未来→現代→×過去 過去→現代→未来
文字数 928文字
「お前さん、意思伝達という言葉を知っておるか?」
「ええと…、気持ちとか、考えとか、とにかく何かを伝える、みたいな?」
またいつもの実験室。
茶トラ先生の小難しい話が開始されようとしていた。
物好きなぼくは、性懲りもなく、それを興味津々で…
「あ~、意思伝達とは意思、情報などを相手にきちんと伝え、相手の行動に影響を与え、場合によってはその行動を変更させる」
「うん」
「それじゃ、意思伝達が不可能な状態は?」
「ええと、それって、ええと…、もしかして、シカトされること?」
「そのとおり!」
「つまり現在の我々は、過去の人には意思伝達できない。これはお前さんたちが経験したように、シカトされるだけだ。これは何度も言っておるが、過去はすでに確定しており、もはや変えようがない。だから過去の人は現在の我々の意見を無視、つまりシカトせざるを得ない。ところが未来の人は、タイムマシンを使えば、現在の我々へと意思伝達できる」
「じゃ、過去の人は現在とか未来の人に、意思伝達できるのかな?」
「それは歴史そのものだ!」
「う~ん、そうなんだ。歴史かぁ」
ともかく、すこしこれまでの話をまとめる。
未来の人が現代のぼくらに意志を伝える:OK
現代のぼくらが過去の人に意思を伝える:ダメ
過去の人が現代のぼくらに意志を伝える:歴史
現代のぼくらが未来の人に意思を伝える:OK
分かった?
で、そんな話をしていたら、タイムメールのアラームが鳴り、茶トラ先生はタイムエイジマシンのカーテンを開けた。
タイムメールとはここ最近、茶トラ先生が考えたシステムで、もちろんタイムエイジマシンを使う。
これはぜんぜんややこしい話ではない。
タイムエイジマシン、平たく言えば証明写真ボックスみたいな物体だけど、その中の、鏡の横あたりに郵便ポスト兼郵便受けが取り付けてあるのだ。
茶トラ先生はこれを「タイムメールのメールボックス」と呼んでいるが、要するにメールボックスだ。
で、茶トラ先生はカーテンをあけ、メールボックスのふたを開けると、一通の手紙が入っていた。
それは数年後の茶トラ先生からの手紙だった。
それはいいけれど、それで、早速そのタイムメールを読んだ茶トラ先生は、みるみる顔が真っ青になった。
「ええと…、気持ちとか、考えとか、とにかく何かを伝える、みたいな?」
またいつもの実験室。
茶トラ先生の小難しい話が開始されようとしていた。
物好きなぼくは、性懲りもなく、それを興味津々で…
「あ~、意思伝達とは意思、情報などを相手にきちんと伝え、相手の行動に影響を与え、場合によってはその行動を変更させる」
「うん」
「それじゃ、意思伝達が不可能な状態は?」
「ええと、それって、ええと…、もしかして、シカトされること?」
「そのとおり!」
「つまり現在の我々は、過去の人には意思伝達できない。これはお前さんたちが経験したように、シカトされるだけだ。これは何度も言っておるが、過去はすでに確定しており、もはや変えようがない。だから過去の人は現在の我々の意見を無視、つまりシカトせざるを得ない。ところが未来の人は、タイムマシンを使えば、現在の我々へと意思伝達できる」
「じゃ、過去の人は現在とか未来の人に、意思伝達できるのかな?」
「それは歴史そのものだ!」
「う~ん、そうなんだ。歴史かぁ」
ともかく、すこしこれまでの話をまとめる。
未来の人が現代のぼくらに意志を伝える:OK
現代のぼくらが過去の人に意思を伝える:ダメ
過去の人が現代のぼくらに意志を伝える:歴史
現代のぼくらが未来の人に意思を伝える:OK
分かった?
で、そんな話をしていたら、タイムメールのアラームが鳴り、茶トラ先生はタイムエイジマシンのカーテンを開けた。
タイムメールとはここ最近、茶トラ先生が考えたシステムで、もちろんタイムエイジマシンを使う。
これはぜんぜんややこしい話ではない。
タイムエイジマシン、平たく言えば証明写真ボックスみたいな物体だけど、その中の、鏡の横あたりに郵便ポスト兼郵便受けが取り付けてあるのだ。
茶トラ先生はこれを「タイムメールのメールボックス」と呼んでいるが、要するにメールボックスだ。
で、茶トラ先生はカーテンをあけ、メールボックスのふたを開けると、一通の手紙が入っていた。
それは数年後の茶トラ先生からの手紙だった。
それはいいけれど、それで、早速そのタイムメールを読んだ茶トラ先生は、みるみる顔が真っ青になった。
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