3、生徒会長って元気じゃん
文字数 587文字
下校時、廊下でふたりの女帝とすれ違った。
右京ほたるの隣を歩いているのは、生徒会長の黄賀エリカだ。
エリカは生徒会長と書いてあるタスキを上半身に掛け、生徒会の仕事に使うのか、ノートPCを抱えている。授業中の姿とは打って変わって、やる気に満ちあふれた表情で闊歩している。その姿がスラッとしていて、男の僕でもかっこいいと思ってしまうのだが、よくよく足元を見てみれば、厚底靴で身長を底上げしていた。
「寄り道せずに帰れ、少年!」
「ちゃんと、名前あるんですけどね……」
何とも言えない挨拶に思わず苦笑する。
初めて聞く生徒会長エリカの声は、甲高い、意外にもハキハキとしたものだったので驚いた。
確かに生徒会長然としている。
「忙しそうだね」
その言葉に足を止めたエリカが、「例大祭が来る! 忙しいことはありがたい」と言い放ってきた。
例大祭の詳細を質問しても良かったが、アイドルとへの質問は禁止ですと言わんばかりに右京ほたるがエリカの背中を押しながら一言。
「じゃあまたね、鬼月くん」
ふたりが目の前から消えてもなお、甘い残り香がいたずらに鼻腔をくすぐった。シャンプーの匂いなのか、それとも香水なのか。いやいや、気がかりなのはそこじゃない。
昼休みまで生きた屍のごとく眠ってばかりだった彼女も、ようやく目覚めたということか。いまいち、掴めないタイプだ。
右京ほたるの隣を歩いているのは、生徒会長の黄賀エリカだ。
エリカは生徒会長と書いてあるタスキを上半身に掛け、生徒会の仕事に使うのか、ノートPCを抱えている。授業中の姿とは打って変わって、やる気に満ちあふれた表情で闊歩している。その姿がスラッとしていて、男の僕でもかっこいいと思ってしまうのだが、よくよく足元を見てみれば、厚底靴で身長を底上げしていた。
「寄り道せずに帰れ、少年!」
「ちゃんと、名前あるんですけどね……」
何とも言えない挨拶に思わず苦笑する。
初めて聞く生徒会長エリカの声は、甲高い、意外にもハキハキとしたものだったので驚いた。
確かに生徒会長然としている。
「忙しそうだね」
その言葉に足を止めたエリカが、「例大祭が来る! 忙しいことはありがたい」と言い放ってきた。
例大祭の詳細を質問しても良かったが、アイドルとへの質問は禁止ですと言わんばかりに右京ほたるがエリカの背中を押しながら一言。
「じゃあまたね、鬼月くん」
ふたりが目の前から消えてもなお、甘い残り香がいたずらに鼻腔をくすぐった。シャンプーの匂いなのか、それとも香水なのか。いやいや、気がかりなのはそこじゃない。
昼休みまで生きた屍のごとく眠ってばかりだった彼女も、ようやく目覚めたということか。いまいち、掴めないタイプだ。