第57話  亮介の場合  石垣島前日 7

文字数 399文字

俺は英子に電話を入れた。
英子は出なかった。
俺は留守電を残した。
「ちょっと、トラブルが起きたんだ。仕事の事で。なので遅くなる。もう荷物の準備は出来ているから。だから大丈夫だ」
暫くすると英子からラインが届いた。
「了解しました。ご苦労様。気を付けて帰って来てね」

俺はいくつかの弁護士をチョイスすると、片っ端から電話を入れた。
今日の今日で会ってくれる弁護士がいるだろうか?
時間も時間だ。
だが、明日からは石垣島だ。石垣島は行かなくちゃならない。
これは時間との勝負だ。

 英子が何よりも楽しみにしていた石垣島に水を差すことは出来ない。俺は秘密裏に賢く立ち回らなくてはいけない。
 とにかく石垣島だけは無事に済ませたい。それは夫としての俺の義務だ。
俺の頭はフル回転をしていた。
石垣島にいる間に何とかあいつらを逮捕出来ないものだろうか・・・。

と、今からでも会ってくれる弁護士が見付かった。
俺はすぐに向かうことを告げた。
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