」
「はい!」
「各隊長が投石など察知したら通信で指示するから退避するのよ。ちゃんと通信機に耳を傾けてね。今の内にみんな、通信機を今一度テストして頂戴」
と指示した。
もちろん昨夜、飛行船内でテストはしたけれど念には念をと今一度、全員の通信機に問題がないことを確認した。
「敵が射撃範囲に入ってアトランティス軍との交戦を始めたら、攻撃開始よ。各自の判断に任せるからね。ずっと訓練してきたのだから大丈夫。信頼しているわよ」
と攻撃開始を各自に委ねた。
私は砦の一番中央で全体を見渡せる場所についた。
各隊の中心場所に隊長を配置している。
私は戦場全体を見て、指示を出すのが今回の役割。
正直、剣で戦いたいけど今回は我慢。
*
そして待つこと40分後、先端が開かれた。
巨人族は、片手武器部隊を前衛に配置して攻めてきた。
これは願ってもないことだった。
地上に隠れている男性支援兵、砦の上からの射撃となる私たちに近い場所にくるのだから、支援しやすいからだ。
『向こうは片手武器の部隊が有効だからと全面に配置してきたのだろうけど仇になったわね。でも、ありがとう』
と心の中で感謝した。
中央突破を図ってきたのか中心が先んじて砦まで到達していた。
ソフィーア隊が砦の中央だったので、ソフィーア隊が一番初めに射撃を開始した。
そして、どんどんと戦闘範囲が広がっていき全員が射撃を開始していた。
最初は、初めて生で見る巨人に恐怖を感じたようだけど、みんな一緒で行動していることもあり意外と早く冷静になり正確な射撃をしていた。
そう数を撃つより、攻撃しようとしたとき顔面に光弾があたると
そのときを狙って男性兵が剣を打ち込む。
正直、支援兵が少し足りないけど、何とかなっている。
両手武器の巨人とは3:1で対抗している。
初実戦の兵も多いと聞いているけれど、良く戦っている。
『お父様のあの質疑応答で巨人を倒すことへの迷いがなくなったのは、きっと大きな支援になっているのだわ』
と私は思った。
『お父様、ありがとうございます』
心の中で感謝した。
戦場を見ていると両端は隠れている男性の支援兵が上手く活躍していた。
『軍も訓練してくれていたとは聞いていたけれど、ありがたいわ』
『そうなると、少し中央の支援を厚くした方が良いわね』
と判断し、右翼配置のシャレムと左翼配置のイスカに少し中央側に移動するように指示を出した。
『うん。良い感じ。みんな初めての戦闘なのに立派だわ』
と感心していた。
今のところ、砦上を狙っての投石攻撃はないが油断はできない。
『アモン兄さまが注意するように教えてくれたのだから、巨人も馬鹿じゃない。きっと攻撃してくるわ』
と注意を払っていると共に、各隊長に油断しないように改めて伝えた。
*
もう2時間は経過していた。
こちらも巨人を次々と倒しているが、アトランティス兵にも被害が出ている。
どちらが優勢で、どちらが劣勢かの判断ができない状態だ。
やはりファーレン隊は戦い慣れている。
だからこそ、両手武器部隊を優先に攻撃している。
駐屯部隊だけみれば、完全に優勢だ。
強い!
だけど300人だから、巨人100人の相手をするのに精一杯だ。
倒しては次を、倒しては次をと連戦が続いている。
両手武器部隊には、援軍部隊と支援部隊で拮抗している感じだ。
倒し、倒され両軍に被害が出ている。
見ていると、目を塞ぎたくなる光景が目に飛び込んでくる。
射撃しているみんなは、標準を見て視界が狭いため余り目に入っていないようだけど部隊長はそうはいかない。
「5人とも大丈夫? 酷いものが目に飛び込んでくるから辛いね。私もよ。でもこれはアトランティスの平和を守る正義の戦いなの。だから頑張って部隊員を守ってあげて」
と励ますことしかできない。
状況に応じて、部隊を左翼側に移動させたり、右翼側に移動させたりと指示していた。
集中力が要る。
私が油断すると、みんなを危険に晒すことになる。
更に2時間経過して、戦闘開始から4時間が経過していた。
現在13時50分
すると、巨人族が引き始めた。
アトランティス軍は追撃はしない。
しないというより、余裕がないのだ。
巨人族が海岸線まで撤退し、我が軍も拠点に撤退した。
両陣営、疲れ果てたのかこの日、戦闘が再開されることはなかった。