第40話 トロワ・デュマ
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しかし、
共和国の理念を信じ、素晴らしい活躍のあったデュマ将軍。
それなのに、レジオンドヌール勲章(1802.5.19制定)どころか……、
当然受け取るべき年金も、
ナポリ収監中の給料さえも支給されなかった。
その上……。
有色人種の彼は、妻*のいるヴィレル=コトレ(パリ近郊の町)に住み続けることができなくなってしまった。
国外退去処分を免れ、ヴィレル=コトレに住み続ける為に、彼は、かつての軍人仲間に頼り、特別許可を申請しなければならない始末だった。**
*デュマの妻、マリア・テレサは、フランス人女性
デュマ将軍の息子は、後に、『モンテ・クリスト伯』を書いたアレクサンドル・デュマである。孫は、「椿姫」を著した。
ちなみに、デュマ(息子)の『モンテ・クリスト伯』に出てくる、ファリア神父のモデルは、例の科学者、ドロミュー*だとされている。
息子のデュマが、父の将軍から聞いた話を元に造詣したのだろう。
19世紀の終わり、息子のファン達が、マルゼルブ広場(現カトルー将軍広場)に、「トロワ(3人の)・デュマ広場」を造る計画を立てた。
下は、デュマ将軍の像。後に、ナチスドイツに破壊された。*