第12話 首都帰還
文字数 1,709文字
夜が明け、皆と朝食を済ませると9時から葬儀となった。
北方拠点の神殿の神官が、死者を送る言葉を捧げた。
そして、私の出番となった。
「亡くなった7人の勇敢な戦士たちよ。アトランティスのため、そして家族のために身を挺して守ってくれて、心より御礼申し上げます。
貴方の魂は、生きている間の行いと想いで行き先の結果は決まるであろう。
天におわず我が先祖たるトートの神は、貴方をちゃんと見守ってくださっている。
安心して天に還ってほしい。
みんな、ありがとう!」
と深くお辞儀をした。
*
そして、駐屯部隊のファーレン隊に見送られ私たちは、首都ポンティスへの帰途についた。
飛行船で、また3時間ほどすると首都に無事着いた。
下船すると全員一旦帰宅とし、明日10時に修練場に集合とした。
シャレムは家族が迎えに来ており、そのまま病院に直行となった。
家族に状況を説明し、私は別れた。
私も王宮に帰ると、挨拶もままならぬ状態でお風呂に向かった。
何といっても、昨日は戦闘で汗をかき、土まみれになりながらもお風呂に入る余裕がなかった。
『う~~~~~ん。やっぱりお風呂は最高ね。疲れが一気に取れた気分よ』
あまり熱いお湯ではなかったので、ついつい長風呂をしてしまい、1時間以上入ってしまった。
*
お風呂を済ませ、衣服を着替えるとお父様のところに向かった。
家族全員が、待っていてくれたのだ。
アーク兄さまが、
「どれだけ待たせるんだ、このじゃじゃ馬娘」
と非難してきた。
ラファティア姉さまが、
「まぁまぁ、ラムも女の子なんですよ。お風呂くらいゆっくりと入らせてあげなさい」
と言うと、アーク兄さまはムスっとしていた。
視線でお姉さまに御礼を述べ、お父様 の前まで進んだ。
「お父さま、ラムディア帰還いたしました。この度はご心配をお掛けし申し訳ございません」
すると意外にお父様は、
「うん。良く頑張ったな。良い経験になったであろう。今日はゆっくりと疲れをとるといい」
と言ってくれた。
その眼では、すべてが最初から解かっていたような不思議な感覚がした。
『お父様は、トート神の啓示を受けてから神々しくなっている。全てを知った上で私を送り出してくださったのだわ』
と何故か確信できた。
アモン兄さまは、
「無事に帰ってきて、本当にほっとしたよ。でも、まさか巨人と本格的な戦闘までしてくるとは流石に驚いた。父上の指示に従って、素直に後方支援に徹すると思っていたよ」
アーク兄さまが続いて、
「ラムが、そんな大人しくしている訳がない。きっと実戦目的で行ったのだろうと俺は思っていた。案の定だ。前線部隊でも4:1のところを3:1でだぁ? しかも1人は途中で気絶して実際にはシルバーと2人で戦ったそうじゃあないか! なんてことだ。やはり俺も行けば良かった!!」
と心底悔しそうだった。
ラファティア姉さまが、
「確かに流石に私もビックリしたわ。でも無事で本当に良かった」
と優しく言葉をかけてくれた。
母性の強い、優しい姉だ。
私から改めて、実際の戦闘を最初から最後まで説明した。
アーク兄さまが、
「片手斧に盾の珍しい装備が居たのか。攻撃範囲は小さくなるから避けやすくはなるが大きな盾はやっかいだな」
と腕を組んで考えに耽っていた。
勿論、銃剣モードでの援護射撃が有効だったことは伝えた。
お父様が、
「まぁ、これくらいで良いだろう。みな、解散しよう」
と言ってくださり解散となった。
1人そのまま残り、お父様と2人になった。
「お父様は、こうなることがわかっておいでだったのですか? それでも私を戦場に行かせてくださったのでしょうか?」
と疑問を投げつけた。
何もおっしゃらなかったが、目が『そうだ』と物語っていた。
「お父様。ありがとうございました」
と御礼を述べ退室した。
*
その後、神殿に向かいトート神に、祈りを捧げた。
ラファティア姉さまと、少し会話をし自室に戻った。
『とにかく。今日は疲れを癒そう』
正直、身体のあちこちが痛い‥‥
『本当に良い経験になった。巨人の脅威もこの身で体験することができた』
と言いつつ、戦闘を振り返ると興奮している自分に気づいた。
北方拠点の神殿の神官が、死者を送る言葉を捧げた。
そして、私の出番となった。
「亡くなった7人の勇敢な戦士たちよ。アトランティスのため、そして家族のために身を挺して守ってくれて、心より御礼申し上げます。
貴方の魂は、生きている間の行いと想いで行き先の結果は決まるであろう。
天におわず我が先祖たるトートの神は、貴方をちゃんと見守ってくださっている。
安心して天に還ってほしい。
みんな、ありがとう!」
と深くお辞儀をした。
*
そして、駐屯部隊のファーレン隊に見送られ私たちは、首都ポンティスへの帰途についた。
飛行船で、また3時間ほどすると首都に無事着いた。
下船すると全員一旦帰宅とし、明日10時に修練場に集合とした。
シャレムは家族が迎えに来ており、そのまま病院に直行となった。
家族に状況を説明し、私は別れた。
私も王宮に帰ると、挨拶もままならぬ状態でお風呂に向かった。
何といっても、昨日は戦闘で汗をかき、土まみれになりながらもお風呂に入る余裕がなかった。
『う~~~~~ん。やっぱりお風呂は最高ね。疲れが一気に取れた気分よ』
あまり熱いお湯ではなかったので、ついつい長風呂をしてしまい、1時間以上入ってしまった。
*
お風呂を済ませ、衣服を着替えるとお父様のところに向かった。
家族全員が、待っていてくれたのだ。
アーク兄さまが、
「どれだけ待たせるんだ、このじゃじゃ馬娘」
と非難してきた。
ラファティア姉さまが、
「まぁまぁ、ラムも女の子なんですよ。お風呂くらいゆっくりと入らせてあげなさい」
と言うと、アーク兄さまはムスっとしていた。
視線でお姉さまに御礼を述べ、
「お父さま、ラムディア帰還いたしました。この度はご心配をお掛けし申し訳ございません」
すると意外にお父様は、
「うん。良く頑張ったな。良い経験になったであろう。今日はゆっくりと疲れをとるといい」
と言ってくれた。
その眼では、すべてが最初から解かっていたような不思議な感覚がした。
『お父様は、トート神の啓示を受けてから神々しくなっている。全てを知った上で私を送り出してくださったのだわ』
と何故か確信できた。
アモン兄さまは、
「無事に帰ってきて、本当にほっとしたよ。でも、まさか巨人と本格的な戦闘までしてくるとは流石に驚いた。父上の指示に従って、素直に後方支援に徹すると思っていたよ」
アーク兄さまが続いて、
「ラムが、そんな大人しくしている訳がない。きっと実戦目的で行ったのだろうと俺は思っていた。案の定だ。前線部隊でも4:1のところを3:1でだぁ? しかも1人は途中で気絶して実際にはシルバーと2人で戦ったそうじゃあないか! なんてことだ。やはり俺も行けば良かった!!」
と心底悔しそうだった。
ラファティア姉さまが、
「確かに流石に私もビックリしたわ。でも無事で本当に良かった」
と優しく言葉をかけてくれた。
母性の強い、優しい姉だ。
私から改めて、実際の戦闘を最初から最後まで説明した。
アーク兄さまが、
「片手斧に盾の珍しい装備が居たのか。攻撃範囲は小さくなるから避けやすくはなるが大きな盾はやっかいだな」
と腕を組んで考えに耽っていた。
勿論、銃剣モードでの援護射撃が有効だったことは伝えた。
お父様が、
「まぁ、これくらいで良いだろう。みな、解散しよう」
と言ってくださり解散となった。
1人そのまま残り、お父様と2人になった。
「お父様は、こうなることがわかっておいでだったのですか? それでも私を戦場に行かせてくださったのでしょうか?」
と疑問を投げつけた。
何もおっしゃらなかったが、目が『そうだ』と物語っていた。
「お父様。ありがとうございました」
と御礼を述べ退室した。
*
その後、神殿に向かいトート神に、祈りを捧げた。
ラファティア姉さまと、少し会話をし自室に戻った。
『とにかく。今日は疲れを癒そう』
正直、身体のあちこちが痛い‥‥
『本当に良い経験になった。巨人の脅威もこの身で体験することができた』
と言いつつ、戦闘を振り返ると興奮している自分に気づいた。