第56話 戴冠式
文字数 1,693文字
だいたいね。私達の子どもには、皇位継承権がない、ってのがね! ジョゼフィーヌの子ども達**にはあるのに。
*ナポレオンの一番上の妹。コルシカの役人と結婚。17話「モンテベッロでの憩い」参照。
**ウジェーヌとオルタンス
*弟のリュシアンを戴冠式に呼ぶ為、ローマへ行っている。結局、母レティツィアはリュシアンの説得に失敗、ナポレオンとの亀裂は埋まらなかった。53話「弟たちの勝手1」参照
1804年12月2日。
ナポレオンの戴冠式及びその聖別が行われた。
ナポレオンは、自分の手で冠を被り、ジョゼフィーヌに被せた。
神父の支配に再び屈し*、この「宗教的仮装行列」に参列するために、軍は戦闘をかくも行ってきたのか……**
*フランス革命は、宗教よりも合理精神を重んじた。また、かつて僧侶は第一身分とされていたが、革命は、身分制を打破するものであった。
**「ナポレオン年代記」J.P.ベルト[瓜生洋一・新倉修・長谷川光一・松蔦明男・横山健一]
ナポレオンが第一執政になったのは、ブリュメールのクーデターによってです。この後、クーデターの首謀者だったシエイシスらを閑職に追いやり、さらに第二・第三執政にイエスマンを置き、政治を牛耳ります(33話「ブリュメールのクーデター」参照)。
終身第一執政(統領)になった際は、人民投票が行われました(賛成356万8885票、反対8374票)。
皇帝推挙は、護民院で可決された後、元老院で帝政樹立の議決がなされました。護民院では、後継者は彼の家族から選ぶというキュレ(Jean-François Curée)の動議も採択されます。
元老院の議決は、ナポレオンの受諾を得て、人民投票にかけられます(賛成357万票、反対2700票)。