第71話 巨人族撤収1
文字数 1,608文字
「姫様! 本気で言っているのですか?」
驚きの余り、ライゼンとカイオンが同時に叫んだ。
シルバーは、『やれやれ、またか』と思ってか、もう諦めている感じがした。
イーシュナは、ただ黙って見守るだけに徹していた。
「勿論です。こんなことは冗談ではいえないわ」
「しかし海岸線まで、いくらギラン殿がいるとはいえ2人で行くとは無謀の極みです。おやめくださいませ」
ライゼンとカイオンは引き下がらない。
「私は戦を止めにいくのです! アトランティス人の人数が多いと警戒されてしまいます」
「しかし護衛くらいは当然いて然るべきですので、心配無用にございます」
「もう! 行くと言ったら行きます。私の護衛はギラン殿がしてくれます!」
もう交渉の余地なしと断った。
「姫様~~~」
鳴き声が聞こえてきた。悪いけどこれは無視した。
「さぁ、ギラン殿。参りましょう」
「うむ。俺はいいが、本当に良いのか? ライゼン殿やカイオン殿の言うことは正論だぞ?」
ギランまで、そう言ってくる始末。
「私は信じています。ギラン殿がいてくれるのですもの大丈夫です」
「王女がそう言うのなら俺は良いが、過剰に信じてもらえるとな」
「過剰ではありません。あなたと数日一緒に過ごしましたから、もう友達です」
「と‥‥友達と言ってしまうのか。あははは。では、期待に応えようぞ」
ギランは張り切っていた。
「よろしくお願いしますね」
とウィンクした。
こうして皆を砦に待機させ、私とギランの2人だけで海岸線まで移動し巨人族が到着するのを待つことになった。
待っている間も、色々と会話していた。
「こうやって人対人で話をすれば、肌の色や身体の大きさなんて関係ないって思えたわ。あなたと数日一緒に過ごして、そう思ったの」
「うむ。まぁ王女は変わり者ではあるがな。ふふっ」
「巨人族とアトランティスが、お互いの短所を補いあえば互いに発展、繁栄していけると確信がもてたわ」
「それは理想だな。そうなると良いなとは俺も思うようになった。しかし本丸の政府を王女が説得できなければ、戦はまた始まってしまうぞ」
「必死になって説得する! これからのことも私が無事で帰れれば、説得力が増すでしょ?」
「王女も考えているのだな。それにしても命知らずだが」
「お褒めの言葉と受け取っておきますね」
そう話していると、海の向こうに船が見え始めた。
「来たぞ。王女、俺の肩に乗りな」
「え? いいのですか?」
「言ってみるものだな。流石に拒否されると思ったが、本当に度胸があるというか無謀というか命知らずというかだな」
「あれ? 私が断ると思って聞いたのですか?」
「うむ」
「私は、とても嬉しかったのですよ」
「あっはっはははは。王女には完敗だよ。それでは左肩に乗ってくれ」
そういってしゃがんでくれた。
「では失礼しますね」
そう言って、ギランの左肩にお尻をつけて座った。
「ギラン殿、重くないですか?」
「俺は巨人族だぞ? 5mと2mだから心配したのかも知れんが軽いものだ」
「ちゃんとレディーへの礼儀は知っていらっしゃるのですね」
と少しおどけてみせた。
「そんなのではない。軽いから軽いと言ったまでだ」
「無骨な軍人さんって感じで素敵ですよ」
「そう言っても、何もでんぞ」
船がどんどん迫ってくる。
流石に、巨人族もギランに気づいたらしく近くまで来たがそこで停泊した。
そして、その中から1隻だけコチラに向かって進んできた。
その船が目の前まで到着し船上にいた中の巨人の1人が前に出てきた。
「ギラン様ではないですか? 何故、アトランティス人と一緒にそこにいるのですか? 理解ができませぬ」
「おぉ! スーではないか、これは手間が省けた。アトランティス人はこの者1人しかいない。話があるのだ。下船して、ここに来てくれ」
「かしこまりました」
そう言うと後ろを向き、
「皆の者、このまま待機だ。わかったな!」
そう命令すると、船を着岸させて下船してきた。
驚きの余り、ライゼンとカイオンが同時に叫んだ。
シルバーは、『やれやれ、またか』と思ってか、もう諦めている感じがした。
イーシュナは、ただ黙って見守るだけに徹していた。
「勿論です。こんなことは冗談ではいえないわ」
「しかし海岸線まで、いくらギラン殿がいるとはいえ2人で行くとは無謀の極みです。おやめくださいませ」
ライゼンとカイオンは引き下がらない。
「私は戦を止めにいくのです! アトランティス人の人数が多いと警戒されてしまいます」
「しかし護衛くらいは当然いて然るべきですので、心配無用にございます」
「もう! 行くと言ったら行きます。私の護衛はギラン殿がしてくれます!」
もう交渉の余地なしと断った。
「姫様~~~」
鳴き声が聞こえてきた。悪いけどこれは無視した。
「さぁ、ギラン殿。参りましょう」
「うむ。俺はいいが、本当に良いのか? ライゼン殿やカイオン殿の言うことは正論だぞ?」
ギランまで、そう言ってくる始末。
「私は信じています。ギラン殿がいてくれるのですもの大丈夫です」
「王女がそう言うのなら俺は良いが、過剰に信じてもらえるとな」
「過剰ではありません。あなたと数日一緒に過ごしましたから、もう友達です」
「と‥‥友達と言ってしまうのか。あははは。では、期待に応えようぞ」
ギランは張り切っていた。
「よろしくお願いしますね」
とウィンクした。
こうして皆を砦に待機させ、私とギランの2人だけで海岸線まで移動し巨人族が到着するのを待つことになった。
待っている間も、色々と会話していた。
「こうやって人対人で話をすれば、肌の色や身体の大きさなんて関係ないって思えたわ。あなたと数日一緒に過ごして、そう思ったの」
「うむ。まぁ王女は変わり者ではあるがな。ふふっ」
「巨人族とアトランティスが、お互いの短所を補いあえば互いに発展、繁栄していけると確信がもてたわ」
「それは理想だな。そうなると良いなとは俺も思うようになった。しかし本丸の政府を王女が説得できなければ、戦はまた始まってしまうぞ」
「必死になって説得する! これからのことも私が無事で帰れれば、説得力が増すでしょ?」
「王女も考えているのだな。それにしても命知らずだが」
「お褒めの言葉と受け取っておきますね」
そう話していると、海の向こうに船が見え始めた。
「来たぞ。王女、俺の肩に乗りな」
「え? いいのですか?」
「言ってみるものだな。流石に拒否されると思ったが、本当に度胸があるというか無謀というか命知らずというかだな」
「あれ? 私が断ると思って聞いたのですか?」
「うむ」
「私は、とても嬉しかったのですよ」
「あっはっはははは。王女には完敗だよ。それでは左肩に乗ってくれ」
そういってしゃがんでくれた。
「では失礼しますね」
そう言って、ギランの左肩にお尻をつけて座った。
「ギラン殿、重くないですか?」
「俺は巨人族だぞ? 5mと2mだから心配したのかも知れんが軽いものだ」
「ちゃんとレディーへの礼儀は知っていらっしゃるのですね」
と少しおどけてみせた。
「そんなのではない。軽いから軽いと言ったまでだ」
「無骨な軍人さんって感じで素敵ですよ」
「そう言っても、何もでんぞ」
船がどんどん迫ってくる。
流石に、巨人族もギランに気づいたらしく近くまで来たがそこで停泊した。
そして、その中から1隻だけコチラに向かって進んできた。
その船が目の前まで到着し船上にいた中の巨人の1人が前に出てきた。
「ギラン様ではないですか? 何故、アトランティス人と一緒にそこにいるのですか? 理解ができませぬ」
「おぉ! スーではないか、これは手間が省けた。アトランティス人はこの者1人しかいない。話があるのだ。下船して、ここに来てくれ」
「かしこまりました」
そう言うと後ろを向き、
「皆の者、このまま待機だ。わかったな!」
そう命令すると、船を着岸させて下船してきた。