第20話 平和のために
文字数 1,453文字
「その国民 が平和に暮らしている国家に対して、侵略することは悪である!」
そう大きな声でハッキリとおっしゃった。
「かの巨人の国と戦は、アトランティスが先に攻撃して始まったのではない」
「本来ならば! 力に高げ丈夫な巨人族、そして我が科学の発展したアトランティスと協力すればお互いの弱いところを補いあいながら互いに発展することができる」
「しかし彼らは残念ながら攻撃性が高く、戦を楽しんでいる」
ゆっくりと説明している。
「ならば、巨人族からアトランティスを守るために戦い、巨人族を倒すこと自体には罪はない。但し! 軍人でも巨人を殺すことに楽しみ喜びを感じているケースは悪となる。つまり正義があるかどうかなのだ。だから自信をもって、これからもアトランティスを守って欲しい。自らの命をかけアトランティスを守ってくれてありがとう」
「戦の場合、個人ではどうしようもないケースがある。その場合の責任は指令した者にあるのだ。最高司令官、各拠点の司令官、部隊長など地位が高いほど責任が重くなる」
「平和に生活している我がアトランティスを守るための純粋な正義である場合は大丈夫だから、安心して戦って欲しい」
「納得できただろうか?」
その目は質問したであろう1人を見つめていた。
「それでは今後も、このような的を得た質問には答えていくので、遠慮せず質問状を出して欲しい。今日も来てくれて、観てくれてありがとう」
そう言うと、お父様は檀上から降り去っていった。
会場が熱に帯びているのが肌で解かった。
『そうよ! ちゃんと解ってくれるのよ。このアトランティスの民は立派ですもの。きっと滅亡を回避できるわ!!』
そう思った。
*
「おい! 観衆が増えたぞ!! しかも今日は演説に対して熱を帯びていた」
悔しそうなバレスタインがいた。
「しかし、そう言いましても、たった2千人増えただけでございます。巨人族との戦も肯定しました。ですから政府に対しても特段害はございません」
王族担当のゴーランが意見する。
「うーん。まぁ広場がガラッガラなのは変わらないが、今後の動向には注意が必要だな。演説に満足してくれていれば、こちらはこちらでやり易いから、やらせてやっているのだ。広い心を持って見守ってやるとするか」
「そうでございます! 我々には壮大な計画と大きな国民の支持がございます」
ゴーランは安堵して答えた。
*
場所は変わり、グリーンラッド国。
ラグナロク王とトール軍事最高司令官が対話をしていた。
「まだ戦闘準備はできていないのか? もう3ヶ月も我慢しているのだぞ。連敗続きで臟 が煮えくり返っているのだ!」
ラグナロク王が憤慨していた。
「そう申されても片手武器部隊の比率を増やすご命令は陛下からでございます」
「そうであるが、わかっておる」
「片手斧と盾の製造に、両手武器しか扱ったことのない兵士ばかりでございます。訓練もしっかりしておきませんと効果が現れませぬ」
トールが説得していた。
『まったく俺は反対だったのに、ギランの奴の策を採用し命令したのは王ではないか! 何故、俺がフォローしないといけないのだ。しかも副司令官のスーを説得するのは大変だったんだぞ。王よ』
と心の中で愚痴ばかり吐いていた。
「それで? 今度の侵攻はいつ頃なら可能なのだ?」
「は! 来月には500人の大規模部隊で一気に攻め北拠点を制覇いたします!!」
「来月か‥‥まだ1ヶ月も我慢せにゃならんのか。仕方ない。それで良い。今度こそ結果を出すのだぞ。分かったな!!」
「ははー」
と首 を垂れた。
そう大きな声でハッキリとおっしゃった。
「かの巨人の国と戦は、アトランティスが先に攻撃して始まったのではない」
「本来ならば! 力に高げ丈夫な巨人族、そして我が科学の発展したアトランティスと協力すればお互いの弱いところを補いあいながら互いに発展することができる」
「しかし彼らは残念ながら攻撃性が高く、戦を楽しんでいる」
ゆっくりと説明している。
「ならば、巨人族からアトランティスを守るために戦い、巨人族を倒すこと自体には罪はない。但し! 軍人でも巨人を殺すことに楽しみ喜びを感じているケースは悪となる。つまり正義があるかどうかなのだ。だから自信をもって、これからもアトランティスを守って欲しい。自らの命をかけアトランティスを守ってくれてありがとう」
「戦の場合、個人ではどうしようもないケースがある。その場合の責任は指令した者にあるのだ。最高司令官、各拠点の司令官、部隊長など地位が高いほど責任が重くなる」
「平和に生活している我がアトランティスを守るための純粋な正義である場合は大丈夫だから、安心して戦って欲しい」
「納得できただろうか?」
その目は質問したであろう1人を見つめていた。
「それでは今後も、このような的を得た質問には答えていくので、遠慮せず質問状を出して欲しい。今日も来てくれて、観てくれてありがとう」
そう言うと、お父様は檀上から降り去っていった。
会場が熱に帯びているのが肌で解かった。
『そうよ! ちゃんと解ってくれるのよ。このアトランティスの民は立派ですもの。きっと滅亡を回避できるわ!!』
そう思った。
*
「おい! 観衆が増えたぞ!! しかも今日は演説に対して熱を帯びていた」
悔しそうなバレスタインがいた。
「しかし、そう言いましても、たった2千人増えただけでございます。巨人族との戦も肯定しました。ですから政府に対しても特段害はございません」
王族担当のゴーランが意見する。
「うーん。まぁ広場がガラッガラなのは変わらないが、今後の動向には注意が必要だな。演説に満足してくれていれば、こちらはこちらでやり易いから、やらせてやっているのだ。広い心を持って見守ってやるとするか」
「そうでございます! 我々には壮大な計画と大きな国民の支持がございます」
ゴーランは安堵して答えた。
*
場所は変わり、グリーンラッド国。
ラグナロク王とトール軍事最高司令官が対話をしていた。
「まだ戦闘準備はできていないのか? もう3ヶ月も我慢しているのだぞ。連敗続きで
ラグナロク王が憤慨していた。
「そう申されても片手武器部隊の比率を増やすご命令は陛下からでございます」
「そうであるが、わかっておる」
「片手斧と盾の製造に、両手武器しか扱ったことのない兵士ばかりでございます。訓練もしっかりしておきませんと効果が現れませぬ」
トールが説得していた。
『まったく俺は反対だったのに、ギランの奴の策を採用し命令したのは王ではないか! 何故、俺がフォローしないといけないのだ。しかも副司令官のスーを説得するのは大変だったんだぞ。王よ』
と心の中で愚痴ばかり吐いていた。
「それで? 今度の侵攻はいつ頃なら可能なのだ?」
「は! 来月には500人の大規模部隊で一気に攻め北拠点を制覇いたします!!」
「来月か‥‥まだ1ヶ月も我慢せにゃならんのか。仕方ない。それで良い。今度こそ結果を出すのだぞ。分かったな!!」
「ははー」
と