第29話 母の提案
文字数 1,397文字
ラファティア姉さまが代理で母の言葉を伝えてくれる。
「ラムディア、大きくなったわね。そして信仰心もあり真っ直ぐに育ってくれてお母さんは、嬉しいわ。でも剣も強くて戦場にまで行っちゃうなんてお転婆 さんね」
「じっとしていられない性分でございますので‥‥」
するとキラキラした光が自身を包んだ。
温かな感じがする。
ラファティア姉さまが、
「そうよ。今、お母様があなたを抱きしめているのよ」
すると涙が溢 れ出てきた。
「お母様。会いたかったです」
「そうね。あなたからは、そうよね。でも私はね。天からあなた達をずっと見守っていたのよ。会話は久しぶりだけどね」
とラファティア姉さまが伝えてくれた。
ラファティア姉さまが、
「そうなのね。ラムは巫女の資質もあったからお母様を感じることができるのね」
と話してきた。
「はい。最初は分かりませんでしたが精神を集中すると光がキラキラしているのが視えるようになりました」
と答えた。
「ラムディア、あなたはラファティアの元で精神的な修行をすると良いわ。そうすれば巫女の資質が伸びてくるからね」
『だってさ』とお姉さまが顔で言っていた。
「はい、お母様。そういたします!」
「これからもお父様を助け、支えてあげてね。お母さんは天から見守っていますから。さぁ、アークがそわそわしているから代わってあげて頂戴。ラムディア、またね」
「はい!」
そう返事をし後方へ下がり、アーク兄さまと交代した。
「母上! お懐かしゅうございます」
と話しかける。
ラファティア姉さまが、間に入り会話をしていくのを下がったところから見ていた。
『こんな奇跡が起こるなんて。私は幸せだわ。お母様のお言葉に従ってお姉さまに修行してもらおう』
そう心に決めた。
*
そのころグリーンラッド国では、ラグナロク王が憤慨していた。
「なんだと! 攻撃開始時間がバレていただと? いくら科学が進んでいようが、そんなことが可能なのか!?」
「いえ。判断しかねますが、事実として奴らには分っていたのです」
軍最高司令官のトールが答える。
「スーよ。詳しく説明するのだ」
トールが、スーと呼ばれる者に命令する。
「ラグナロク王、この度の敗戦申し訳ございません」
まずは頭を地に擦り付けて謝罪した。
彼は、今回の攻撃隊長だったのだ。
「1日目と2日目は、朝でしたので違和感は感じませんでした。ですが3日目は、敢えて昼過ぎまで攻撃時間をズラし、アトランティスの小人どもを精神的に疲れさせる作戦でした。ですが砦まで到着すると、準備万端の配置で待ち構えておりました。しかも士気も高いようでした」
王を見上げると、続けろという視線を感じた。
「奴らの会話で、”予定通り来たぞ”と言っているのが聞こえました。その会話から、どういう手段かは分かりませんが、攻撃時間が読まれていたのは確実です」
と報告を終えた。
「うぬぬぬぬ。こちらは片手武器部隊を設け訓練し500人中200人も用意したのだ。1日目はあっという間に砦まで退却させることができ、久しぶりに奴らの拠点まで迫ったというのに、何ということだ!」
ラグナロク王の怒りは収まらない。
「こうなったら、こちらも遠距離攻撃の武器を用意するしかあるまい。昔に使われたと聞くクロスボウを実戦に使うぞ。急いで製造させよ。次こそ北の拠点を占拠するぞ」
と命令を出した。
「ははぁ!」
トールとスーが、土下座をして答えた。
「ラムディア、大きくなったわね。そして信仰心もあり真っ直ぐに育ってくれてお母さんは、嬉しいわ。でも剣も強くて戦場にまで行っちゃうなんてお
「じっとしていられない性分でございますので‥‥」
するとキラキラした光が自身を包んだ。
温かな感じがする。
ラファティア姉さまが、
「そうよ。今、お母様があなたを抱きしめているのよ」
すると涙が
「お母様。会いたかったです」
「そうね。あなたからは、そうよね。でも私はね。天からあなた達をずっと見守っていたのよ。会話は久しぶりだけどね」
とラファティア姉さまが伝えてくれた。
ラファティア姉さまが、
「そうなのね。ラムは巫女の資質もあったからお母様を感じることができるのね」
と話してきた。
「はい。最初は分かりませんでしたが精神を集中すると光がキラキラしているのが視えるようになりました」
と答えた。
「ラムディア、あなたはラファティアの元で精神的な修行をすると良いわ。そうすれば巫女の資質が伸びてくるからね」
『だってさ』とお姉さまが顔で言っていた。
「はい、お母様。そういたします!」
「これからもお父様を助け、支えてあげてね。お母さんは天から見守っていますから。さぁ、アークがそわそわしているから代わってあげて頂戴。ラムディア、またね」
「はい!」
そう返事をし後方へ下がり、アーク兄さまと交代した。
「母上! お懐かしゅうございます」
と話しかける。
ラファティア姉さまが、間に入り会話をしていくのを下がったところから見ていた。
『こんな奇跡が起こるなんて。私は幸せだわ。お母様のお言葉に従ってお姉さまに修行してもらおう』
そう心に決めた。
*
そのころグリーンラッド国では、ラグナロク王が憤慨していた。
「なんだと! 攻撃開始時間がバレていただと? いくら科学が進んでいようが、そんなことが可能なのか!?」
「いえ。判断しかねますが、事実として奴らには分っていたのです」
軍最高司令官のトールが答える。
「スーよ。詳しく説明するのだ」
トールが、スーと呼ばれる者に命令する。
「ラグナロク王、この度の敗戦申し訳ございません」
まずは頭を地に擦り付けて謝罪した。
彼は、今回の攻撃隊長だったのだ。
「1日目と2日目は、朝でしたので違和感は感じませんでした。ですが3日目は、敢えて昼過ぎまで攻撃時間をズラし、アトランティスの小人どもを精神的に疲れさせる作戦でした。ですが砦まで到着すると、準備万端の配置で待ち構えておりました。しかも士気も高いようでした」
王を見上げると、続けろという視線を感じた。
「奴らの会話で、”予定通り来たぞ”と言っているのが聞こえました。その会話から、どういう手段かは分かりませんが、攻撃時間が読まれていたのは確実です」
と報告を終えた。
「うぬぬぬぬ。こちらは片手武器部隊を設け訓練し500人中200人も用意したのだ。1日目はあっという間に砦まで退却させることができ、久しぶりに奴らの拠点まで迫ったというのに、何ということだ!」
ラグナロク王の怒りは収まらない。
「こうなったら、こちらも遠距離攻撃の武器を用意するしかあるまい。昔に使われたと聞くクロスボウを実戦に使うぞ。急いで製造させよ。次こそ北の拠点を占拠するぞ」
と命令を出した。
「ははぁ!」
トールとスーが、土下座をして答えた。