第57話 夢の中-ガイア-
文字数 1,930文字
カルディアが目の前にいる。
それは、とても不思議な光景だった。
今まで心の中で交信しイメージは伝わってきたから私と似ているとは知っていたけれど、こう相対していると表現し難い心境になった。
「突然で驚いたでしょ?」
「はい。びっくりしています。でも髪の色は黄金なのね。とても煌びやかだけど気品のある綺麗な色‥‥」
「そうね。あなたは私との交信ができるようになる過程で、ゴールデンピンクに変化したけれどね」
「ラファ姉さまも不思議がっていました。守護天使と交信できるようになったからと言って髪の色が変わるなんて事例がないとおっしゃっていたわ」
「うーーーん。まぁ、それについては置いておきましょう」
「わかったわ」
「本題に入るわよ。今日、アカシック王から気象兵器のことを聞いたでしょ」
「信じられないけど実際にアチ地区の奪還が1日で成功したのだから、実際に起こったとは信じているわ」
「そうよ。本当のことよ。見せてあげる」
そういうと左側にスクリーンが現れ、軍事転用試作機と小型飛行船の2機がアチ地区上空に到達した場面が映しだされた。
「以前、カルディアからイメージで伝えてもらったけど今回はこのように見せてくれるのね」
「なんと言っても、ここは天上界ですからね。イメージで伝えるより生で見せた方が簡単なのよ」
そういって、スクリーンを見るように促された。
*
奪還完了までのすべてを目にした。
暖かな気候のアトランティスのため時間的には短かったけれども、強制的に寒冷化させドライアイスを地表に降らせる光景は、末恐ろしいものだった。
「これが今回、アトランティス政府が起こしたことよ」
「人が気象を変えるなんて‥‥こんなこと神がお許しになる訳がない!」
「そうよ。ガイア様は反応しているわ」
「広大な大陸だったムーを一晩で沈めたのもガイア様とお父様がご法話でおっしゃっていたわ」
「そのガイア様よ。今回のことで反応されたけれど反作用までは起こされないご様子」
「そうなのね。ホッとしたわ」
「でもね。こんな強力な兵器を‥‥まだ試作段階だけどね。今の政府は開発してしまった。あと1~2年で完全な兵器として保持することになるわ」
「そうなの!」
「完成したあの兵器を、元々寒い気候のグリーンラッドに使用しようと思わない保証はないわ!」
『!!』
「そうなったら巨人族はこの星から存在しなくなってしまう。昔の青色人種のように、創造神がお創りになられた種族を絶滅させてしまうわ」
「そんなことをしたらガイア様のお怒りに触れるわ!」
「そう。絶対に反作用がアトランティスに起こる。だからアトランティス滅亡の危険性が急激に高まったのよ」
「政府には関与できないし、お父様が直接抗議しても聞かないでしょうね。だからお父様は国民を目覚めさせ思想の力で滅亡を防ごうと活動なさっている」
「アカシック王は、もちろんご認識されているわ」
「私になにかできることはないのでしょうか?」
「呼んでおいて申し訳ないけれど‥‥無いわ‥‥」
「そ‥‥そうなのね」
「ごめんなさいね。政府を止めることができるのはアトランティスの国民1人1人の総意しかないのよ。だからアカシック王が必死に活動されているの」
「うん。それは知っているわ」
「だからアカシック王を支え、護り、活動を妨害されないようにするのよ!」
「ええ! 命に代えてもお護りするとトート神に誓っているわ」
「これで私の用件は終わったわ。こうして会う機会は今後もあると思うけど‥‥ないことの方が本当は良いのよ。だってアトランティスの危機が続いていなければ、こうして呼ぶ必要はないのだから」
「そうね。会えるのは嬉しいけれど、そのような事態や状況になってしまったときだけ会えるのなら会えないことの方が良いことだわ」
「マシュロンっていう科学者、狂気に包まれているわ。まだ色々とアイデアがあり実験も開始しているようよ」
「え? 寒冷化以外にも開発するつもりなの?」
「そう。それは恐ろしい‥‥そのようなことを許してしまったらアトランティスは滅亡する」
「彼を止めるのが一番重要なのね」
「そう。でも貴方、いえ王家は彼を止められない。彼が開発できないように止めることができるのは、政府を止めることができるのはアトランティスの国民よ」
「わかったわ。お父様を支え、活動を継続できるように動き、アトランティスの国民の意識を変えてみせるわ。だから、これからもよろしくね。カルディア!」
「私も、ここ から貴方を導ていくから心が清んだ状態を維持しておいてね」
「まかせておいて! 自分でも気づかないこともあるから、ラファ姉さまにも日々チェックして頂いているわ」
「そうね。これからも一緒に頑張りましょう!」
力強くカルディアが答えてくれた。
それは、とても不思議な光景だった。
今まで心の中で交信しイメージは伝わってきたから私と似ているとは知っていたけれど、こう相対していると表現し難い心境になった。
「突然で驚いたでしょ?」
「はい。びっくりしています。でも髪の色は黄金なのね。とても煌びやかだけど気品のある綺麗な色‥‥」
「そうね。あなたは私との交信ができるようになる過程で、ゴールデンピンクに変化したけれどね」
「ラファ姉さまも不思議がっていました。守護天使と交信できるようになったからと言って髪の色が変わるなんて事例がないとおっしゃっていたわ」
「うーーーん。まぁ、それについては置いておきましょう」
「わかったわ」
「本題に入るわよ。今日、アカシック王から気象兵器のことを聞いたでしょ」
「信じられないけど実際にアチ地区の奪還が1日で成功したのだから、実際に起こったとは信じているわ」
「そうよ。本当のことよ。見せてあげる」
そういうと左側にスクリーンが現れ、軍事転用試作機と小型飛行船の2機がアチ地区上空に到達した場面が映しだされた。
「以前、カルディアからイメージで伝えてもらったけど今回はこのように見せてくれるのね」
「なんと言っても、ここは天上界ですからね。イメージで伝えるより生で見せた方が簡単なのよ」
そういって、スクリーンを見るように促された。
*
奪還完了までのすべてを目にした。
暖かな気候のアトランティスのため時間的には短かったけれども、強制的に寒冷化させドライアイスを地表に降らせる光景は、末恐ろしいものだった。
「これが今回、アトランティス政府が起こしたことよ」
「人が気象を変えるなんて‥‥こんなこと神がお許しになる訳がない!」
「そうよ。ガイア様は反応しているわ」
「広大な大陸だったムーを一晩で沈めたのもガイア様とお父様がご法話でおっしゃっていたわ」
「そのガイア様よ。今回のことで反応されたけれど反作用までは起こされないご様子」
「そうなのね。ホッとしたわ」
「でもね。こんな強力な兵器を‥‥まだ試作段階だけどね。今の政府は開発してしまった。あと1~2年で完全な兵器として保持することになるわ」
「そうなの!」
「完成したあの兵器を、元々寒い気候のグリーンラッドに使用しようと思わない保証はないわ!」
『!!』
「そうなったら巨人族はこの星から存在しなくなってしまう。昔の青色人種のように、創造神がお創りになられた種族を絶滅させてしまうわ」
「そんなことをしたらガイア様のお怒りに触れるわ!」
「そう。絶対に反作用がアトランティスに起こる。だからアトランティス滅亡の危険性が急激に高まったのよ」
「政府には関与できないし、お父様が直接抗議しても聞かないでしょうね。だからお父様は国民を目覚めさせ思想の力で滅亡を防ごうと活動なさっている」
「アカシック王は、もちろんご認識されているわ」
「私になにかできることはないのでしょうか?」
「呼んでおいて申し訳ないけれど‥‥無いわ‥‥」
「そ‥‥そうなのね」
「ごめんなさいね。政府を止めることができるのはアトランティスの国民1人1人の総意しかないのよ。だからアカシック王が必死に活動されているの」
「うん。それは知っているわ」
「だからアカシック王を支え、護り、活動を妨害されないようにするのよ!」
「ええ! 命に代えてもお護りするとトート神に誓っているわ」
「これで私の用件は終わったわ。こうして会う機会は今後もあると思うけど‥‥ないことの方が本当は良いのよ。だってアトランティスの危機が続いていなければ、こうして呼ぶ必要はないのだから」
「そうね。会えるのは嬉しいけれど、そのような事態や状況になってしまったときだけ会えるのなら会えないことの方が良いことだわ」
「マシュロンっていう科学者、狂気に包まれているわ。まだ色々とアイデアがあり実験も開始しているようよ」
「え? 寒冷化以外にも開発するつもりなの?」
「そう。それは恐ろしい‥‥そのようなことを許してしまったらアトランティスは滅亡する」
「彼を止めるのが一番重要なのね」
「そう。でも貴方、いえ王家は彼を止められない。彼が開発できないように止めることができるのは、政府を止めることができるのはアトランティスの国民よ」
「わかったわ。お父様を支え、活動を継続できるように動き、アトランティスの国民の意識を変えてみせるわ。だから、これからもよろしくね。カルディア!」
「私も、
「まかせておいて! 自分でも気づかないこともあるから、ラファ姉さまにも日々チェックして頂いているわ」
「そうね。これからも一緒に頑張りましょう!」
力強くカルディアが答えてくれた。