タイムエイジマシンの製作
文字数 1,903文字
それから茶トラ先生は毎晩ほとんど眠らずに(だけどしっかり昼寝して)、ぼくが渡した設計図を元に、せっせと本格的な設計図を書き始めた。
そのあいだぼくらは外へ遊びに行ったりして過ごしたりしたけど、相変わらず友達にはシカトされていた。
だから外で遊んでもあまり楽しくはなかったんだ。
それから、ご飯を食べに行こうといって、茶トラ先生がぼくらを、あの、お父さんたちが残念会をやった中華料理屋の「イカ天」へ連れて行ってくれた。
そして茶トラ先生が中華どんぶりを3人前注文したのだけど、ウエイターは茶トラ先生の分だけしか持ってこなかった。
そしてぼくとデビルの分については、「そんな注文は受けていない」の一点張りだったんだ。
それに考えてみるとぼくら、この世界でちっともお腹が減らないし、のどもかわかないし、それどころか、おしっこもうんこもしたくならない。
つまりぼくら、この過去の世界でシカトされるだけではなく、何というか、幽霊みたいな存在なんだと、ぼくらは気付いた。
だから、とにかくここでは、ぼくらは幽霊みたいに過ごすしかない。
そして、それはしょうがないと、ぼくらはそのことを前向きに考えることにした。
それはともかく、茶トラ先生はその間、どんどんタイムエイジマシンの設計を続け、そしてその設計図は、それはそれはものすごい量になり、本何冊分も、いや、何十冊分にもおよぶものになっていった。
それから茶トラ先生は、莫大な量の部品のリストも作った。
そして、そういうものが出来上がると、いよいよタイムエイジマシンの製作に入った。
まずは部品の調達だ。
それらの多くは特殊な電子部品で、それは茶トラ先生が取引、というか、いつも出入りしているという専門の、もう「オタクの巣窟」のような電子部品屋から買っているようだった。
そしてそれ以外の、タイムエイジマシンの鏡とかカーテンとかは、近くのホームセンターへ、ぼくたちが買いに行くことになった。
だけどぼくらは、この世界でシカトされているから、買えるかどうかは分からないけれど、ともかく「お試しに」と、ぼくとデビルはそれらを買いに、ホームセンターへと出かけた。(ほかにあんまりすることもなかったし)
そしてそこの家庭用品コーナーには、なんとタイムエイジマシンに使われていたのと全く同じ鏡やカーテンがあった。
そして例の赤や青のランプはカー用品コーナーに、そっくりのもの(トラック野郎が買いそうなやつ)があったので、これらを全部カゴに入れ、レジへ持って行った。
すると何と、そこの人に「いらっしゃいませ」と言われ、それからレジを打ち、それらを袋に入れてもい、ぼくらは茶トラ先生から受け取ったお金を払った。
それからぼくらは、ホームセンターの駐車場を歩きながら話した。
「ねえねえ、ここのレジの人、ぼくらをシカトしなかったね」
「言われてみるとそうだったな」
「もしかしてぼくら、もうここの世界でシカトされなくなったのかな?」
「たぶんそうじゃねえのか。たぶんもうシカトされねえんだよ」
「だといいね」
「お! あそこにいるの、静香ちゃんだぜ!」
「静香ちゃん?」
「静香ちゃんは、ゆりちゃんのお姉さんだ」
「へぇー、そうなんだ。知らなかった」
「で、おれ、このごろ静香ちゃんのファンなんだ!」
「あらそうなの。こんどは静香ちゃんなんだ」
「お~いお~い、静香ちゃ~~~ん!」
それからデビルはそういいながら、なぜか積極的に手を振りながら、静香ちゃんの方へと小走りにかけよった。
すると静香ちゃんはにっこりと笑った。
何と静香ちゃんは、デビルをシカトしなかったんだ!
それでぼくも静香ちゃんに近寄り、「静香ちゃん、はじめまして」というと、やっぱり静香ちゃんはにっこりと笑った。
だけどどういうわけか、一緒にいた静香ちゃんのお母さんは、思い切りぼくをシカトしたんだ!
実は静香ちゃんのお母さん、つまりそれはゆりちゃんのお母さんでもあるのだけど、で、そのゆりちゃんはゲシュタルト先生のところで、ぼくと一緒に空手を習っている。
だから、空手の練習の後、ゆりちゃんを迎えにきたりするから、いつもぼくはゆりちゃんのお母さんに「こんにちは♪」ってあいさつしているんだ。
そしたらお母さんは「あら、イチロウ君こんにちは」って言ってくれる。
だからゆりちゃん、そして静香ちゃんのお母さんが、ぼくをシカトするわけがない!
「やっぱりぼくら、まだここでは思い切りシカトされているんだ。しないのは茶トラ先生と、さっきのホームセンターのレジの人と、それと、微妙だけど、静香ちゃんだけだよ」
「それっていったいどうしてなんだ?」
そのあいだぼくらは外へ遊びに行ったりして過ごしたりしたけど、相変わらず友達にはシカトされていた。
だから外で遊んでもあまり楽しくはなかったんだ。
それから、ご飯を食べに行こうといって、茶トラ先生がぼくらを、あの、お父さんたちが残念会をやった中華料理屋の「イカ天」へ連れて行ってくれた。
そして茶トラ先生が中華どんぶりを3人前注文したのだけど、ウエイターは茶トラ先生の分だけしか持ってこなかった。
そしてぼくとデビルの分については、「そんな注文は受けていない」の一点張りだったんだ。
それに考えてみるとぼくら、この世界でちっともお腹が減らないし、のどもかわかないし、それどころか、おしっこもうんこもしたくならない。
つまりぼくら、この過去の世界でシカトされるだけではなく、何というか、幽霊みたいな存在なんだと、ぼくらは気付いた。
だから、とにかくここでは、ぼくらは幽霊みたいに過ごすしかない。
そして、それはしょうがないと、ぼくらはそのことを前向きに考えることにした。
それはともかく、茶トラ先生はその間、どんどんタイムエイジマシンの設計を続け、そしてその設計図は、それはそれはものすごい量になり、本何冊分も、いや、何十冊分にもおよぶものになっていった。
それから茶トラ先生は、莫大な量の部品のリストも作った。
そして、そういうものが出来上がると、いよいよタイムエイジマシンの製作に入った。
まずは部品の調達だ。
それらの多くは特殊な電子部品で、それは茶トラ先生が取引、というか、いつも出入りしているという専門の、もう「オタクの巣窟」のような電子部品屋から買っているようだった。
そしてそれ以外の、タイムエイジマシンの鏡とかカーテンとかは、近くのホームセンターへ、ぼくたちが買いに行くことになった。
だけどぼくらは、この世界でシカトされているから、買えるかどうかは分からないけれど、ともかく「お試しに」と、ぼくとデビルはそれらを買いに、ホームセンターへと出かけた。(ほかにあんまりすることもなかったし)
そしてそこの家庭用品コーナーには、なんとタイムエイジマシンに使われていたのと全く同じ鏡やカーテンがあった。
そして例の赤や青のランプはカー用品コーナーに、そっくりのもの(トラック野郎が買いそうなやつ)があったので、これらを全部カゴに入れ、レジへ持って行った。
すると何と、そこの人に「いらっしゃいませ」と言われ、それからレジを打ち、それらを袋に入れてもい、ぼくらは茶トラ先生から受け取ったお金を払った。
それからぼくらは、ホームセンターの駐車場を歩きながら話した。
「ねえねえ、ここのレジの人、ぼくらをシカトしなかったね」
「言われてみるとそうだったな」
「もしかしてぼくら、もうここの世界でシカトされなくなったのかな?」
「たぶんそうじゃねえのか。たぶんもうシカトされねえんだよ」
「だといいね」
「お! あそこにいるの、静香ちゃんだぜ!」
「静香ちゃん?」
「静香ちゃんは、ゆりちゃんのお姉さんだ」
「へぇー、そうなんだ。知らなかった」
「で、おれ、このごろ静香ちゃんのファンなんだ!」
「あらそうなの。こんどは静香ちゃんなんだ」
「お~いお~い、静香ちゃ~~~ん!」
それからデビルはそういいながら、なぜか積極的に手を振りながら、静香ちゃんの方へと小走りにかけよった。
すると静香ちゃんはにっこりと笑った。
何と静香ちゃんは、デビルをシカトしなかったんだ!
それでぼくも静香ちゃんに近寄り、「静香ちゃん、はじめまして」というと、やっぱり静香ちゃんはにっこりと笑った。
だけどどういうわけか、一緒にいた静香ちゃんのお母さんは、思い切りぼくをシカトしたんだ!
実は静香ちゃんのお母さん、つまりそれはゆりちゃんのお母さんでもあるのだけど、で、そのゆりちゃんはゲシュタルト先生のところで、ぼくと一緒に空手を習っている。
だから、空手の練習の後、ゆりちゃんを迎えにきたりするから、いつもぼくはゆりちゃんのお母さんに「こんにちは♪」ってあいさつしているんだ。
そしたらお母さんは「あら、イチロウ君こんにちは」って言ってくれる。
だからゆりちゃん、そして静香ちゃんのお母さんが、ぼくをシカトするわけがない!
「やっぱりぼくら、まだここでは思い切りシカトされているんだ。しないのは茶トラ先生と、さっきのホームセンターのレジの人と、それと、微妙だけど、静香ちゃんだけだよ」
「それっていったいどうしてなんだ?」
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