第2話 革命戦争とヴァンデの蜂起

文字数 1,660文字

[フランスの人々]


オーストリアとプロイセンが共同で、ピルニッツ宣言だと!?

大変だ! 強国が、我々の革命に干渉してきたぞ!



[フランスの人々]


祖国は危機にあり! 立ち上がれ! フランスの民よ!

[フランスの人々]


♪♪♪~
ん? なんだ、その歌は?

勇ましく、力強い、その響きは!?

お前、どこから来た?

俺は、マルセイユから来た。

この歌は、マルセイユの歌(ラ・マルセイエーズ)さ!

ラ・マルセイエーズか!

いい歌だ! よし、みんなで歌おう。フランスの為に!

フランスの為に!



※以下、フランス革命から恐怖政治までの、大まかな流れです。うるさい方は、飛ばして、次の話へお進み下さい




ピルニッツ宣言の翌年。フランスは、オーストリアに宣戦する。続いて、プロイセンも参戦した。



フランスの国境は混乱した。ヴァルミーとロンウェイの要塞が陥落し、パリの街にはデマが飛び交った。王党派の囚人が手引きを疑われ、パリの監獄が襲撃された。



しかし、上記義勇軍の活躍により、ヴァルミーでフランス軍は、プロイセン軍に勝利(92.9.20)、また、ジェマップでは、オーストリア軍に勝利した(92.11.6)。



ヴァルミーの翌日、王制は廃止。共和制が実現された。





革命政府の敵は、外国軍だけではなかった。国を逃れ亡命していた、ブルボン家の王族や、フランス貴族(エミグレ)は、革命政府に戦いを挑んだ。彼らは、国に家族や財産を残し、帰るに帰れない状況にあった。


こうした亡命貴族(エミグレ)は、オーストリアなどに協力を求め、共に戦った。



一方、フランス・農村部では……


フランス革命は、古い体制、非合理なものとして、宗教を切り捨てた。
しかしこれは、庶民、特に、地方の農民には耐えがたいものだった。彼らの生活は、信仰と深く結びついていたからだ。
また、このすぐ後に発令された強制徴兵令により、働き盛りの若者を兵隊に取られたことも、農民の怒りに拍車をかけた。
こうした農民の怒りに、革命軍により、パリを追われた貴族たちが結びついた。



※腰の白い布は、ブルボン家の白百合の色。または、旗の色を指す。

ヴァンデ地方に、大きな蜂起が起きる。


革命軍兵士たちは、自由・平等の革命の理念を、領主に虐げられている諸国の民に伝え、彼らを救う為に戦っていたはずだった。彼らを率いる将校達も、若く指導力に富み、なにより勇敢だった。(下の画像)



しかし、どこまで戦うのか。



「フランスの国境は、自然によって印づけられており、それは地平の四方の果てまで達するだろう。すなわち、ライン川、海、アルプス山脈である」



ダントンのこの演説が、戦争の方向性を決定づけた。フランス軍は、国を守るために、将校・兵士、一丸となって戦った。だが、これは、諸外国からみれば、フランスからの侵略以外のなにものでもない。戦いは激化し、膠着状態に陥った。



*『ナポレオン戦争』マイク・ラポート[楠田悠貴]

革命政府軍を増強する為にも、強い中央集権が必要になった。ここに、それまでの合法的なコミューン(自治体)が、叛乱的コミューンに取って代わられ、やがて、国民公会が成立する。
国民公会は、王制廃止・共和制を宣言し、ルイ16世に死刑が宣告された。



フランス軍のベルギー(ライン川上流)侵略に、危機感を抱いていた諸外国は、王族(ルイ16世)の処刑を機に、対仏大同盟(第一回)を結んだ。


やがて、比較的穏やかだったジロンド派は追放され、ジャコバン(山岳)が実権を握った。

すぐに、ロベスピエールが台頭してくる。

ルイ16世の処刑の10ヶ月後。王妃マリー・アントワネットも断頭台の露と消えた。
以降、ほんの僅かな失言で王党派を疑われ、あらゆる階級の人々が、断頭台へ送られるようになる。

貴族、移民、売春婦、公証人……。

荷車でギロチン台へと運ばれて行く。

恐怖政治の始まりである。






ピルニッツ宣言から恐怖政治までの流れをざっと追ってみました。フランス革命全体のおおまかな補足は、「おまけ 革命の流れ」(39話の次)にございます。


「NOVEL DAYS」「おまけ 革命の流れ」

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登場人物紹介

オーストリア皇帝フランツ


神聖ローマ帝国最後の皇帝でもある。

くそまじめで、四角四面な性格。

ロシア皇帝アレクサンドル1世


父パーヴェルの暗殺に関与または黙認し、即位した。

欧州の平和は自分が守る、と、固く心に誓う「騎士」。

フランス皇帝ナポレオン


あ、最後になっちゃった……。

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