第10話
文字数 1,210文字
最初はどーなることかと思ったが、やってみると……
「そうそう!結構3人ともかたちになってるじゃない」
私、匠 、玄都 は平良 さんから合格をもらった。自分たちも悪くないな、と思ってる。身長があって、見映えのいい玄都は、動作が大きく、迫力がある。匠は体格は大きくはないが、ひとつひとつの動きが丁寧でメリハリがある。私は、とにかく間違えることがないように、確実に、を心がけた。
「良かった!覚えられなかったらヤバかった……!」
タクミは座り込むと、後ろに倒れこむ体を両手で支える。そのまま顔を上に向けた。
その姿を見て、微笑んでいる平良さん。
「3人とも今日はこれで終わり」
「ありがとうございました」
礼儀正しく、玄都は会釈する。平良さんは、恥ずかしそうに手を目の前で左右にふる。
「そういうの照れます。あ、あと、明日、お昼休みにポンポンを作るので、大会議室に取りに来て」
「誰かが取りに行けばいいんですね?」
私が確認する。
「うん。それでいいよ。じゃあ、気をつけて帰ってね」
「はい」
平良さんは、まだ苦戦している組のお手伝いに行った。彼女が離れると、なんとなく気が張っていたのか、肩の力が抜けていった。
「良かったー。俺、この組で教えてもらえて。じゃなきゃ終わんなかったよ…」
玄都が大きな延びをしながら、呟く。
「なんだったん?あの言い合い……」
立ち上がりながら、匠が問う。
「ああ…、あれは…あの6年がさ、もう一人はいつ来るんだって言うから、体調不良で帰ったって言ったんだよ。そしたら2回教えなきゃいけなくなる、とか、面倒くさいとか、文句ばっかでさ。カチンときたんだよ」
「ええ……、体調不良ならどうしようもないじゃん」
「そうだろ?それに、俺が教えるし。別にペアで助け合えばいいじゃんね」
おっと、それはそう……。
ん?
気のせいか、視線があった気がした。
「あっと、僕、迎えがあるから帰るよ」
匠が外付けの中庭にある時計を見て、近くに置いといた荷物を手に取った。
「え?間に合う?」
「うーん…ギリかも!じゃあ、明日!」
「うん!気をつけてね!」
手を振りながら駆けてく匠を見送る。
「迎え……?」
「ああ、妹さんを保育園に迎えに行くのよ」
「へえ…えらいな…」
「そうなのよね。じゃあ、私も帰るね」
ランドセルを背負って、行こうとすると視線が合う。
「あのさ、俺、玄都」
あ、そっか……
「ごめん、言ってなかったね」
「うん」
「私はマホロ。先に帰ったのはタクミ」
「同じ白組のよしみで、よろしく」
「うん。よろしく」
帰ろうと思って、校門の方に向かおうとしたが、もう一度玄都を見た。
「あのね…えと、私もカチンとくると思う」
「え」
「さっきの。どうにもならない理由をごちゃごちゃ言うの、もやっとする」
「だよな」
「うん。だから、私も教えるの協力するよ」
「え……」
「同じ白組でしょ?白組の
「え?お、おう……」
私は、何となく確信していた。玄都は、何だか誠斗 に似ている。
「そうそう!結構3人ともかたちになってるじゃない」
私、
「良かった!覚えられなかったらヤバかった……!」
タクミは座り込むと、後ろに倒れこむ体を両手で支える。そのまま顔を上に向けた。
その姿を見て、微笑んでいる平良さん。
「3人とも今日はこれで終わり」
「ありがとうございました」
礼儀正しく、玄都は会釈する。平良さんは、恥ずかしそうに手を目の前で左右にふる。
「そういうの照れます。あ、あと、明日、お昼休みにポンポンを作るので、大会議室に取りに来て」
「誰かが取りに行けばいいんですね?」
私が確認する。
「うん。それでいいよ。じゃあ、気をつけて帰ってね」
「はい」
平良さんは、まだ苦戦している組のお手伝いに行った。彼女が離れると、なんとなく気が張っていたのか、肩の力が抜けていった。
「良かったー。俺、この組で教えてもらえて。じゃなきゃ終わんなかったよ…」
玄都が大きな延びをしながら、呟く。
「なんだったん?あの言い合い……」
立ち上がりながら、匠が問う。
「ああ…、あれは…あの6年がさ、もう一人はいつ来るんだって言うから、体調不良で帰ったって言ったんだよ。そしたら2回教えなきゃいけなくなる、とか、面倒くさいとか、文句ばっかでさ。カチンときたんだよ」
「ええ……、体調不良ならどうしようもないじゃん」
「そうだろ?それに、俺が教えるし。別にペアで助け合えばいいじゃんね」
おっと、それはそう……。
ん?
気のせいか、視線があった気がした。
「あっと、僕、迎えがあるから帰るよ」
匠が外付けの中庭にある時計を見て、近くに置いといた荷物を手に取った。
「え?間に合う?」
「うーん…ギリかも!じゃあ、明日!」
「うん!気をつけてね!」
手を振りながら駆けてく匠を見送る。
「迎え……?」
「ああ、妹さんを保育園に迎えに行くのよ」
「へえ…えらいな…」
「そうなのよね。じゃあ、私も帰るね」
ランドセルを背負って、行こうとすると視線が合う。
「あのさ、俺、玄都」
あ、そっか……
「ごめん、言ってなかったね」
「うん」
「私はマホロ。先に帰ったのはタクミ」
「同じ白組のよしみで、よろしく」
「うん。よろしく」
帰ろうと思って、校門の方に向かおうとしたが、もう一度玄都を見た。
「あのね…えと、私もカチンとくると思う」
「え」
「さっきの。どうにもならない理由をごちゃごちゃ言うの、もやっとする」
「だよな」
「うん。だから、私も教えるの協力するよ」
「え……」
「同じ白組でしょ?白組の
よしみ
ってやつ。じゃあね、バイバイ」「え?お、おう……」
私は、何となく確信していた。玄都は、何だか
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