第17話 クローン
文字数 1,443文字
「今回も見事に、たった1万人しか集まらなかったな」
バレンスタイン宰相はご機嫌だった。
「質問状も1通も来なかったそうでお笑いです」
とガハル最高司令官もご機嫌だ。
「折角、各所に受付を設置した苦労は無駄骨でした。あぁ費用が勿体ない」
王族担当のゴーランは、嘆いていた。
「これは会場を広場から、何処かに移さないと行けないな。警備も楽になるし費用も浮く」
バレンスタインは、そう考えていたが、
「いや。あのスッカスカの会場を見ると気持ちがスカっとして爽快だな。このまま続けさせてやろう。哀れな裸の王様にな!」
と継続することに切り替えた。
「今度は、ムーの話まで出してきたぞ。もうネタがないのではないか?」
「過去の偉人の話を引っ張りだして一生懸命、話をしているのですよ」
と発言するガハルの目は笑っていた。
「また質問状の受付を設置しなくてはならないので、困ったものです」
ゴーランがまたも愚痴をこぼす。
「王族をああやって好きにさせておけば、我らの忠義を疑うまい。そう言わず続けてやれ」
バレンスタインはゴーランに指示をする。
「はぁ、かしこまりました」
とゴーランが渋々納得した。
「さてと、マシュロンよ。クローンの方はどうだ? 報告が未だに上がってこないが進展がないのか?」
と威圧的な目でバレンスタインはマシュロンに無言の圧力を掛ける。
「ははぁー。クローンの中でもある一定に比率では、ある程度の知能があるものが存在すると判明しました。その知能がある者だけに教育を施すと単純な戦闘くらいは出来るようです。知能があっても程度が低い者は掃除や単純作業をさせることは可能でございます。動物的なクローンは殺処分するしかございません」
と答えた。
「そうか。それならば、程度が低い者は奴隷、いや家政婦として一般庶民に売り、生活を楽にすることことで支持率があがるのではないか?」
と顎を撫ぜながら思いついたことを言った。
「それは良い考えでございます! そうなさいますか?」
とマシュロンが喜んで返事をした。
「まだ研究や実験を積み重ねてからな。一般庶民から不良品だと苦情ばかりになっては支持率が落ちてしまう」
と研究継続を指示した。
「かしこまりました!」
と元気な声で答えた。
「それで知能が高い奴らは、どれくらい戦闘で使えるのだ? 何体か軍によこせ。訓練して試してやるぞ」
ガハルが提案する。
「は! 早速5体ほど用意させます」
「おう。期待しているぞ」
「しかし、クローンは当初の思惑のようにはいかなかったな。巨人族が鳴りを潜めているが奴らは強い! 強力な武器なり兵器なりも開発するべきではないか?」
「色々とアイデアはございます。まだ具体的には言えませんが、そちらの方の研究も進めておりますので期待していてください。ですが実戦に使えるようになるには5年はかかるかと」
「なんだと! 5年も我慢しろというのか。馬鹿にするな」
ガハルが怒り出した。
「めっそうもございません。ですが想像を超える強力な兵器になると確信してりますので、どうかお怒りを鎮めてください」
マシュロンが土下座をして頼み込む。
「面白そうだな。研究費はいくらかかっても良い。その代わり成果を期待しているぞ」
とバレスタインがいうとガハルも怒りを飲み込んだ。
「お任せください!」
マシュロンは自信満々であった。
このとき、マシュロン以外の誰も将来開発される兵器があれほど強力で残忍なものだとは予想だにできなかった。
アトランティスの未来に、暗雲が迫っていた。
バレンスタイン宰相はご機嫌だった。
「質問状も1通も来なかったそうでお笑いです」
とガハル最高司令官もご機嫌だ。
「折角、各所に受付を設置した苦労は無駄骨でした。あぁ費用が勿体ない」
王族担当のゴーランは、嘆いていた。
「これは会場を広場から、何処かに移さないと行けないな。警備も楽になるし費用も浮く」
バレンスタインは、そう考えていたが、
「いや。あのスッカスカの会場を見ると気持ちがスカっとして爽快だな。このまま続けさせてやろう。哀れな裸の王様にな!」
と継続することに切り替えた。
「今度は、ムーの話まで出してきたぞ。もうネタがないのではないか?」
「過去の偉人の話を引っ張りだして一生懸命、話をしているのですよ」
と発言するガハルの目は笑っていた。
「また質問状の受付を設置しなくてはならないので、困ったものです」
ゴーランがまたも愚痴をこぼす。
「王族をああやって好きにさせておけば、我らの忠義を疑うまい。そう言わず続けてやれ」
バレンスタインはゴーランに指示をする。
「はぁ、かしこまりました」
とゴーランが渋々納得した。
「さてと、マシュロンよ。クローンの方はどうだ? 報告が未だに上がってこないが進展がないのか?」
と威圧的な目でバレンスタインはマシュロンに無言の圧力を掛ける。
「ははぁー。クローンの中でもある一定に比率では、ある程度の知能があるものが存在すると判明しました。その知能がある者だけに教育を施すと単純な戦闘くらいは出来るようです。知能があっても程度が低い者は掃除や単純作業をさせることは可能でございます。動物的なクローンは殺処分するしかございません」
と答えた。
「そうか。それならば、程度が低い者は奴隷、いや家政婦として一般庶民に売り、生活を楽にすることことで支持率があがるのではないか?」
と顎を撫ぜながら思いついたことを言った。
「それは良い考えでございます! そうなさいますか?」
とマシュロンが喜んで返事をした。
「まだ研究や実験を積み重ねてからな。一般庶民から不良品だと苦情ばかりになっては支持率が落ちてしまう」
と研究継続を指示した。
「かしこまりました!」
と元気な声で答えた。
「それで知能が高い奴らは、どれくらい戦闘で使えるのだ? 何体か軍によこせ。訓練して試してやるぞ」
ガハルが提案する。
「は! 早速5体ほど用意させます」
「おう。期待しているぞ」
「しかし、クローンは当初の思惑のようにはいかなかったな。巨人族が鳴りを潜めているが奴らは強い! 強力な武器なり兵器なりも開発するべきではないか?」
「色々とアイデアはございます。まだ具体的には言えませんが、そちらの方の研究も進めておりますので期待していてください。ですが実戦に使えるようになるには5年はかかるかと」
「なんだと! 5年も我慢しろというのか。馬鹿にするな」
ガハルが怒り出した。
「めっそうもございません。ですが想像を超える強力な兵器になると確信してりますので、どうかお怒りを鎮めてください」
マシュロンが土下座をして頼み込む。
「面白そうだな。研究費はいくらかかっても良い。その代わり成果を期待しているぞ」
とバレスタインがいうとガハルも怒りを飲み込んだ。
「お任せください!」
マシュロンは自信満々であった。
このとき、マシュロン以外の誰も将来開発される兵器があれほど強力で残忍なものだとは予想だにできなかった。
アトランティスの未来に、暗雲が迫っていた。