10 希望は捨てちゃだめだよ

文字数 6,725文字

 雪山を思わせるような白銀の髪色は、姉妹揃ってひと月前から少しも変わっていません。それぞれの髪型も、時間が経過したぶんだけわずかに伸びた程度で、ほとんど変化はありません。姉のライカは男性と見まごうほどの短髪で、妹のレンカは両の肩の上に毛先がふわりと広がっています。
 二人はどちらも長身で、その体躯は遠目に見ても抜かりなく鍛えてあるのがわかります。ライカの方は裾が膝下にまで達する鉛色のコートをまとい、靴底に鉄板でも仕込んでありそうな重々しい編み上げブーツを履いています。かたわらに立つ妹のレンカは、臙脂色(えんじいろ)のゆったりとしたポンチョを羽織り、目もとを隠すように深くフードをかぶっています。ぐらぐらと揺れる両脚を真っ黒なタイツに包み、のっぺりとした革のサンダルを突っかけています。そして、左の手で、鈍く光を反射する金属製の松葉杖をついています。
 歯を食いしばって苦しげに呼吸する妹の肩を、姉が抱き支えています。
「下で待っていてもよかったんだぞ」ライカが低い声で言います。
「みくびらないで。平気よ、これくらい」レンカは余裕ありげに笑ってみせますが、その顔には幾筋もの汗が流れています。
 そっと目を伏せ、ミシスは強く唇を噛みました。ノエリィは、まるで怪談を聞かされる幼子のように、目を閉じて顔をそむけました。
 レンカの左脚は、膝から下が、あらぬ方向に捻じ曲がっていました。
 そして、目深にかぶられたフードでも隠しきれないほど大きな裂傷の縫合跡が、額の中心から左の頬に至るまで、斜めに顔面全体を貫いて走っていました。
 かつてカセドラの操縦席に悠然と佇んでいた時からは想像もできないほどに、彼女の姿は変わり果ててしまっていました。
 ミシスの瞳から、涙が一粒こぼれ落ちました。
 その滴を手のひらで受けとめたレスコーリアは、じっと頭上の少女を見あげました。
「ミシス、大丈夫……?」ノエリィがささやきかけました。
 ただ無言で、ミシスはかすかにうなずきます。
 少女たちがその動向を凝視するなか、姉妹はさっとあたりを一瞥して目配せしあうと、すぐさま会計場へ向かいました。
 ポケットから何枚かの紙片のようなものを取り出したライカが、カウンターの向こう側で所在なげに一人立っていた年若い女性の店員に声をかけます。
「とつぜんすまない。たずねたいことがあるのだが、かまわないだろうか」
「えっ? あ、はい。なんでしょう」少々たじろぎつつ、女性がにこやかに応対します。
「人を探しているのだが、このなかに見覚えのある顔はないかな」
 説明しながら、ライカは卓上にずらりと紙片を並べました。それらはどうやら、人の姿を映した写真のようでした。
「よく見てほしい。似た人間を見かけた気がするとかでもいいから、気づいたことがあったらなんでも教えてくれ」レンカが横から身を乗り出します。
 女性は肩をこわばらせつつ、視線を落として写真を一枚一枚じっくりと眺めます。そして緊張した面持ちで、顔を伏せたままたずねます。
「この人たちが、どうしたのですか? なにをした人たちなのです?」
「それは聞かない方がいい」ライカが簡潔にこたえます。「だが心配いらない。イーノに誓って、私たちは怪しい者ではない」
「そうですか……」どこか釈然としない様子の女性でしたが、思いがけずなにかを発見した驚きによって、すぐにそちらの方へ気をとられます。「あ、この男の人……」
「見覚えが?」ライカが目を光らせます。
「たぶんまちがいないです。何度か、ここで買い物をしていかれたかただわ」女性が顔を上げます。
「たしかだな?」レンカが笑みをこらえて問いただします。
「よく覚えています。いらっしゃるたびに難解な研究書を買っていかれるし、それに、たしかひと月ほど前には、高等教育用の教科書も一揃い買っていかれたかしら」
 姉妹は武者震いを抑えつつ、うなずきを交わします。
 そこで二人のあいだに割って入るように、一人の男性の老人が分厚い本を手にして進み出てきました。
 ライカは写真をさっとまとめると一礼して老人に場所を譲り、妹の肩を抱いて何歩か後退しました。店員の女性は明るい表情で客を迎え、老人が手にしていた本を包装紙で丁寧に包みはじめました。
 レスコーリアはとっさに全神経を聴覚に集中させました。先程よりミシスたちが身を潜める棚に接近したため、姉妹の密談がより鮮明に聴こえてきます。
「勘が的中したね、姉さん」
「王都や各基地に潜入している同胞たちの報告は正しかったようだな。あの連中、あれからすでに一ヵ月が経とうというのに、いまだに中央へもどこへも帰還していないんだ。やはり最後に捕捉から外れたこの一帯に現在も留まっていると見て、まちがいなさそうだ」
「それにしてもよく思いついたね。まさか本屋に聞き込みなんて」
「やつらの船には、研究狂どもが乗っているからな」ライカが不敵に笑います。
 リボンをかけられた本の包みを抱えて老人が立ち去ると、姉妹はもう一度写真を取り出して店員への尋問を再開しました。
「それで、この男、どんな様子だった?」ライカがたずねます。
「どんな、って……」記憶を探るように、女性はゆっくりと首をひねります。
「……あら、その人」そこへちょうど階段を上がってきた小柄な中年の女性店員が、姉妹と若い店員のあいだに顔を差し挟みました。「なに、なにかあったの? その人がなにかしたの?」
「尋ね人なのです」中年の女性の甲高い声にやや()されつつ、ライカが応じます。「私たちは、私立探偵をしています」
 店員の二人は、納得したように同時にうなずきます。
「この男のことで覚えていることがあったら、どんなことでもいいので教えていただきたいのです」ライカが改めて続けます。
「覚えてるもなにも、ついこないだ立ち話をしたばかりだよ」中年の女性がけろりとこたえます。
「どんな話をしたの。差し支えなかったら、教えてくれないか」レンカが眼光鋭く迫ります。
「別に、たいした話はしてませんよ。ただ、よく来てくれるわね、って声をかけただけ。この階でそんなにたくさん本を買ってくれる若い人はめずらしいよ、いつもありがとね、って」
「はぁ」ライカが目を細めて相槌を打ちます。
「それから、そんな小難しい本をいったいなにに使うの、って訊いたら、そりゃもちろん勉強のためだ、って。……あぁ、それに、その時は彼、背中にものすごく大きな荷物を抱えてたから、私ちょっと心配になってたずねたわ。あんた大丈夫かい、その上こんなたくさん本を買い込んで、持って帰れるの? 家は近くかい? ってね。そしたらあの人、あぁ、この町に住んでる、家はすぐ近くだ、って言ったの。ちょっとばかし重いけど、これくらい余裕で担いで歩くさ、なんて笑ってみせたっけ……」
「ふむ……」ライカは眉をひそめます。
「でもね」中年の女性が唐突に笑みをこぼします。
 姉妹は一緒に首をかしげます。
「私、見たの。夕方、休憩で裏口から出た時、彼がバイクに荷物を積み込んで、楽々と走り去っていくのを。なぁんだ、良いバイク持ってるんじゃない、なんで嘘なんかついたのかしら。私ももうちょっと若かったら、後ろに乗っけてほしいくらいだわぁ、なんて思っちゃった」
 そう言ってけたけたと笑う女性を、姉妹と若い同僚が呆然と眺めます。
「バイク、ね……。どんなバイクでした?」ライカがなにげない調子でたずねます。
「あんまり詳しくは覚えてないけどねぇ。でも、中型っていうのかしらね、あの大きさだと。ともかく車体の色は黒で、後ろの方に引っ越しでもできそうなくらいでっかい荷台が取り付けてあったわ」
「どっちへ向かった?」フードの陰からぎらぎらと燃える目をのぞかせて、レンカが詰め寄ります。
「さぁ、そこまでは見ていないよ」
「わかりました。じゅうぶんです。ありがとうございました」
 微笑を浮かべて礼をすると、ライカは写真を束ねて懐に仕舞い、妹の体を支えつつ階段へと向かいました。
 姉妹の後ろ姿が少しずつ階下へ沈んでいくのを見送りながら、二人の店員はひそひそと言葉を交わしました。
「変な人たちでしたね」
「ありゃ、只者じゃないね。それほど大したことは話してないから、私らがそんなに気を揉むこたぁないよ」
 その後、厳しく押し黙って動かなくなったミシスに代わり、ノエリィが目当ての本を見つけだして購入しました。
 しばらく時間を置いてから出た方がいいというレスコーリアの指示に従い、二人の少女は口を閉ざしたまま階段を半分降り、踊り場のベンチにへたり込んで荷物を降ろしました。
 途端にミシスは両手で顔を覆い、膝に両肘をついて背中を丸めてしまいました。
 肩を寄せて横に座ったノエリィが、重く固まった親友の背にそっと手を置きます。
「どうしよう」ミシスが声を絞り出しました。「わたしのせいだ」
「ミシスはわるくない」ノエリィが間髪入れず断言します。「わるいのは、無闇に暴力を振るったあの人たちの方だよ。校舎や広場、それにお母さんやピレシュやわたしたちの生活がめちゃくちゃになったのは、全部あの人たちのせいじゃない」
「でも……」
「でも、じゃない」ミシスの肩を抱き寄せて、ノエリィが語気強く言います。「それに、ミシスがリディアの力を使ってあの人たちをやっつけてくれたのは、わたしを守るためだったんでしょ。なら、あの女の人が怪我をしたのは、わたしのせいってことにもなるよ」
 ミシスは顔を振り上げます。「そんなことは絶対にない! ノエリィはなにもわるくない」
 ノエリィはほほえみます。そして涙の滲む少女の目の縁を、指先ですっと撫でます。「ミシスも、なにもわるくない」
 それまでじっとしていたレスコーリアがポーチから抜け出して、少女たちの目前にその身を浮かべました。
「そう、誰かがわるいってことはないの、あたしたちみんな。なにかの悪意や企みがあってやったことなんか、一つもないんだから。それに、あの丘での出来事のあとで直面してきたいろんなことに対しても、一つ一つきちんとみんなで正しさを確認しあいながら、今日まで懸命に過ごしてきた。こんなでたらめなことに巻き込まれてしまったっていうのに、あなたたちは二人ともほんとに健気にやってきたわ。だから背筋を伸ばして、胸を張りなさい」
 その言葉を受けて、ミシスとノエリィはぐっと顎を引き、大きく息をして姿勢を正しました。
「――さて。とりあえず、今はなにを置いても、あの連中のこと考えなきゃねぇ」レスコーリアが面倒くさそうにかぶりを振ります。
「ライカと、レンカ」ノエリィがつぶやきます。「たしか、そんな名前だったよね」
 レスコーリアがうなずきます。「例の一件の後、あたしたちの方でもあの姉妹のことは調べたわ。姉のライカと、妹のレンカ。コランダムの名門キャラウェイ家の息女にして、現首長ゼーバルト・クラナッハ将軍に最も近しいとされる軍人の姉妹。なんでも、小さい頃から将軍に娘同然に庇護されて、とくべつな戦闘訓練や英才教育を受けてきたらしいわ」
「さっきレスコーリア言ってたよね。強い発顕因子の持ち主だって。あの二人は顕術士でもあるのね?」ミシスがたずねます。
「ええ、見たところなかなかの使い手ね。でもあの二人の場合、恐ろしいのはそっちの能力より、将軍直々に鍛えられた戦闘技術と作戦遂行能力、それにカセドラの操縦技術よ。ま、妹の方は、そのいずれも今では無力化されたに等しいようだけど」
 ミシスがわずかにうつむきます。「……それで、これからどうしようか」
「マノンさんたちに連絡する?」ノエリィが提案します。
 レスコーリアが首を振ります。「これは用心しすぎかもって自分でも思うけど、もしこのパズール市内のあちこちに鉱晶通信を傍受する工作員が配置されてたらって考えると、ちょっと気味がわるい。まさかそこまでは連中も手が回ってないとは信じたいけど」
「もし運わるく傍受されたら、居場所を特定されるかもしれないってことだね」ミシスが虚空を睨みます。
「じゃあもう今からすぐに帰って、直接報告した方がいいかな」ノエリィは取り出しかけていた携帯伝話器を再び仕舞います。
「そうね。今はできるだけ早く、連中から距離を取るべきだわ」レスコーリアが腕を組んでうなずきます。「……はあ。それにしても、あの馬鹿」
「馬鹿?」ノエリィが首をかしげます。
「この近所に住んでるだなんて、もっともらしい嘘をついたところまでは良かったけど。最後に結局バイクを見られてたっていうのが、ほんと間抜けなんだから」
「……そっか。次から、買い出しが難しくなりそうだね」ミシスがため息をつきます。「というか、今日これから船まで帰るのも、ちょっと怖いね」
「町外れに停めといて大正解だったね」ノエリィが言います。「普通に町なかの駐車場とかに停めてたら、見つかってたかも……」
 ふいにレスコーリアが天井付近まで上昇し、周囲のイーノの波動に耳を澄ませました。そして触角をぴんと立てたまま戻ってくると、確信をもって告げます。
「この近くに妙な気配はないわ。たぶん今頃、連中は手分けして町じゅうのバイクを探しまわったり、車道や街道に見張りを立てたりして大忙しのはずよ」
「どうしよう。暗くなってから出る?」ミシスがたずねます。
「ううん」レスコーリアは強く首を振ります。「あなたたちみたいな若い子がそんな大荷物を抱えて夜の港町をうろうろするのは、余計に目立つし危険だわ。やっぱりマノンたちと約束したとおり、陽が出ているうちに帰るべきよ。大丈夫、あたしがばっちり警戒するから」


 こうして三人は、来た時の軽快で楽しげな様子とは一転して、切羽詰まった沈鬱な表情で町を去ることになりました。
 最初に通った自然公園を駆け足で横切りながら、ノエリィが気丈に笑って言いました。
「あの小さな砂浜、行きそびれちゃったね」
「うん」ミシスも精一杯に頬を持ち上げます。「残念だったね。それに……もう、泳ぎにも行けないかな」
「船の近くの川で泳げばいいじゃない」レスコーリアが慰めるように言います。
「ま、それでもいっか」ミシスが苦笑します。「でも、憧れだったなぁ。白い砂浜とか、輝く水平線とか、思いきり水に飛び込む感じとか……」
「いつかまたそんな機会もあるって!」ノエリィがとびきり明るい声を放ちます。「希望は捨てちゃだめだよ」
「そのとおり」レスコーリアが深くうなずきます。「良いこと言った」
「そうだね」大きく腕を振って歩きながら、ミシスも自分自身に言い聞かせるようにつぶやきました。
 無事に誰からも目をつけられることなく、一行は午前中にバイクを停めた場所まで辿り着きました。迷彩模様の布に包まれて沈黙するバイクは、まるで忠実な馬のように主人たちの帰りを待っていました。
「誰にも見られてないよね」荷物をまとめて大きなリュックに詰め込みながら、ミシスはあたりを見まわします。
「きっと」ポーチに潜り込んだレスコーリアがうなずきます。
 支度が整うと、少女たちは慎重に発進しました。やがて公園の樹々がじゅうぶんに背後へ遠ざかったのを見計らうと、一気に車輪の回転速度を上げて、港町を後にしました。
 ノエリィの腰に抱きつくミシスは、どんどん小さくなっていく町のシルエットを、名残惜しそうに振り返って眺めました。
 大地の裏側へ落ちていく太陽が、暮れ時の色を帯びはじめました。朝は白っぽく輝いていた荒野も、今では見渡すかぎり焔の色に染まっています。地平線の彼方にそびえるいくつもの入道雲が、まるで磨かれた金塊のようにてらてらと輝いています。
 強い向かい風を全身に浴びながら、ミシスはいまだ衝撃と悔恨の入り乱れる心の疼きを、その身の内にひしひしと感じ続けていました。
 彼女には、はっきりとわかっていました。
 これから一生、この疼きは自分のなかから消えないだろうということが。まるで、生きているうちには決して解除されることのない、臓腑に刻みつけられた宿命的な呪いのように。
 再びじわりと涙が込み上げてきた瞳を閉じて、ミシスはすがりつくように親友の体を抱きしめました。
 運転に集中するあまり、ハンドルから手を離すことも、後ろを振り向くこともできないノエリィでしたが、ミシスはこの優しくも勇敢な心を持つ少女が、その背を通じて無言のうちに励ましの想いを伝えてくれているのを、はっきりと肌身で感じ取っていました。
 ねぇ、ミシス。
 わたしが、あなたの苦しみを一緒に背負うからね。
 絶対に、あなたを独りになんかさせないからね。
 腕のなかの小さくて大きな背中は、たしかにそう語りかけてくれていました。
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登場人物紹介

◆ミシス・エーレンガート


≫主人公。エーレンガート家に家族の一員として迎え入れられ幸福な日々を過ごしていたが、思わぬ形でコランダム独立の騒乱に巻き込まれ、ノエリィと共に丘の家から旅立つことになった。

◆ノエリィ・エーレンガート


≫ミシスの親友であり家族でもある心優しい少女。望まぬ形で軍に連行されるミシスを独りにさせまいと、ほとんど押しかけるようにして〈特務小隊〉の一員となる。

◆マノン・ディーダラス


≫本職は科学者であり発明家だが、カセドラ〈リディア〉を守護するため急造された部隊〈特務小隊〉の隊長を務めることになった。同隊が移動式拠点として利用する飛空船〈レジュイサンス〉も、彼女の発明の賜物。

◆グリュー・ケアリ


≫マノンの腹心の助手。彼女に付き従い、ホルンフェルス王国軍極秘部隊〈特務小隊〉に所属する。飛空船での暮らしにおいては、もっぱら料理係と操縦士の役割を務めている。

◆レスコーリア


≫マノンたちに同行するがまま、〈特務小隊〉に加わることになったアトマ族の少女。相変わらず自分流に気ままな日々を過ごしながらも、密かに隊の皆を見守っている。

◆クラリッサ・シュナーベル


≫世界最強の顕術士一族として知られるシュナーベル家の長女。優れた顕術士ばかりで構成される王国騎士団〈浄き掌〉の副団長を務める。グリューとは許婚どうしで、マノンやレスコーリアとも旧知の仲。

◆ゼーバルト・クラナッハ


≫新生コランダム軍を率いる将軍。統一王国からの離脱と祖国独立の宣言を発し、全世界に対し戦後最大級の衝撃を与えた。

◆ライカ・キャラウェイ


≫新生コランダム軍に所属する軍人。エーレンガートの丘での失態の後、妹のレンカと共に小部隊を率いてミシス一行を追撃する。

◆レンカ・キャラウェイ


≫エーレンガートの丘で勃発したカセドラどうしの戦闘によって重傷を負い、その後しばらくのあいだ治療に専念していた。

◆ヤッシャ・レーヴェンイェルム


≫国王トーメ・ホルンフェルスの名代として、マノン一行に〈特務小隊〉としての任務を与えた。以後さまざまな手段を用いて、先の見えない困難な日々を送る同小隊を遠く王都より支援する。

◆ハスキル・エーレンガート


≫愛する娘たちと離ればなれになり、我が子同然の学院校舎が損傷してもなお、決して希望を失うことなく毎日を前向きに生きている。

◆ピレシュ・ペパーズ


≫幼少時より人知れず抱えていたカセドラ恐怖症の劇的な発作により、長期に渡って入院生活を送っていた。恩師ハスキルに護られながら、徐々に回復へと向かう。

◆ドノヴァン・ベーム


≫十年ほど前に王都から忽然と姿を消した、伝説的な大科学者。レーヴェンイェルム将軍の幼馴染みにして、マノンの恩師。現在の彼の動向を知る者は極めて少ない。

◆プルーデンス


≫ベーム博士と共に暮らすアトマ族の少女。博士とおなじくアルバンベルク王国の出身。幼い頃から過酷な環境を生き抜いてきたためか、非常に気立てと面倒見が良い。

◆〈リディア〉


≫ホルンフェルス王国軍が極秘裏に開発していた最新型のカセドラ。本来ならカセドラが備えるはずのない、ある極めて特異な能力をその身に宿している。操縦者はミシス・エーレンガート。

◆〈フィデリオ〉


≫コランダム軍が新たに開発した特専型カセドラ。操縦者はライカ・キャラウェイ。

◆〈コリオラン〉


≫フィデリオと同一の鋳型を基に建造された姉妹機だったが、リディアとの交戦の末に大破した。かつての操縦者はレンカ・キャラウェイ。

◆〈□□□□□〉


≫???

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