クーデター勃発

文字数 571文字

 どんよりとした黒い空、今にも大雨が降り出してきそうな雰囲気だ。
 先ほどから胸騒ぎや嫌な予感がする。
 というのも守護天使である私の魂の姉妹であるカルディア。
 そして指導天使のルリディア様。
 ルリディア様は、私の先祖であるトート神が地上に降臨していた時代に巫女を務めていた尊い存在。
 その2人より1年ほど前から、
「そう遠くない未来に、野心を持った政治家が王家にクーデターを起こす」
 と警告されていたからだ。



 そう考えていた丁度そのとき、
 城門の方角から、大きな“ドォーーーン!”という爆発音が聞こえてきた。
 その途端、城門から爆炎が上がった。

『とうとう、恐れていた時が来てしまったのね‥‥でも! この日のために出来る限りの準備はしてきたつもりよ』

 私の名は、ラムディア・ラァ・アトランティック。
 父王アカシック・ラァ・アトランティックの第2王女だ。

 時に、オリハルコン歴1604年。

 城内外から次々と「クーデターだーーー」という声が響き渡る。

『さぁ私は、私の()すべきことをしよう。なんとしても、お父様を他の大陸に逃がすのだ!』
 と王城のテラスから城内に向かって走り出した。

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※  オリハルコン歴とは、我が王家の先祖である偉大なトート神の生まれた年を元年とした歴である。
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登場人物紹介

アトランティス王家最後の第二王女で、本作の主人公

ラムディア・ラァ・アトランティック

「皆さま、どうかアトランティスの悲劇を現文明で繰り返さないようお願いします」

アカシック王

アトランティス滅亡を防ぐため降臨した救世主(メシア)

「愛とは奪うものではなく与えるものである。爽やかに吹き渡る風のように」

「創造神は人に完全なる自由を与えた。しかし自由には責任が伴うのだ」

後世、イエス・キリストとして降臨する。

アモン(第一王子)

アカシック王の後継者。

アカシック王の第一子。

性格は温厚で優しく、遠視や未来を視る能力を持つ。

重要な役割を負うことになる。

ラファティア(第一王女)

アカシック王の2番目の子で、巫女を務める。

能力が高く結界の守護者。

性格は早くに亡くなった母のように母性の高く思いやりに満ちている。

アーク(第二王子)

アカシック王の3番目の子で、近衛隊長を務める。

性格は正義感が強いが、気性が少し荒い。

曲がったことが嫌い。

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