第40話 巨人族猛攻
文字数 1,845文字
選挙が終わり、再び政権維持を果たしたバレスタイン宰相。
しかし試練は直ぐにやってきた。
今までにない人数の巨人の侵攻の報が偵察舟よりもたらされたからだ。
「なに? 700人もの巨人だと! 過去、最多ではないか」
「はい。前回の侵攻から1年以上経過しています。血の気の多い巨人族もとうとう我慢ができなくなったのでしょう」
ガハル は、そう答えた。
「で? どう対抗するのだ?」
「はい。王のクローン兵の戦場投入への反対表明があってからも、被害者の会の活動から国民も大きな声では反対できなくなりました。そのためクローン兵の製造、訓練を続けておりました」
「うむ。それで何を言いたいのだ?」
「はい。クローン兵の中でも人並みに戦える者も一部でてきており、クローン兵の指示の中継をさせることにしました。今回の戦でも1000体投入します」
「ほう。よくその数を揃えたな」
「国家を守るのが軍部の役目。巨人族を舐めていたら痛い目にあうことは承知でございますゆえ、油断なく準備をしておりました」
「アチ 地区の駐屯部隊のアトランティス兵は300人だろう? いくらクローン兵の数を増やしても弱い事実には変わりはない。いかようにするのだ?」
「ソコ 地区より200人、コチ 地区より250人、そして首都のあるココ 地区より500人を支援に向かわせます」
「移動は間に合うのか? 天候によっては、かなりキツイのではないか?」
「そうなのですが、マシュロン殿が軍用に試作している舟も貸していただけるとのことですので大丈夫でございます」
「それなら安心だな。だが数的には約3:1ではないか? クローン兵も数に入れてだぞ?」
「はい。武器もマシュロン殿が新素材で軽くて切れ味の良い剣銃を開発してくれましたので、クローン兵に邪魔をさせて正規兵に攻撃させれば撃退できるとシュミレーションの結果が出ております」
「そうか。相手の編成はわかっておらぬのであろう? そのシュミレーション結果の信ぴょう性はどうなのだ?」
バレスタイン宰相はなかなか慎重だった。
「巨人700人の編成をアトランティスに不利なようにしております。クロスボウ部隊200人、片手武器部隊200人、両手武器部隊300人とし慎重にシュミレートいたしました」
「そうか。それならは良いのだ。折角、あの王の邪魔が入っても圧倒的多数で選挙に勝てたのだ。ここで負けて支持が落ちてしまい”黄金のシャチ党”に政権を譲らなくてはならない事態になっては大変だからな」
国民の支持があっての政権だというのは理解している。
『この権力を手放してたまるか! 俺が生きている間は絶対に降りぬぞ!!』
と思っている。
「相手も大多数でございますので、開戦は10日後と思われます」
ガハルは、そう答えた。
「マシュロンよ。前回が防御系を新素材で開発し、今度は武器を。お前が有能で助かっている。褒めてつかわすぞ」
「ありがたき幸せでございます」
マシュロンは、大喜びだった。
「例の武器、兵器の方はどうなのだ?」
「はい。良く報道でこの赤道近くで温暖なアトランティスの一部が原因不明の局地的寒さの発生がお耳に入っているように順調でございます」
「それは知っておる。俺が実験を許可したのだからな」
「お陰でデータも揃って参りましたので、今度は東の無人の大陸で少し規模の大きな実験をしたいと存じます。そのためには飛行船の軍事機も同時に開発しなくてはなりませんので、来年になると予想しております」
「うむ。潜水艇の軍事化も言っていたではないか? そっちはどうなのだ?」
「はい。今は偵察しか使えておりませんが、銃剣の光弾を強力にしたものを装備できるように開発しております。そうすれば巨人の侵攻のため舟に南下してくる過程で船ごと撃沈できます。但し、残念ながら多発できませんので大きな成果は上げられそうにないのが残念です」
「いいアイデアだ。着岸前に船ごと沈めてしまえば一番楽だ。飛行船からも攻撃できないのか? 奴らは上空への攻撃手段はないからな」
「はい。それも考えてはいますが、現時点ですと攻撃するためには高度を低くしなくてはならず、そうすると例のクロスボウ部隊が脅威になりますので、まだまだ研究が必要です」
「わかった。研究を進めてくれ」
「はい! いずれ成果を披露いたします」
マシュロンは、すべてが順調で有頂天だった。
マッドサイエンティストではあるが、有能なのだ。
「それでは解散しよう。ガハル、勝てよ」
「はい。勿論でございます」
こうして会議は終了した。
しかし試練は直ぐにやってきた。
今までにない人数の巨人の侵攻の報が偵察舟よりもたらされたからだ。
「なに? 700人もの巨人だと! 過去、最多ではないか」
「はい。前回の侵攻から1年以上経過しています。血の気の多い巨人族もとうとう我慢ができなくなったのでしょう」
「で? どう対抗するのだ?」
「はい。王のクローン兵の戦場投入への反対表明があってからも、被害者の会の活動から国民も大きな声では反対できなくなりました。そのためクローン兵の製造、訓練を続けておりました」
「うむ。それで何を言いたいのだ?」
「はい。クローン兵の中でも人並みに戦える者も一部でてきており、クローン兵の指示の中継をさせることにしました。今回の戦でも1000体投入します」
「ほう。よくその数を揃えたな」
「国家を守るのが軍部の役目。巨人族を舐めていたら痛い目にあうことは承知でございますゆえ、油断なく準備をしておりました」
「
「
「移動は間に合うのか? 天候によっては、かなりキツイのではないか?」
「そうなのですが、マシュロン殿が軍用に試作している舟も貸していただけるとのことですので大丈夫でございます」
「それなら安心だな。だが数的には約3:1ではないか? クローン兵も数に入れてだぞ?」
「はい。武器もマシュロン殿が新素材で軽くて切れ味の良い剣銃を開発してくれましたので、クローン兵に邪魔をさせて正規兵に攻撃させれば撃退できるとシュミレーションの結果が出ております」
「そうか。相手の編成はわかっておらぬのであろう? そのシュミレーション結果の信ぴょう性はどうなのだ?」
バレスタイン宰相はなかなか慎重だった。
「巨人700人の編成をアトランティスに不利なようにしております。クロスボウ部隊200人、片手武器部隊200人、両手武器部隊300人とし慎重にシュミレートいたしました」
「そうか。それならは良いのだ。折角、あの王の邪魔が入っても圧倒的多数で選挙に勝てたのだ。ここで負けて支持が落ちてしまい”黄金のシャチ党”に政権を譲らなくてはならない事態になっては大変だからな」
国民の支持があっての政権だというのは理解している。
『この権力を手放してたまるか! 俺が生きている間は絶対に降りぬぞ!!』
と思っている。
「相手も大多数でございますので、開戦は10日後と思われます」
ガハルは、そう答えた。
「マシュロンよ。前回が防御系を新素材で開発し、今度は武器を。お前が有能で助かっている。褒めてつかわすぞ」
「ありがたき幸せでございます」
マシュロンは、大喜びだった。
「例の武器、兵器の方はどうなのだ?」
「はい。良く報道でこの赤道近くで温暖なアトランティスの一部が原因不明の局地的寒さの発生がお耳に入っているように順調でございます」
「それは知っておる。俺が実験を許可したのだからな」
「お陰でデータも揃って参りましたので、今度は東の無人の大陸で少し規模の大きな実験をしたいと存じます。そのためには飛行船の軍事機も同時に開発しなくてはなりませんので、来年になると予想しております」
「うむ。潜水艇の軍事化も言っていたではないか? そっちはどうなのだ?」
「はい。今は偵察しか使えておりませんが、銃剣の光弾を強力にしたものを装備できるように開発しております。そうすれば巨人の侵攻のため舟に南下してくる過程で船ごと撃沈できます。但し、残念ながら多発できませんので大きな成果は上げられそうにないのが残念です」
「いいアイデアだ。着岸前に船ごと沈めてしまえば一番楽だ。飛行船からも攻撃できないのか? 奴らは上空への攻撃手段はないからな」
「はい。それも考えてはいますが、現時点ですと攻撃するためには高度を低くしなくてはならず、そうすると例のクロスボウ部隊が脅威になりますので、まだまだ研究が必要です」
「わかった。研究を進めてくれ」
「はい! いずれ成果を披露いたします」
マシュロンは、すべてが順調で有頂天だった。
マッドサイエンティストではあるが、有能なのだ。
「それでは解散しよう。ガハル、勝てよ」
「はい。勿論でございます」
こうして会議は終了した。