3、生徒会長は場所にとらわれず
文字数 595文字
翌日、病院の食事を食べ終えた頃、ジャージ姿の黄賀エリカが見舞いにやってきた。なぜか彼女は、生徒会長と書かれたタスキを肩から掛けていた。
すでに面会時間は過ぎていたので、どうやって忍び込んできたのかを訊くと、「今朝、ぶっ倒れて、ここまでワープだ」と一言。
「何かあったの?」
間接的に僕の命が助かったことで彼女が襲われたのかと推察したが、「いつもの貧血だ」と一蹴された。
彼女も同じ病院に入院中、ということらしい。
「それよりだ、少年! 私の部屋で例大祭の準備をするから、あとで来るのだ!」
「キミの部屋は個室なの?」
「当たり前だ。私は歩く生徒会室でもあるのだぞ? ふはははは」
「言っている意味がよく分からないけど、まぁ、ひとりでベッドに横になっていても気が滅入るだけだからね。取り敢えず、看護師さんに夜までには戻りますって伝えてくるよ」
後頭部を指でパチンと弾かれた。
「馬鹿正直にそんなこと告げに行くやつがいるか!」
「じゃあ、バレた時どうするんだよ」
生真面目に返してみる。
「見回り後に来るのだ。わかったか? 私はB棟七階の701という部屋にいる。待ってるからな!」
彼女が病室を出るとき、二人の看護師とすれ違った。彼女が遠ざかると、互いに顔を見合わせてくすくす笑っていた。
やはり、生徒会長黄賀エリカはどこか憎めない。
すでに面会時間は過ぎていたので、どうやって忍び込んできたのかを訊くと、「今朝、ぶっ倒れて、ここまでワープだ」と一言。
「何かあったの?」
間接的に僕の命が助かったことで彼女が襲われたのかと推察したが、「いつもの貧血だ」と一蹴された。
彼女も同じ病院に入院中、ということらしい。
「それよりだ、少年! 私の部屋で例大祭の準備をするから、あとで来るのだ!」
「キミの部屋は個室なの?」
「当たり前だ。私は歩く生徒会室でもあるのだぞ? ふはははは」
「言っている意味がよく分からないけど、まぁ、ひとりでベッドに横になっていても気が滅入るだけだからね。取り敢えず、看護師さんに夜までには戻りますって伝えてくるよ」
後頭部を指でパチンと弾かれた。
「馬鹿正直にそんなこと告げに行くやつがいるか!」
「じゃあ、バレた時どうするんだよ」
生真面目に返してみる。
「見回り後に来るのだ。わかったか? 私はB棟七階の701という部屋にいる。待ってるからな!」
彼女が病室を出るとき、二人の看護師とすれ違った。彼女が遠ざかると、互いに顔を見合わせてくすくす笑っていた。
やはり、生徒会長黄賀エリカはどこか憎めない。