第55話 アチ地区奪還作戦2
文字数 1,557文字
1時間ほどの休憩をとり、食事も済ませ、士気も高いアトランティス軍。
第1拠点奪還に動き出した。
1時間と半刻ほどすると第1拠点に到達した。
そこで見たもの は、目を疑うものだった。
巨人どもが至るところで死んでいるのだ。
『何が起こったのだ? 寒さに強いはず巨人族が死んでいる』
外には生きている巨人は1人もいなかった‥‥
「建物内に潜入するぞ!」
「油断するなよ!」
号令が飛ぶ。
建物内に警戒しながら、ゆっくりと潜入する。
すると生きている巨人が現れた。
武器を振り回してくるが、第2拠点の巨人よりも更に動きが鈍い。
「攻撃せよ!」
どっと流れこみ内部の巨人を次々と倒していく。
軽症者こそでたものの重傷者、死者は1人も出ず容易く殲滅することに成功した。
「なんか拍子抜けだな」
「まったく手応えがなかったぜ」
「子供を相手に戦っているのと変わらん」
皆が同じ意見であった。
海辺まで到着すると、船が見えた。
どうやら第2拠点から撤退した巨人は本国に帰っていったようだ。
「ガハル軍最高司令官に報告せねば」
とここでやっと報告することになった。
「ほう。そうなのか、マシュロン殿には頭が上がらなくなったな。俺も第1拠点に行くから待っておれ」
「は!」
しばらくすると、ガハル軍最高司令官の飛行船が着陸した。
「皆、良くやった。屈辱のときがやっと終わったのだ。今夜は飲み明かそうぞ!」
『やった! これでアチ地区を取り戻したぞ』
心底喜びに震えた。
『ガフェイ、仇は討ってやったぞ』
バレンスタイン宰相に通信で、奪還作戦成功の報を届けた。
「そうか! 良くやった。早速、国民に知らせるとしよう」
そう言って、さっさと通信を切られてしまった。
『まぁ、これで支持率が回復するだろうから急ぐのも無理はないか』
宰相に対して失礼な物言いではあるが、心の中で呟いた。
ガハルは護衛を引き連れ、第1拠点周りを探索した。
「しっかし作物の大きなことよ。わしらが食しても大丈夫なのか?」
「はい。巨人どもは巨体であるだけで、食物は特段変わりないとお聞きしております」
側近がそう報告した。
「では今日の勝利の宴のおかずにするとするか、後で食糧班に採りに来させろ」
「は! そういたします」
『しかし、あっけなかったな。まったく打開策が見いだせなかったが本当にマシュロンには頭があがらんな。今度、礼でも持っていくか』
なかなか人間味のあることを考えていた。
『マシュロン。恐ろしい物を開発したな。流石にこれで巨人どももアトランティスに攻めてこんだろうよ』
あっという間に奪還されてしまった巨人側として考えると、そう思えた。
『ガフェイの仇は討ったが、本当の仇はラグナロク王だ。いつか討伐してやるぞ』
今までグリーンラッド国を攻めるなど考えもしなかったが、ここにきて野心がでてきた。
*
首都ポンティスでは、バレンスタイン宰相が自らスクリーン放送でアチ地区の奪還を報告していた。
王宮でそれを見ていた私たちは心底驚いていた。
「つい先日まで打開策がなく行き詰っていたのに、こんな短期間で奪還できるなんてどうやったのでしょうねか?」
と私が口に出した。
「まったくわからん」
アーク兄さまは、早々に考えることを止めていた。
「精霊たちが騒がしいわ。なにかとんでもないことがあったみたいよ」
ラファティア姉さまが言う。
「そうだね。異常極まることがあったのは確かだよ」
アモン兄さまも同調する。
兄弟姉妹が、お父様 を見る。
「領土を取り戻したのは歓迎だが、アトランティスへ滅亡が一歩忍び寄ってきた」
そう声にだされた。
「お父様には何が起こったのかお解りなのですよね? 教えてくださいませんか?」
あとでカルディアとの交信で聞けるのだが、お父様のお考えもお聞きしたかったため、敢えて質問した。
第1拠点奪還に動き出した。
1時間と半刻ほどすると第1拠点に到達した。
そこで見た
巨人どもが至るところで死んでいるのだ。
『何が起こったのだ? 寒さに強いはず巨人族が死んでいる』
外には生きている巨人は1人もいなかった‥‥
「建物内に潜入するぞ!」
「油断するなよ!」
号令が飛ぶ。
建物内に警戒しながら、ゆっくりと潜入する。
すると生きている巨人が現れた。
武器を振り回してくるが、第2拠点の巨人よりも更に動きが鈍い。
「攻撃せよ!」
どっと流れこみ内部の巨人を次々と倒していく。
軽症者こそでたものの重傷者、死者は1人も出ず容易く殲滅することに成功した。
「なんか拍子抜けだな」
「まったく手応えがなかったぜ」
「子供を相手に戦っているのと変わらん」
皆が同じ意見であった。
海辺まで到着すると、船が見えた。
どうやら第2拠点から撤退した巨人は本国に帰っていったようだ。
「ガハル軍最高司令官に報告せねば」
とここでやっと報告することになった。
「ほう。そうなのか、マシュロン殿には頭が上がらなくなったな。俺も第1拠点に行くから待っておれ」
「は!」
しばらくすると、ガハル軍最高司令官の飛行船が着陸した。
「皆、良くやった。屈辱のときがやっと終わったのだ。今夜は飲み明かそうぞ!」
『やった! これでアチ地区を取り戻したぞ』
心底喜びに震えた。
『ガフェイ、仇は討ってやったぞ』
バレンスタイン宰相に通信で、奪還作戦成功の報を届けた。
「そうか! 良くやった。早速、国民に知らせるとしよう」
そう言って、さっさと通信を切られてしまった。
『まぁ、これで支持率が回復するだろうから急ぐのも無理はないか』
宰相に対して失礼な物言いではあるが、心の中で呟いた。
ガハルは護衛を引き連れ、第1拠点周りを探索した。
「しっかし作物の大きなことよ。わしらが食しても大丈夫なのか?」
「はい。巨人どもは巨体であるだけで、食物は特段変わりないとお聞きしております」
側近がそう報告した。
「では今日の勝利の宴のおかずにするとするか、後で食糧班に採りに来させろ」
「は! そういたします」
『しかし、あっけなかったな。まったく打開策が見いだせなかったが本当にマシュロンには頭があがらんな。今度、礼でも持っていくか』
なかなか人間味のあることを考えていた。
『マシュロン。恐ろしい物を開発したな。流石にこれで巨人どももアトランティスに攻めてこんだろうよ』
あっという間に奪還されてしまった巨人側として考えると、そう思えた。
『ガフェイの仇は討ったが、本当の仇はラグナロク王だ。いつか討伐してやるぞ』
今までグリーンラッド国を攻めるなど考えもしなかったが、ここにきて野心がでてきた。
*
首都ポンティスでは、バレンスタイン宰相が自らスクリーン放送でアチ地区の奪還を報告していた。
王宮でそれを見ていた私たちは心底驚いていた。
「つい先日まで打開策がなく行き詰っていたのに、こんな短期間で奪還できるなんてどうやったのでしょうねか?」
と私が口に出した。
「まったくわからん」
アーク兄さまは、早々に考えることを止めていた。
「精霊たちが騒がしいわ。なにかとんでもないことがあったみたいよ」
ラファティア姉さまが言う。
「そうだね。異常極まることがあったのは確かだよ」
アモン兄さまも同調する。
兄弟姉妹が、
「領土を取り戻したのは歓迎だが、アトランティスへ滅亡が一歩忍び寄ってきた」
そう声にだされた。
「お父様には何が起こったのかお解りなのですよね? 教えてくださいませんか?」
あとでカルディアとの交信で聞けるのだが、お父様のお考えもお聞きしたかったため、敢えて質問した。