第5話 カルムの監獄
文字数 1,493文字
もともと私は、貴族なのだ。
それを……。
私はもともと、軍人だったからな。制服姿がステキな士官だったのだ。
もちろん、女性にも大モテ!
そんな私を、政府は、全ライン方面師団の最高司令官に任命した。
けど、オーストリアのライン方面司令官は凄かった!
つか、俺は実は、一度も、剣を取って戦ったことがないんだよ。
負け続けの俺に、革命政府は……。
そして今は、この監獄で、ギロチンを待つ身というわけだ。
まあ、俺よりもっと些細なことで、ギロチンになった者は大勢いるしな。
あら、お礼なんて!(子どもたちは勝手に育ったのだし)
いつ、死刑が執行されるかわからないでしょ?
だから、あなたが浮気しまくったことも、なかなか生活費をくれなかったことも、一方的に、尼寺へ行け! と言われたことも、全て、水に流してあげるわ。
男は毛脛丸出しの短パン姿で、女は頭陀袋を被ったような貫頭衣姿で、監獄のあちこちで、人々は、人生最後の愛を語り合っていた。