第14話 浜名湖に憩う(1)

文字数 462文字

 ここ4〜5年、東京の娘一家と浜名湖で合流していた。
孫たちの都合に合わせて合流していたが、この所2年孫は来ない。
従って娘と婿殿と3人で会っている。大人ばかりだと空気が抜けた
風船を膨らませ続けている体だ。

 娘夫婦はマイカーで来るが私は新幹線で三日前に投宿している。
ホテルで一人のんびりと娘を待っている。
この辺りの名所はほとんど巡って、もう一度ゆきたい所はない。

 浜名湖といえば鰻「名物カンタロウ」で2日続けて食した。
年寄りの胃袋と思えないと娘は、おののいた。

 日本唯一の湖上を渡るカンザンジロープウェイに乗り、
「浜名湖オルゴールミュージアム」ヘ。
カリヨンの音色に導かれ館に入る。

 1900年頃、イギリスの富豪が持っていたという
オルゴールがまず「夕焼け小焼け」を奏でた。
娘が「母さんいいね」って顔をした。
続いて「涙そうそう」が流れた。

パイプオルガンの演奏、合奏に時を忘れ、
さらにアンティクオルガンの奏でる音色に感動。
「アッ」という間の30分は幻の世界か、1世紀過去の
雲の上の人達の世界を覗いた気がした。
 過去に酔いながら屋上へ。





ワンクリックで応援できます。
(ログインが必要です)

登場人物紹介

登場人物はありません

ビューワー設定

文字サイズ
  • 特大
背景色
  • 生成り
  • 水色
フォント
  • 明朝
  • ゴシック
組み方向
  • 横組み
  • 縦組み