第36話 和巳の話 アキラと拓斗 2
文字数 850文字
「結局さ、僕は自分が蝙蝠みたいな立場にいると思ったんだ。鳥だか動物だか分からない様な立場に。だって、クラスの中で、アキラに話し掛けられればアキラを無視する事は出来ないし、クラブに行けば拓斗がハブにされていて、僕はそれが嫌で拓斗を守りたかった」
僕は言った。
秋の始め頃にはチームのリーダーは拓斗では無くてアキラになっていた。それはそれでいいんだけれど、アキラと拓斗のツートップは事有るごとに衝突した。最初は拓斗の味方をしていた奴らも次第にアキラ派に変わって行った。
そりゃあ、もうレベルが全然上だから。
聞くとアキラは前に住んでいた場所ではすごいサッカーチームに所属していたそうだ。
練習も毎日あるし、U-12の全国大会にも出場する様なチームだったらしい。
だったら、こんな弱小チームにいなければいいのに。僕はそう思った。僕達みたいなのと一緒にやっていたってつまんないだろう?そう思った。
流石に試合中にハブにする事はないが、FW二人が走っていて、どちらにパスするかと言われたら、MFの奴らはまずアキラを見る。アキラが無理そうなら拓斗へパスをした。
どう見ても拓斗の方が良い所にいるだろう?
そいう時でもアキラにパスをすることもある。
僕はベンチで見ていて腹が立った。
出来る事なら僕がドリブルで走り抜けて拓斗にパスを送りたい位だった。けれど、悲しいかな、僕はベンチ要員だし、それに出場してもそれだけの技術が無かった。
チームはアキラ頼みになって来ていた。
みんなそりゃあ勝つと気持ちいいし、アキラがいれば勝てるって思っているから。
何となくチームの雰囲気が変わって行った。チームのみんなが拓斗に冷淡になって来ている。練習の時や、休憩時間に僕はそう感じた。
アキラはたまに拓斗と二人でいる時に僕に話し掛けて来た。
僕にだけ話し掛ける。そして笑い掛ける。僕だけ見る。まるで拓斗は存在していないかのように振舞う。完璧に無視した。拓斗も拓斗でそっぽを向いてアキラを無視している。
僕はそれがすごく嫌だった。
僕は言った。
秋の始め頃にはチームのリーダーは拓斗では無くてアキラになっていた。それはそれでいいんだけれど、アキラと拓斗のツートップは事有るごとに衝突した。最初は拓斗の味方をしていた奴らも次第にアキラ派に変わって行った。
そりゃあ、もうレベルが全然上だから。
聞くとアキラは前に住んでいた場所ではすごいサッカーチームに所属していたそうだ。
練習も毎日あるし、U-12の全国大会にも出場する様なチームだったらしい。
だったら、こんな弱小チームにいなければいいのに。僕はそう思った。僕達みたいなのと一緒にやっていたってつまんないだろう?そう思った。
流石に試合中にハブにする事はないが、FW二人が走っていて、どちらにパスするかと言われたら、MFの奴らはまずアキラを見る。アキラが無理そうなら拓斗へパスをした。
どう見ても拓斗の方が良い所にいるだろう?
そいう時でもアキラにパスをすることもある。
僕はベンチで見ていて腹が立った。
出来る事なら僕がドリブルで走り抜けて拓斗にパスを送りたい位だった。けれど、悲しいかな、僕はベンチ要員だし、それに出場してもそれだけの技術が無かった。
チームはアキラ頼みになって来ていた。
みんなそりゃあ勝つと気持ちいいし、アキラがいれば勝てるって思っているから。
何となくチームの雰囲気が変わって行った。チームのみんなが拓斗に冷淡になって来ている。練習の時や、休憩時間に僕はそう感じた。
アキラはたまに拓斗と二人でいる時に僕に話し掛けて来た。
僕にだけ話し掛ける。そして笑い掛ける。僕だけ見る。まるで拓斗は存在していないかのように振舞う。完璧に無視した。拓斗も拓斗でそっぽを向いてアキラを無視している。
僕はそれがすごく嫌だった。