第57話 争いの火種

文字数 934文字

[神聖ローマ皇帝フランツ]


イタリアの領土は奪われっぱなしだ! 我々兄弟は、イタリアで育ったのだぞ! 不満だ! 非常に不満だ!!

[カール大公]


ご安心下さい、兄上。軍の再編は着々と進んでおります

[教皇ピウス7世]


ナポレオンから言われて、しぶしぶながら、戴冠式に出席したが……



55話「ジョゼフィーヌの訴え」参照

なんと、フランスでは、政府が教会を支配するシステムが確立しているじゃないか!

ナポレオン皇帝は、教皇の権威を政治的に利用しているのだ。

【イギリスの不満】


フランスとその衛星国の市場を、わがイギリスの製品に解放せよ!

【フランス】


やーなこった!

俺らは、マルタ島*から引き上げたぞ。お前らも、さっさとマルタ島から撤退しろ!



25話「マルタ島占拠」、参照。マルタ島は、地中海貿易の要所

【イギリス】


アッカンベー!!

お前らこそ、オランダから撤退しろ! 我が国をバルト海貿易に噛ませろ!

[ロシア皇帝アレクサンドル1世]


イギリス、フランスのみなさん!

あいかわらずめいっぱい仲が悪いですね!

私が、仲良くさせてあげましょう


[フランス]


うわっ! めんどくさいのがでてきた!(こそこそ)

[イギリス]


ロシアかぁ。

あんたら*の武装中立宣言は認められない。わが国もバルト海貿易に一枚噛ませてもらう!

でもロシアは、第二次対仏大同盟では、同盟国だったんだよな。



*スウェーデン、デンマーク、ロシア

 1801年、イギリス艦隊はコペンハーゲン停泊中のデンマーク戦艦を破壊、バルト海での英商船の脅威を取り除いた

あっ、オーストリア皇帝! 

第二次対仏同盟ではお世話になりましたな!*

また同盟を結びましょうや


ブログ「フランス革命戦争 8」

 37話「ホーエンリンデンの戦い」の頃

[神聖ローマ皇帝フランツ]


そうですな。

弟たちのおかげでわが軍も大分立ち直ってきたことだし、そろそろ頃合いかもしれん……

[イギリス]


あ?

フランスを叩くの?


(にこにこ)なら、資金をお貸ししまっせ。なにせ、産業革命やらインドとの貿易やらで、我が国はお金持ちになりましたからな!


他にも、フランスに敵対する国はありませんか? 軍備拡張の為にお金の必要な国はありませんかぁ!?


1803年5月20日

アミアン和約は破棄され、英仏間は再び戦闘状態に入った


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登場人物紹介

オーストリア皇帝フランツ


神聖ローマ帝国最後の皇帝でもある。

くそまじめで、四角四面な性格。

ロシア皇帝アレクサンドル1世


父パーヴェルの暗殺に関与または黙認し、即位した。

欧州の平和は自分が守る、と、固く心に誓う「騎士」。

フランス皇帝ナポレオン


あ、最後になっちゃった……。

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