第46話 ムーの滅亡-アカシックレコード-
文字数 1,787文字
本日は、お父様のご法話の日だ。
すでに10万人を収容できる広場は毎回満員になり、入れない人は自宅のスクリーンで観るしかないほどトート神への信仰にアトランティスの国民は目覚めていた。
お父様とアモン兄さまが檀上にあがる。
この頃からアモン兄さまは、水晶の付いた杖を持つようになった。
「このアトランティスの皆よ。本日も忙しい中、集まってくれてありがとう。広場がいっぱいになり入れないため家庭のスクリーンで観ることになってしまった皆にはお詫び申し上げたい。そしていつもスクリーンで観てくれている国民にも御礼を述べたい」
お父様は、いつも謙虚であった。
その目は慈愛に満ち満ちており、更に神々しく感じられる。
「今日は、かのムーが何故滅んだのかを説きたいと思う」
会場は静まりかえっている。
「ラ・ムー大王の死後、数千年が経過すると、ラ・ムーの教えが形骸化し信じなくなった者がとても多くなったのだ」
ゆっくりと、聞いている者が話についていけるように配慮しながらご法話と続けた。
「そして怪しげな動物信仰が流行りだし、国民が堕落し始めたのだ。自ら努力することを忘れ動物の神と称する邪神信仰に没頭していった」
会場を一旦、見回す。
「自助努力。この大切な言葉さえ末期のムーの国民は忘れ、嫌なことがあると他人の性にして自分のことを顧みなくなっていた」
「更には、ラ・ムーの教えを守り続けてきた人たちを迫害し始めた」
「そうしてムー大陸全土に悪しき想念が蓄積していきこの星のガイア様のお怒りに触れることになり、一夜にして海中に没してしまったのが真実なのだ」
「そういった意味においては、現在のアトランティスもある意味では状況が似てきている。トート神への信仰が薄れていたのだ。しかしながら、私の毎月の話に耳を傾けトート神への信仰に目覚めてくれた国民が今、次々と増えている」
「油断すれば、このアトランティスもムーと同じ運命を辿ってしまうのだ。国民の皆よ、怪しげな信仰を捨てトート神への教えに戻りなさい! さすればこの科学技術の発展した繁栄ある、この栄光のアトランティスは今後も存続し、更なる繁栄もできる」
「ムーは最後、国民の大多数が闇思想に飲み込まれた。国民が選んだ結果、滅んだ。我がアトランティスは同じ轍 を踏んではならない!」
「アトランティスの未来は、王家でも政府でもなく、国民の皆の、1人1人の総意にかかっているのだということを心に刻んで欲しい」
「それでは、また来月も是非私の話を聞きに来て欲しい。スクリーンで観て欲しい。ありがとう。ありがとう」
そういって本日のご法話も無事に終わった。
難病治療は数が増えすぎたため、今では事前に応募しトート神への信仰を確かめた上で、お父様が透視し信仰を確認した上で、行うようになっていた。
*
その後、水晶神殿に行き、カルディア様との交信を行った。
「本日のお父様のご法話は力が入っていました。まさに言霊というべき響きでした」
「そうですね。私も一緒にお聞きしていましたよ」
「カルディア様は、ムーの話は知っているのですか?」
「ラムディア。様付けは止めてと言っているでしょう? 私たちは魂の姉妹なのですよ。一体なのですから、自分に様付けは変でしょう?」
「そう言われましても失礼な感じがまだしておりまして、しばらくはお許しください」
「まぁ、いいわよ。あなたが想ったことは、ぜーーーんぶ私にも伝わっているから気持ちは理解しているわ」
「はい。ありがたいです」
「そうそう。ムーの話ね。地上で巫女をしていたときには知らなかったわよ。でも帰天してから、こちらで知ったの。アカシック王のおっしゃる通りよ」
「お父様は本当に凄いです」
「アカシック王の魂は私たちと違い、もっと大きな光の生命体なの。トート神は更に大きな生命体なのよ。でね、天にあるこの地球のすべての歴史が記録されているというものがあるのね。実際には物質ではないのだけど」
「そうなのですか! お父様はメシアなのですものね」
「その地球の歴史の記録の管理を任されているのが、アカシック王の魂なのです」
「!!」
「それは、アカシックレコードと呼ばれているわ。今世のお父様のお名前は実にダイレクトなお名前ね」
「お教えくださって、ありがとうございます」
「いいのよ。私たちは一体なのだから」
こうして、偉大で大きな天の事実を知ることになった。
すでに10万人を収容できる広場は毎回満員になり、入れない人は自宅のスクリーンで観るしかないほどトート神への信仰にアトランティスの国民は目覚めていた。
お父様とアモン兄さまが檀上にあがる。
この頃からアモン兄さまは、水晶の付いた杖を持つようになった。
「このアトランティスの皆よ。本日も忙しい中、集まってくれてありがとう。広場がいっぱいになり入れないため家庭のスクリーンで観ることになってしまった皆にはお詫び申し上げたい。そしていつもスクリーンで観てくれている国民にも御礼を述べたい」
お父様は、いつも謙虚であった。
その目は慈愛に満ち満ちており、更に神々しく感じられる。
「今日は、かのムーが何故滅んだのかを説きたいと思う」
会場は静まりかえっている。
「ラ・ムー大王の死後、数千年が経過すると、ラ・ムーの教えが形骸化し信じなくなった者がとても多くなったのだ」
ゆっくりと、聞いている者が話についていけるように配慮しながらご法話と続けた。
「そして怪しげな動物信仰が流行りだし、国民が堕落し始めたのだ。自ら努力することを忘れ動物の神と称する邪神信仰に没頭していった」
会場を一旦、見回す。
「自助努力。この大切な言葉さえ末期のムーの国民は忘れ、嫌なことがあると他人の性にして自分のことを顧みなくなっていた」
「更には、ラ・ムーの教えを守り続けてきた人たちを迫害し始めた」
「そうしてムー大陸全土に悪しき想念が蓄積していきこの星のガイア様のお怒りに触れることになり、一夜にして海中に没してしまったのが真実なのだ」
「そういった意味においては、現在のアトランティスもある意味では状況が似てきている。トート神への信仰が薄れていたのだ。しかしながら、私の毎月の話に耳を傾けトート神への信仰に目覚めてくれた国民が今、次々と増えている」
「油断すれば、このアトランティスもムーと同じ運命を辿ってしまうのだ。国民の皆よ、怪しげな信仰を捨てトート神への教えに戻りなさい! さすればこの科学技術の発展した繁栄ある、この栄光のアトランティスは今後も存続し、更なる繁栄もできる」
「ムーは最後、国民の大多数が闇思想に飲み込まれた。国民が選んだ結果、滅んだ。我がアトランティスは同じ
「アトランティスの未来は、王家でも政府でもなく、国民の皆の、1人1人の総意にかかっているのだということを心に刻んで欲しい」
「それでは、また来月も是非私の話を聞きに来て欲しい。スクリーンで観て欲しい。ありがとう。ありがとう」
そういって本日のご法話も無事に終わった。
難病治療は数が増えすぎたため、今では事前に応募しトート神への信仰を確かめた上で、お父様が透視し信仰を確認した上で、行うようになっていた。
*
その後、水晶神殿に行き、カルディア様との交信を行った。
「本日のお父様のご法話は力が入っていました。まさに言霊というべき響きでした」
「そうですね。私も一緒にお聞きしていましたよ」
「カルディア様は、ムーの話は知っているのですか?」
「ラムディア。様付けは止めてと言っているでしょう? 私たちは魂の姉妹なのですよ。一体なのですから、自分に様付けは変でしょう?」
「そう言われましても失礼な感じがまだしておりまして、しばらくはお許しください」
「まぁ、いいわよ。あなたが想ったことは、ぜーーーんぶ私にも伝わっているから気持ちは理解しているわ」
「はい。ありがたいです」
「そうそう。ムーの話ね。地上で巫女をしていたときには知らなかったわよ。でも帰天してから、こちらで知ったの。アカシック王のおっしゃる通りよ」
「お父様は本当に凄いです」
「アカシック王の魂は私たちと違い、もっと大きな光の生命体なの。トート神は更に大きな生命体なのよ。でね、天にあるこの地球のすべての歴史が記録されているというものがあるのね。実際には物質ではないのだけど」
「そうなのですか! お父様はメシアなのですものね」
「その地球の歴史の記録の管理を任されているのが、アカシック王の魂なのです」
「!!」
「それは、アカシックレコードと呼ばれているわ。今世のお父様のお名前は実にダイレクトなお名前ね」
「お教えくださって、ありがとうございます」
「いいのよ。私たちは一体なのだから」
こうして、偉大で大きな天の事実を知ることになった。