第48話 地獄の仕掛け事件2
文字数 1,936文字
*ナポレオンが共和国成立を妨げたことを恨み、昔、公安委員だった男の家で、陰謀が目論まれた。仲間内で密告があり、短剣も持たずにうろついていたところを、逮捕された。
また、新たにジャコバン派130人を逮捕した。
シュウアン派*の首領カドゥーダルが、主犯だった。同じく王党派の数名が、共謀者として判明した。
フーシェの言う通り、事件は王党派の犯行だったのである。
捕まった2名は処刑された。カドゥーダルは、イギリスに逃げた。
*ブルターニュ、ノルマンディー地方の王党派農民
新たに
殺害された警察官には、妻子がいたため、世間の同情が集まった。
判決は、主犯カドゥーダル及び20名が死刑(後に恩赦で8名に)、5名が禁固刑だった。
[元警察大臣フーシェ]*
*ナポレオン政権には、恐怖政治の頃から、権力の中枢にいたフーシェに、不信の念を抱いている者が多かった。ナポレオンは、秘密を知り過ぎている彼に領土と爵位を与え、警察大臣の座から追い払っていた。さまざまな人脈に富む彼は、後に復職するが、ここはちょうど、職になかった時期。
今回の第一執政爆死計画には、流刑先のギアナを脱走しての加担だった。
今回の件にしても、革命戦争時代、オランダで、ピシュグリュ軍団長の下、右翼を守る師団長だった因縁によるものにすぎません。彼の役割は、些末なものです。モロー将軍は、引きずり込まれただけです。