決戦、そして
文字数 1,579文字
ぜんぜん納得できなかった。
デビルの奴なんかコテンパンにのしてすっきりしたかった。
だけど茶トラ先生がそこまで言うのなら…、そう思って(しぶしぶだけど)それからぼくは歩いてタコ公園のタコ滑り台へと向かった。
行ってみると、デビルと子分の連中はサルの群れみたいに、タコ滑り台のあちこちに乗っていた。
そして何と奴らは、ぷかぷかとタバコをふかしていた。
それを見たぼくの正義感がとても頭にきたので、ぼくは予定外に思い切りケンカを売る発言をしてしまった。
「やい、お前らサルか! それに、小学生のくせにタバコとは生意気だ!」
「何だとてめえ、いつからそんな生意気なことぬかすようになったんだ?」
デビルのとても迫力のある声に少し恐くなったぼくは、とりあえず、少しだけ優しく答えてみた。
「さっきからだよ~♪」
「ところでお前、カゼひいてるのか? 声ガラガラだぞ」
「声が変わったんだい!」
「そう言えばお前、少し背が伸びてないか。それに、やけに胸板がぶ厚くないか?」
するとデビルの子分の一匹、いやいや、一人がへらへらと笑いながら、こんな不愉快なことを言った。
「どうせ、上げ底の靴でも履いているのさ。それに、ボスのパンチが怖くて、Tシャツの下に座布団でも入れてるんだろさ。顔面に一、二発ボスのパンチをおみまいしてやりゃいちころよ。へらへらへら…」
それにしても「上げ底の靴」だの、「パンチ一、二発でいちころよ」だの、「へらへらへら…」だの思い切り勝手なことをぬかすので、ぼくはもう完全に頭にきて、それで思わず、思い切り強気に出た。
「やい、お前らこそ、サルみたいに滑り台に登ってないで、さっさと降りてこい!」
ぼくがそう言うと、デビルは偉そうにくわえていたタバコをぽいと投げすて、本当にサルみたいに顔を真っ赤にして降りてきた。
「てめえ、いいかげんにしねえと、本当に半殺しにするぞ!」
「やりたければ、やってみな!」
(恐いけど、ええい! もうやけくそだい!)
それからぼくは茶トラ先生から習った、右三戦立ちで構えた。
「なんでぇなんでえ、習いたての、空手かぁ?」
デビルはそう言いながらぼくに近づいてきて、そして子分の言うとおり、あいつの拳がものすごい勢いで、ぼくの顔面めがけてぶっ飛んできた。
だけどどういうわけか、ぼくの体が突然勝手に反応し、そして左の内受けをやり、するとデビルの右腕が吹き飛んだ。
「痛ってぇぇぇぇ!」
デビルの真っ赤な顔が少しだけあおくなり、自分の腕をさすった。
だけど、それでもデビルはひるむことなく、今度は右足でぼくの腹を蹴ってきた。
だけど、またまたぼくの体は勝手に反応して、左の下段払いで、あいつの右足を吹き飛ばした。
デビルはフィギアスケートのように右回転で三回転半し、それからドンと尻もちをついた。
それでもデビルは、自分の右足とお尻をさすりながらまたまた起き上がり、そして今度はぼくのみぞおちめがけ、左の拳を飛ばしてきた。
だけどぼくの体はもう一度勝手に反応して、右の下段払いでそれを受け、それからぼくは、今までやったこともない左の正拳突きを出し、それはデビルの顔面の直前で止まった。
それを見たデビルはそのまま凍りつき、しばらく呆然とし、それから腰が抜けたみたいに、その場にへなへなと座り込んだ。
そしてしばらく黙っていたけれど、それからぼくを見上げ、立ちあがり、そしてこう言った。
「今日のところは許してやるが、この次は、絶対に金を払ってもらうからな!」
それから子分たちに、
「野郎ども、行くぞ! こんなタコみたいなくそったれ滑り台なんかで、遊んでいられるか!」
そう言うとデビルと子分たちはぞろぞろとどこかへ行ってしまった。
デビルの奴なんかコテンパンにのしてすっきりしたかった。
だけど茶トラ先生がそこまで言うのなら…、そう思って(しぶしぶだけど)それからぼくは歩いてタコ公園のタコ滑り台へと向かった。
行ってみると、デビルと子分の連中はサルの群れみたいに、タコ滑り台のあちこちに乗っていた。
そして何と奴らは、ぷかぷかとタバコをふかしていた。
それを見たぼくの正義感がとても頭にきたので、ぼくは予定外に思い切りケンカを売る発言をしてしまった。
「やい、お前らサルか! それに、小学生のくせにタバコとは生意気だ!」
「何だとてめえ、いつからそんな生意気なことぬかすようになったんだ?」
デビルのとても迫力のある声に少し恐くなったぼくは、とりあえず、少しだけ優しく答えてみた。
「さっきからだよ~♪」
「ところでお前、カゼひいてるのか? 声ガラガラだぞ」
「声が変わったんだい!」
「そう言えばお前、少し背が伸びてないか。それに、やけに胸板がぶ厚くないか?」
するとデビルの子分の一匹、いやいや、一人がへらへらと笑いながら、こんな不愉快なことを言った。
「どうせ、上げ底の靴でも履いているのさ。それに、ボスのパンチが怖くて、Tシャツの下に座布団でも入れてるんだろさ。顔面に一、二発ボスのパンチをおみまいしてやりゃいちころよ。へらへらへら…」
それにしても「上げ底の靴」だの、「パンチ一、二発でいちころよ」だの、「へらへらへら…」だの思い切り勝手なことをぬかすので、ぼくはもう完全に頭にきて、それで思わず、思い切り強気に出た。
「やい、お前らこそ、サルみたいに滑り台に登ってないで、さっさと降りてこい!」
ぼくがそう言うと、デビルは偉そうにくわえていたタバコをぽいと投げすて、本当にサルみたいに顔を真っ赤にして降りてきた。
「てめえ、いいかげんにしねえと、本当に半殺しにするぞ!」
「やりたければ、やってみな!」
(恐いけど、ええい! もうやけくそだい!)
それからぼくは茶トラ先生から習った、右三戦立ちで構えた。
「なんでぇなんでえ、習いたての、空手かぁ?」
デビルはそう言いながらぼくに近づいてきて、そして子分の言うとおり、あいつの拳がものすごい勢いで、ぼくの顔面めがけてぶっ飛んできた。
だけどどういうわけか、ぼくの体が突然勝手に反応し、そして左の内受けをやり、するとデビルの右腕が吹き飛んだ。
「痛ってぇぇぇぇ!」
デビルの真っ赤な顔が少しだけあおくなり、自分の腕をさすった。
だけど、それでもデビルはひるむことなく、今度は右足でぼくの腹を蹴ってきた。
だけど、またまたぼくの体は勝手に反応して、左の下段払いで、あいつの右足を吹き飛ばした。
デビルはフィギアスケートのように右回転で三回転半し、それからドンと尻もちをついた。
それでもデビルは、自分の右足とお尻をさすりながらまたまた起き上がり、そして今度はぼくのみぞおちめがけ、左の拳を飛ばしてきた。
だけどぼくの体はもう一度勝手に反応して、右の下段払いでそれを受け、それからぼくは、今までやったこともない左の正拳突きを出し、それはデビルの顔面の直前で止まった。
それを見たデビルはそのまま凍りつき、しばらく呆然とし、それから腰が抜けたみたいに、その場にへなへなと座り込んだ。
そしてしばらく黙っていたけれど、それからぼくを見上げ、立ちあがり、そしてこう言った。
「今日のところは許してやるが、この次は、絶対に金を払ってもらうからな!」
それから子分たちに、
「野郎ども、行くぞ! こんなタコみたいなくそったれ滑り台なんかで、遊んでいられるか!」
そう言うとデビルと子分たちはぞろぞろとどこかへ行ってしまった。
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