第41話 亮介の場合 和巳の話
文字数 607文字
「その後も、時々ラインしたりしていたけれど、段々それも減って行って・・・。連絡も無くなって・・・けれど拓斗の事は勿論忘れなかった。で、さっきも言ったけれど、中一の夏に出会って、そこからまた付き合いが再開したんだ」
「拓斗は僕がチームを辞めてからも、一人で頑張っていたんだ。アキラがどんなに無視しても嫌がらせをしても負けなかったって言っていた。最後の頃はアキラも諦めたのか、ちょっと普通になっていたって言っていた。俺とちゃんと話をするようになったって」
「凄いな。拓斗君は」
俺は言った。
「うん。拓斗は凄いんだ。拓斗はすごく強いんだ。それに比べて僕は卑怯だ。僕は拓斗に謝るべきだって思っていたんだ。ちゃんと謝らなくちゃって。・・でも、拓斗が全く気にしていないみたいだったから、何も今更そんな事を言わなくていいかとか、逆に言ったらおかしいんじゃないかとか、また次の時で良いかとか・・・そんな事を考えてずっと謝るのを後回しにして来たんだ」
「突然、拓斗が死んでしまって、僕はそれを言う事ができなくなってしまった。もう永遠に謝る事は出来なくなった。拓斗は何も言わなかったけれど、本当は僕の本心を知っていたのかも知れないって思うんだ。心の中ではどう思っていたのか分からない。でも、僕はいつかは謝らなくちゃって、そう思っていたから・・・それが出来なくなって・・」
「パパ。人って突然死んでしまう事もあるんだね」
和巳はそう言って俺を見た。
「拓斗は僕がチームを辞めてからも、一人で頑張っていたんだ。アキラがどんなに無視しても嫌がらせをしても負けなかったって言っていた。最後の頃はアキラも諦めたのか、ちょっと普通になっていたって言っていた。俺とちゃんと話をするようになったって」
「凄いな。拓斗君は」
俺は言った。
「うん。拓斗は凄いんだ。拓斗はすごく強いんだ。それに比べて僕は卑怯だ。僕は拓斗に謝るべきだって思っていたんだ。ちゃんと謝らなくちゃって。・・でも、拓斗が全く気にしていないみたいだったから、何も今更そんな事を言わなくていいかとか、逆に言ったらおかしいんじゃないかとか、また次の時で良いかとか・・・そんな事を考えてずっと謝るのを後回しにして来たんだ」
「突然、拓斗が死んでしまって、僕はそれを言う事ができなくなってしまった。もう永遠に謝る事は出来なくなった。拓斗は何も言わなかったけれど、本当は僕の本心を知っていたのかも知れないって思うんだ。心の中ではどう思っていたのか分からない。でも、僕はいつかは謝らなくちゃって、そう思っていたから・・・それが出来なくなって・・」
「パパ。人って突然死んでしまう事もあるんだね」
和巳はそう言って俺を見た。