第16話
文字数 1,631文字
結局、玄都 が待ってくれていたから、急いで降りていき、今度は私が玄都を待っている。
明日は土曜日だから、明日でも良かったんだけど、何だか気になってしまって。どーして先生たちは会えたかどうかを聞いてきたのだろう…。これは憶測だけれど、朝の段階では何も確認されなかったから、もしかしたら、急に気になることでもあったのかも。職員室では思い付かなかったけど、落ち着いて考えると、何かあったのかもと思えてくる。
東公園のブランコに乗りながら、考えると、何だかポンポンいろいろ出てくる。
「相性がいいのかな……」
「マホロ……?」
「え」
顔を上げるとツネ様がいた。
「何との相性?」
「え…ブランコ……」
「ああ…ね」
「てか、ツネ様……、どうしたの?」
「え、今日はマコと待ち合わせ。真称 は岡野 っちに呼ばれてたんじゃないの?」
「うん。終わって、帰ってきたよ」
永朝 、ちょっと驚いていたが、「そうなんだ」とつぶやいて、隣のブランコに座る。
「…で、何だったの?」
「ああ…、私さ、昨日、匠 んとこに連絡プリント持っていったんだけど、そのことだった」
「え?わざわざ職員室で?」
「そう…私もあれ?って思ったから、聞いてみたけど、よく分からなかったんだよね~」
「ふーん…。今日も休んでたから、何かあったのかな?」
「ね、心配になるよね。明日は土曜日だし、ちょっと行ってみようかってことになって……」
「ん?誰と?」
「え?玄都と」
「おっとー……」
ん?
ツネ様の反応に首をかしげていると、少し先の方から、言い争うような声が近づいてくる。
「じゃあ、今待ってるのは……」
「玄都だけど……」
「……やっぱり」
ツネ様、苦笑いする。
ええー、なによ……
言い争う声がどんどん近づいて来る。
「…何だ?!じゃあ、今、決着つけるか?!」
「おお!望むとこだよ!」
ギャイギャイ騒ぐ声の主が姿を現すと、ツネ様は大きな溜め息をついた。
「ほんと、期待を裏切らないな…マコは」
言い争っているのは、マコと玄都だった。
「用事があんだろ?何で来るんだよ」
「うっせえな、時間はまだあんだよ!」
いがみ合うほど仲が良いって言うけど(言うか?)、どうなのかな?似た者同士な気がするけれど…。
結局、なにが原因かは分からないが、エレベーターで会った2人は、言い合いながら、ツネ様と待っていた公園まで来ると、マコは私に
「何でここにいるんだ?」
と聞くなり、玄都の方を向いて
「待ち合わせってマホロのことか!」
と言ったと思ったら、
「俺も行く」
と、言った。
流れるような意思表明に、私を含め、3名はなすがママ、匠の家目掛けて移動を開始した。
私とツネ様がならんで歩くなか、少し前をマコと玄都がわちゃわちゃ言いながら歩いてる。そんな2人を眺めながら感心する。
「……よくあれだけ話すことがあるよね」
「んー、私ずっと思ってるんだけど、あの2人って似てない?」
「ああー……、そうかも…」
東公園から匠の住む棟までは遠くない。遠くなくて良かった。2人の言い合いは見てるだけでエネルギー持っていかれる…。
「真称って…中学校はどこ行くの?」
「え?どゆこと?」
「え?進学のことだけど…」
「中学校って…小学校卒業したら、校区内の中学校に行くつもりだけど…。え?みんな違うの?」
「そうだな…、違うのもいると思うよ」
私は、そういうことをあまり考えたことがなかったから、すごく驚いた。親からも言われたことがない。進学とか、どこの学校へ行くとか、高校行くときに考えるものと思っていた。
「ツネ様も考えてるの?」
「まあ、そうだね。だから塾行ってるっていうか……」
「すごい……。ちゃんと先のこと考えてるんだ」
「そこまででは……」
ツネ様、ちょっと恥ずかしそうに頭をかく。
「え?匠じゃん!」
突然、玄都が大きな声を出す。
その声を聞いて、玄都の視線の先を見ると、どの建物の裏側にも広がっている芝生の広場に誰かいた。
「タクミ!」
私も思わず声をかける。かけられた方は驚いたように振り返った。
「え…マホロ?玄都も?みんなどしたの?」
明日は土曜日だから、明日でも良かったんだけど、何だか気になってしまって。どーして先生たちは会えたかどうかを聞いてきたのだろう…。これは憶測だけれど、朝の段階では何も確認されなかったから、もしかしたら、急に気になることでもあったのかも。職員室では思い付かなかったけど、落ち着いて考えると、何かあったのかもと思えてくる。
東公園のブランコに乗りながら、考えると、何だかポンポンいろいろ出てくる。
「相性がいいのかな……」
「マホロ……?」
「え」
顔を上げるとツネ様がいた。
「何との相性?」
「え…ブランコ……」
「ああ…ね」
「てか、ツネ様……、どうしたの?」
「え、今日はマコと待ち合わせ。
「うん。終わって、帰ってきたよ」
「…で、何だったの?」
「ああ…、私さ、昨日、
「え?わざわざ職員室で?」
「そう…私もあれ?って思ったから、聞いてみたけど、よく分からなかったんだよね~」
「ふーん…。今日も休んでたから、何かあったのかな?」
「ね、心配になるよね。明日は土曜日だし、ちょっと行ってみようかってことになって……」
「ん?誰と?」
「え?玄都と」
「おっとー……」
ん?
ツネ様の反応に首をかしげていると、少し先の方から、言い争うような声が近づいてくる。
「じゃあ、今待ってるのは……」
「玄都だけど……」
「……やっぱり」
ツネ様、苦笑いする。
ええー、なによ……
言い争う声がどんどん近づいて来る。
「…何だ?!じゃあ、今、決着つけるか?!」
「おお!望むとこだよ!」
ギャイギャイ騒ぐ声の主が姿を現すと、ツネ様は大きな溜め息をついた。
「ほんと、期待を裏切らないな…マコは」
言い争っているのは、マコと玄都だった。
「用事があんだろ?何で来るんだよ」
「うっせえな、時間はまだあんだよ!」
いがみ合うほど仲が良いって言うけど(言うか?)、どうなのかな?似た者同士な気がするけれど…。
結局、なにが原因かは分からないが、エレベーターで会った2人は、言い合いながら、ツネ様と待っていた公園まで来ると、マコは私に
「何でここにいるんだ?」
と聞くなり、玄都の方を向いて
「待ち合わせってマホロのことか!」
と言ったと思ったら、
「俺も行く」
と、言った。
流れるような意思表明に、私を含め、3名はなすがママ、匠の家目掛けて移動を開始した。
私とツネ様がならんで歩くなか、少し前をマコと玄都がわちゃわちゃ言いながら歩いてる。そんな2人を眺めながら感心する。
「……よくあれだけ話すことがあるよね」
「んー、私ずっと思ってるんだけど、あの2人って似てない?」
「ああー……、そうかも…」
東公園から匠の住む棟までは遠くない。遠くなくて良かった。2人の言い合いは見てるだけでエネルギー持っていかれる…。
「真称って…中学校はどこ行くの?」
「え?どゆこと?」
「え?進学のことだけど…」
「中学校って…小学校卒業したら、校区内の中学校に行くつもりだけど…。え?みんな違うの?」
「そうだな…、違うのもいると思うよ」
私は、そういうことをあまり考えたことがなかったから、すごく驚いた。親からも言われたことがない。進学とか、どこの学校へ行くとか、高校行くときに考えるものと思っていた。
「ツネ様も考えてるの?」
「まあ、そうだね。だから塾行ってるっていうか……」
「すごい……。ちゃんと先のこと考えてるんだ」
「そこまででは……」
ツネ様、ちょっと恥ずかしそうに頭をかく。
「え?匠じゃん!」
突然、玄都が大きな声を出す。
その声を聞いて、玄都の視線の先を見ると、どの建物の裏側にも広がっている芝生の広場に誰かいた。
「タクミ!」
私も思わず声をかける。かけられた方は驚いたように振り返った。
「え…マホロ?玄都も?みんなどしたの?」
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