第54話 アチ地区奪還作戦1
文字数 1,799文字
その効果を小型飛行船から報告を受けたガハルは、軍全体に指示を出した。
「試作兵器の実験は成功した。今いけばお前たちも犠牲になる。明日の朝一番で出発し巨人どもを一掃するぞ。各自、飛行船に搭乗し朝を待て」
一斉に飛行船への搭乗が開始された。
「マシュロン殿、これで良いのだな?」
「はい。まだ試作品ですから今晩中には効力がなくなります。しかし巨人どもは明日の朝になって普通に動ける者は誰一人いないでしょう」
「その言葉、信じるぞ」
「お任せください。そのために今まで実験を積み重ねてきたのですから」
と自信満々に答えた。
ガハルは、これほどマシュロンが頼もしく見えたのは初めてであった。
「ありがたい。御礼を言うぞ」
「そのお言葉は、アチ地区を奪還した後にしてください」
意外と冷静であった。
心の中では残忍な狂気が本性を現してきていた。
「それでは俺も行ってくる」
そう言って、自分専用の飛行船の乗り込んだ。
*
翌日の朝、太陽が昇りピラミッド型の発電が可能になった。
「良し、皆の者! アチ地区を奪還するぞ。しゅっぱーーーつ」
ガハルが号令をかける。
一斉に飛行船が浮き上がり、アチ地区へ向かって飛び立っていった。
3時間後、各々が指定の場所に飛行船を着陸させ下船すると、まだ肌寒かった。
一面、氷ついていたようで水が樹から滴ってくる。
『何が起こったのだろう』
詳細は軍最高機密のため、誰も聞かされていなかったのだ。
下船が完了し、各隊が点呼をとり隊をまとめ攻撃準備に入る。
ガハルが飛行船から首都へ通信し、バレンスタインへ攻撃開始を伝えた。
「良し、成果を期待しているぞ」
そう返事があった。
「では皆の者、奪還作成開始! 巨人どもを皆殺しにするのだ!!」
「おぉぉぉ!」
と一斉に第2拠点に向かって進撃を開始した。
*
第2拠点に到達するまで待ち伏せはなかった。
飛行船のやってくるのが見えたのだから、当然待ち伏せがあると思っていたがあっさりと第2拠点まで着いてしまった。
『罠なのか?』
当初は警戒していたが、そうでもないようだ。
と思い始めたころ、巨人どもが新たに建設した拠点から巨人どもが出てきた。
「戦闘開始。勝つぞ!」
「おぉぉぃ!」
即座に戦端が開かれた。
しかし巨人どもの動きが鈍い。
明らかに全員が体調不良であった。
そのため攻撃を避けやすく、逆に当てやすかった。
そうして1時間もすると、生き残った巨人が北の第1拠点へ撤退していった。
「やった! 勝ったぞ!」
「第2拠点を取り戻したぞ!」
歓喜の声があがる。
その報告を受けたガハルは、
「良くやった。ひと休憩したら第1拠点の奪還を開始するぞ。1時間ほど休憩し食事をせよ」
そう命令した。
***
時は半年ほど遡り、ここは赤色人種の国レッドキャニオン。
テスタロッサ王が命令をくだす。
「良いか! アトランティスの北方は現在、巨人族が支配している」
「は!」
バーンが返事をする。
「少々危険だが、アトランティスのテクノロジーを入手するチャンスだ。巨人族はアトランティスのテクノロジーに無関心だ。今やアトランティスの拠点を壊し自分たちの拠点を建設している。そして食糧栽培を始め大人しくしているのだ」
「はい」
「バーンよ。言いたいことはわかるな?」
「アトランティスの北方へ向かい、アトランティスのピラミッド型の物や武器などの装備品を持ち帰ってくるということと理解しております」
「そうだ! 巨人どもがのうのうとしている現在がチャンスなのだ。即決行せよ」
「かしこまりました」
こうしてバーンは、配下100人に命じアトランティスへ向かわせた。
テクノロジー奪取隊がアトランティスの北方に到着する。
暗くなり巨人たちが拠点内に帰ってから、月明かりを頼りに行動を開始する。
「テスタロッサ王の予想した通りだ。アトランティスの武器などがそのままになっている。できるだけ持ち帰るぞ」
「は!」
「アトランティスの拠点の残骸を漁れ、例のピラミッドがあるはずだ。丈夫だと聞いているから無事だと良いのだが‥‥」
「最善を尽くし捜索いたします」
こうして武器、防具回収組と、ピラミッド捜索隊と別れ夜通し捜索と回収を行った。
その正解は、完全体の小型ピラミッド2個、半壊の小型ピラミッド3個を回収することができた。
「良し、これだけあれば充分だ。夜明け前に船を出すぞ」
そう言って、母国への帰還の途に就いた。
「試作兵器の実験は成功した。今いけばお前たちも犠牲になる。明日の朝一番で出発し巨人どもを一掃するぞ。各自、飛行船に搭乗し朝を待て」
一斉に飛行船への搭乗が開始された。
「マシュロン殿、これで良いのだな?」
「はい。まだ試作品ですから今晩中には効力がなくなります。しかし巨人どもは明日の朝になって普通に動ける者は誰一人いないでしょう」
「その言葉、信じるぞ」
「お任せください。そのために今まで実験を積み重ねてきたのですから」
と自信満々に答えた。
ガハルは、これほどマシュロンが頼もしく見えたのは初めてであった。
「ありがたい。御礼を言うぞ」
「そのお言葉は、アチ地区を奪還した後にしてください」
意外と冷静であった。
心の中では残忍な狂気が本性を現してきていた。
「それでは俺も行ってくる」
そう言って、自分専用の飛行船の乗り込んだ。
*
翌日の朝、太陽が昇りピラミッド型の発電が可能になった。
「良し、皆の者! アチ地区を奪還するぞ。しゅっぱーーーつ」
ガハルが号令をかける。
一斉に飛行船が浮き上がり、アチ地区へ向かって飛び立っていった。
3時間後、各々が指定の場所に飛行船を着陸させ下船すると、まだ肌寒かった。
一面、氷ついていたようで水が樹から滴ってくる。
『何が起こったのだろう』
詳細は軍最高機密のため、誰も聞かされていなかったのだ。
下船が完了し、各隊が点呼をとり隊をまとめ攻撃準備に入る。
ガハルが飛行船から首都へ通信し、バレンスタインへ攻撃開始を伝えた。
「良し、成果を期待しているぞ」
そう返事があった。
「では皆の者、奪還作成開始! 巨人どもを皆殺しにするのだ!!」
「おぉぉぉ!」
と一斉に第2拠点に向かって進撃を開始した。
*
第2拠点に到達するまで待ち伏せはなかった。
飛行船のやってくるのが見えたのだから、当然待ち伏せがあると思っていたがあっさりと第2拠点まで着いてしまった。
『罠なのか?』
当初は警戒していたが、そうでもないようだ。
と思い始めたころ、巨人どもが新たに建設した拠点から巨人どもが出てきた。
「戦闘開始。勝つぞ!」
「おぉぉぃ!」
即座に戦端が開かれた。
しかし巨人どもの動きが鈍い。
明らかに全員が体調不良であった。
そのため攻撃を避けやすく、逆に当てやすかった。
そうして1時間もすると、生き残った巨人が北の第1拠点へ撤退していった。
「やった! 勝ったぞ!」
「第2拠点を取り戻したぞ!」
歓喜の声があがる。
その報告を受けたガハルは、
「良くやった。ひと休憩したら第1拠点の奪還を開始するぞ。1時間ほど休憩し食事をせよ」
そう命令した。
***
時は半年ほど遡り、ここは赤色人種の国レッドキャニオン。
テスタロッサ王が命令をくだす。
「良いか! アトランティスの北方は現在、巨人族が支配している」
「は!」
バーンが返事をする。
「少々危険だが、アトランティスのテクノロジーを入手するチャンスだ。巨人族はアトランティスのテクノロジーに無関心だ。今やアトランティスの拠点を壊し自分たちの拠点を建設している。そして食糧栽培を始め大人しくしているのだ」
「はい」
「バーンよ。言いたいことはわかるな?」
「アトランティスの北方へ向かい、アトランティスのピラミッド型の物や武器などの装備品を持ち帰ってくるということと理解しております」
「そうだ! 巨人どもがのうのうとしている現在がチャンスなのだ。即決行せよ」
「かしこまりました」
こうしてバーンは、配下100人に命じアトランティスへ向かわせた。
テクノロジー奪取隊がアトランティスの北方に到着する。
暗くなり巨人たちが拠点内に帰ってから、月明かりを頼りに行動を開始する。
「テスタロッサ王の予想した通りだ。アトランティスの武器などがそのままになっている。できるだけ持ち帰るぞ」
「は!」
「アトランティスの拠点の残骸を漁れ、例のピラミッドがあるはずだ。丈夫だと聞いているから無事だと良いのだが‥‥」
「最善を尽くし捜索いたします」
こうして武器、防具回収組と、ピラミッド捜索隊と別れ夜通し捜索と回収を行った。
その正解は、完全体の小型ピラミッド2個、半壊の小型ピラミッド3個を回収することができた。
「良し、これだけあれば充分だ。夜明け前に船を出すぞ」
そう言って、母国への帰還の途に就いた。