第4話

文字数 995文字

今日は、何だか真称(マホロ)の様子がおかしかった。体調が悪かったのだろうか?昼休みにも教室から出てきてなかった。声をかけに行こうとしたら、何だか和紗(カズサ)に呼ばれて、聞けなかった。
(サカエ)
「お?どうした?」
すぐ横の席の栄に声をかける。
終学活がもうすぐ始まる。そうしたら後は下校だが…
「今日って、放課後何もなかったよな?」
「なかった。修学旅行の班長会は明日だからな。なんで?」
「今日さ、真称おかしくなかった?」
「マホロ?そうか?気づかなかったけど」
「白かったろ?顔……。またあいつなんかあったのかな?」
「…………」
「……なんだよ」
「聞けよ、本人に……。俺に聞くなって」
栄、全く…と呆れたように返す。
「ああ…でもそういえば、同じようなことツネも言ってたわ」
「だろ?調子悪いんだよ」
「何だよ、心配なら声かけてこいよ。まだ時間あるからさ」
「そ、そうだな…よし、行ってくる!」
栄は“全くもう…”と、呟いて、マコを見送る。
「え?あいつどこ行ったの?」
「ええ…」
栄、また面倒なやつが来たと、あからさまに顔に出す。
「え?トイレだろ?まだ時間あるし。何、玄都(ゲント)、どうかしたん?」
「え…いやさ、マホロが今日、元気なくてさ……」
「ああー…そうね…」
栄は思った。
先生たちよ、あいつら3人はマホロと同じクラスにしてください!と…。


クラスを出て、すぐ隣のクラスの入り口に向かう。2組の教室内も終学活に向けての帰り支度でざわついていた。
「え、どしたのマコ」
後ろから知った声がする。
振り返ると尋乃がいた。
「わあ!おま、何してんの!」
「こっちのセリフですけど…」
呆れたようにいう尋乃。
「もう終学活始まるよ。どしたの?」
「いや…今日、真称と尋乃に一緒に帰ろうって言おうと…」
「ナイスタイミング!」
「え」
「私、今日さ残んないといけなくて、でも、マホロ体調悪いから、一緒に帰ってくれないかと思ってたとこだった!マコすごいね!」
「あ、え、ども…」
「マホロには言っとくから。下駄箱にいて。頼むよ!」
「お、おお…」
尋乃はパンッとマコの肩を叩くと、教室へ入って行った。
尋乃の勢いに押されはしたが、やっぱり体調が悪いことが分かった。尋乃が真称に声をかけているのが見える。気づいた真称がこっちを向いた。
俺はサーッと血の気が引く。何だ、あの顔色は!真っ白じゃないか!
俺はその足で3組へ行き、ツネにも下駄箱で待つように行った。何であいつは自分の体を大事にしないんだ!
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