39 〈アリアの子守歌〉

文字数 6,881文字

 翌朝早く、まだ陽の昇らない時刻に、プルーデンスとミシスはこっそり家を抜け出して、アリアナイトが採取できるという秘密の場所へ向かいました。
 毎日早起きして朝食の支度をするのがプルーデンスの習慣なので、多少物音がしても誰も怪しんだりしません。ミシスはもし誰かに気づかれたら、たまたま早く目が覚めたのでプルーデンスの手伝いをしていたと弁明するつもりでいましたが、結局誰にも――隣のハンモックで眠るノエリィにさえも――勘づかれずに、部屋を出ることに成功したのでした。
「遠いの?」
 少し空気がひんやりとしているため、愛用している星柄の青いローブを体に巻きつけながら、ミシスが玄関先でたずねました。
「ううん、そんなには」マッチを擦ってランプに火を灯し、プルーデンスが首を振ります。「こっちよ。朝霧で湿ってるから、足もとに気をつけてね」
 二人は家の裏手の小川を越えて、まだ夜闇を色濃く残している森のなかへと足を踏み入れます。ミシスにとっては初めて行く方角でしたが、とくに他の場所と変わったところはありません。島のほとんどの場所とおなじく、おおむね平坦な天然の絨毯がどこまでも広がっています。
 先導するプルーデンスの羽を追ってしばらく進むと、場違いなほど一部分だけこんもりと地面から盛り上がった小さな岩山が見えてきました。外面の岩肌を(ツタ)と苔に覆われたドーム型のそれは、よくよく観察すると内側が空洞になっているのがわかります。
 そちらへ向かって近づくにつれ、ちょろちょろと水の流れる音が、まるで夢の世界の残響のように伝わってきます。
「あれよ」プルーデンスが振り返らずに示します。
 (ほら)の奥行きは浅く、そして狭く、外からのぞき込むだけで内側の全貌がすっかり見渡せてしまうほどです。最奥の内壁に穿たれた細い縦長の穴から、澄んだ水が流れ出ています。
「川が湧き出てるの?」洞穴の入口に立ったミシスがランプを掲げ、目と耳を凝らします。
「ううん、川にまではなりきれない流れね」プルーデンスがこたえます。「ただここで湧いて、ここに溜まって、ほんの少しずつまわりに()み出ていくだけの、この場かぎりの小さな泉。ねぇ、ランプを消してなかをよく見てごらんよ」
 ミシスは言われたとおりに明かりを消し、転ばないよう用心しながら、清らかな水を湛える空間へ頭を差し入れます。
「うわぁ……!」思わずため息がもれます。「綺麗ね……」
 ちょうど博士宅の浴槽ほどの大きさの水たまりの底に、米粒よりも細かな青く光る石の粒が、白い砂と混じりあって一面に散らばっています。きっと昼の太陽の下ではかき消されてしまうであろうその神秘的な輝きは、まごうことなくアリアナイトが放つそれでした。
 得意げな笑みを浮かべて、プルーデンスが両手を広げます。「ね、素敵でしょ」
 ミシスはこくこくと何度もうなずいて、青い泉に見惚れます。
「昼に来たら、なにもないただの暗い穴だと思って、見過ごしちゃうだろうね」
「だから、とっておきの場所なの」
 そう言うとプルーデンスは泉の直上へ飛んでいき、靴を脱いで入ってくるようにミシスを促しました。
 脱いだ靴を並べて洞の脇に置くと、ミシスは湧き水のなかへそっと裸足を浸けました。水は思っていたよりも冷たく、初めはびっくりしましたが、すぐに慣れて心地良さに変わっていきます。足の裏に触れる砂は柔らかくて滑らかで、とてもさらさらとしています。
 プルーデンスの指示を受けて、ミシスは持参したリュックのなかから料理で使う灰汁(あく)取りを取り出しました。
「なるほど」ミシスはにやりとします。「昨夜、明日は灰汁取りが必要になるよって言われた時にはわけがわからなかったけど、こういうことだったのね」
「そういうこと」
 ローブの裾をたくしあげて結ぶと、ミシスは腰を折り曲げて泉のなかに灰汁取りを浸し、水底の砂をそっと掻き出しました。掬い上げられる白砂のなかに混じって、青い光の粒がいくつもちらちらと踊っています。
 この暗がりの最中(さなか)、ミシスの指でそれを一つ一つ仕分けるのはとても根気のいる作業に思われましたが、しかしごく小さな手と針のように細い指を持つプルーデンスにとっては、なんの苦もなくできる芸当でした。
 ひょいひょいと青い粒だけ拾い上げると、プルーデンスはそれを自分の腰にくくり付けた革袋のなかに放り込んでいきます。
「はい、次お願い」
「了解」
 同じ作業を二人は幾度かに渡ってくり返しました。
「ねぇ、こんなに採って大丈夫なの?」どんどん膨らんでいく革袋を見やって、ミシスがたずねます。
「平気よ」プルーデンスは軽く肩をすくめます。「どんなに採っても減りゃしないわ。どうせまた水と一緒にこぼれ出てくるんだから」
「水と? いったいどういう仕組みになってるの?」
「さあね、わたしも詳しいことはわからない。でもたぶん、この水が湧き出てくる岩の隙間のずっと奥に、アリアナイトが凝固してる箇所があるんじゃないかしら。それが少しずつ削り取られて、こうして水と一緒に外へ流れ出てくるのよ。というか、そうとしか考えられない」
「なるほどね」ミシスはうなずき、どこかにあるはずの水源を透視するように目を細めます。「じゃあ奥には、もっとたくさんのアリアナイトがあるかもしれないんだ」
「そうでしょうね。ぜんぶ掘り出して売ったら、きっとお金持ちになれるわ」プルーデンスが冗談めかして笑います。
「よく話には聞くけど、そんなに高価なものなんだ、アリアナイトって。なんか実感が湧かないな」
「大きさとか純度とか質の良し悪しとか、加工の程度にもよるけどね。そのうち機会があったら、宝石屋さんをのぞいてみるといいよ。上等のアリアナイトは、ほんとにびっくりするくらい高いから」 
 再び砂を掬い上げたミシスは、ふいに黙り込みました。
「どうかした?」プルーデンスが作業を続けながら声をかけます。
「リディアの操縦席って、全部この石でできてるんだよ」ミシスはじっと足もとを見つめます
「ああ、そうらしいね」小さな少女はうなずきます。「わたしはまだカセドラの操縦席って、見たことないけど」
「今度見せてあげるよ。リディアの胸のなかに入って扉を閉めると、全身がこの青い光に包まれて……ものすごく綺麗なんだ」ミシスは夢見るように想起します。「そういえば、前にグリューが言ってた。カセドラは一体造るだけでとんでもない費用がかかるって。操縦席だけじゃなくて、体の隅々にまでアリアナイトを使うっていうから、それはそうなるはずだよね」
「そうね」プルーデンスはうつむいたまま相槌を打ちます。「たくさんのアリアナイトが、使われるからね」
「……ねぇ、プルーデンス」
「なに?」
「アリアナイトって、なんなんだろう」
「え?」ふっと手を止めて、プルーデンスは顔を上げます。「なに、って。そんなの誰でも知ってるでしょ?」
「源素イーノが結晶化した鉱石」ミシスはいつか図鑑で読んだ内容を思いだします。
「そのとおりよ」プルーデンスは作業を再開します。「知ってるんじゃない」
「うん」ぼんやりと遠い目をして、ミシスはうなずきます。「でもさ、いったいどうして、そんなものが生まれるんだろう」
「う~ん……」手はさっさと動かし続けながら、プルーデンスは首をかしげます。「さてねぇ。言われてみたら、今までそんなふうに考えたことってなかった気がする。だって、あまりにも当たり前にこの世界に()るものだから。鳥や、風や、光とおなじように」
 ほんのりと甘く冷たい空気を吸い込みながら、ミシスは眼下に広がる無数の青い光をじっと見おろします。
「本当に、見れば見るほど、考えれば考えるほど、不思議な石。なんで、人間やアトマ族の意思に反応したりするんだろうね」
「そういう謎もいつか、賢い人間の人たちが解明してくれるんじゃないの」プルーデンスが誰かの顔を想像して微笑を浮かべます。「じゃあ、次お願い。もうこれで終わりにしましょう」
「そうだね」
 少女が新しく掬った砂のなかに両手を差し入れて、プルーデンスはとつぜんぴたりと体の動きを止めました。そして一呼吸ぶんの間を置いて、腹話術でもするようにささやきました。
「〈アリアの子守歌〉……」
 ミシスは目の前でゆらゆらと揺れる二本の細い触角を見つめます。
「え、なに? アリアナイトの……子守歌?」
 プルーデンスは一度ゆっくりと首を振ります。そしてその澄んだ瞳に、やや明るくなってきた外光の気配を映しながら、訥々(とつとつ)と語ります。
「……ううん。アリアナイトじゃない。

の、子守歌。なぜだか今、急に思いだしたの。聞いたことない?」
「知らない」ミシスは首を振ります。「あ、もしかして、レスコーリアがいつも大地のイーノが歌うって表現をするけど、それのことかな?」
「さあ」
「さあ、って……」
「わかんないわ」プルーデンスは眉を寄せて苦笑します。「そういう(たと)えと関係あるのかないのか……。〈アリアの子守歌〉っていうのはね、わたしたちアトマの種族に広く伝わる、古い童謡のことなの」
「アトマの、童謡……」ふいに湧き起こった物懐(ものなつ)かしいような気持ちを胸に、ミシスは静かにつぶやきました。「初めて聞いたよ。人間の童謡はいくつか聴いたことあるけど、アトマにはアトマの童謡があるんだね」
 プルーデンスは結晶の粒をつまみ上げ、それにまじまじと見入ります。淡い白金色をまとう曙光の前兆に呑み込まれて、青の輝きはもうあまり見えなくなっています。
「どんな歌なの?」
「とても長い歌で、ぜんぶは覚えてないんだけど」プルーデンスはまぶたを半分ほど閉じます。「わたしの耳になんとなく残ってる部分は……

 どこへいこうというの アリアの子どもたち
 どこへいこうというの いとしい子どもたち
 わたしたち見にいくの こころをなくした花たちを
 わたしたち聴きにいくの 風をよめない迷子のなげきを
 わたしたち浴びにいくの おいていかれた空のなみだを
 わたしたち歌いにいくの あなたがのこした子守歌を
 すべて楽園の外がわで
 すべて楽園の向こうがわで
 おこること」

 密やかで可憐な歌声が神秘の泉を湛える洞に反響し、まるで岩肌や水面にじわじわと沁み込んでいくように、少しずつ静寂の奥へと音符が回収されていきました。この間、ミシスはほとんど息をすることも忘れて、ひたすらに耳をそばだてていました。
 静やかな水音が再び空間に満ちると、少女はようやく口を開きます。
「……すごく綺麗な歌だけど、なんだか謎めいてるね。アリアの子守歌、か。……アリアって、なんなんだろう。それに、アリアの子どもたち? アリアナイトとなにか関係あるのかな」
 今しばらく音楽の世界に意識をもっていかれていたプルーデンスが、徐々に我に返ります。「わたしには、わからない」
「イーノそのものだけでできてることを独唱の意味になぞらえて〈独唱石(アリアナイト)〉と命名されたって、わたしは本で読んだよ。だけど、いつの時代にその名前がつけられたのかとかは、そういえばどこにも書いてなかった。もしかしたら、ずっと昔にその名前をつけた人たちが、アトマ族の童謡から着想を得てたのかもしれないね」
「どうかしらね」最後の青い粒を拾い上げ、残った白砂を水底へ返しながら、プルーデンスが首をひねります。「そういう可能性も、なくはないのかもね」
「楽園の外がわ、か……」
 神妙な顔をしてミシスがつぶやいたその時、洞を抱く岩山のまわりの樹上で眠っていた小鳥たちが、一羽、また一羽と、夜明けの歌を歌いはじめました。
 二人は泉にお礼を述べると外へ出て、朝靄(あさもや)に煙るあたりの光景を見渡します。
 透き通った水色と紫色と橙色の溶けあう生まれたての空が、森の屋根の隙間からかいま見えます。今にも太陽がその頭頂を水平線の向こうに浮上させようとしている予兆が、森の奥地にあっても鮮明に感じられます。
「これだけあればじゅうぶんね」
 腰に掛けた革袋をぱしぱしと叩きながら、プルーデンスが満足げに言いました。はじめは葉っぱのようにぺたんこだった鞄は、今ではさくらんぼの実のように丸々と膨らんでいます。
「でも、これをどうするの?」ミシスは顎に手を添えて思案します。「この粒々(つぶつぶ)のままじゃ……」
「わたしに考えがあるの」プルーデンスがぴんと人差し指を立てて遮ります。その瞳の奥には、確信犯的な企みの光がきらりと灯っています。「帰ったら見せてあげるわ」
 足音を忍ばせて家へ戻ってみると、さいわいまだ誰も起きていませんでした。
 寝室ではマノン、クラリッサ、ノエリィ、それに五つ子たちが、すやすやと寝息を立てています。居間のソファにグリューが、書斎の寝椅子の上でベーム博士が、それぞれ手もとに学術書を開いたまま気絶したように眠りこけています。
 全員の寝顔を確認してきたプルーデンスが、屋根裏にあるという彼女だけの秘密の部屋から小さな木箱――とはいえそれは彼女にとっては両腕で抱えるほどの大きなものでしたが――を持ってきて、ミシスが一人で待っていた食堂のテーブルに置きました。
 そのなかには、表面に細やかなカット加工を施されたガラスのペンダントトップが、いくつか入っていました。
 途端にミシスは口を両手で押さえ、きらりと目を輝かせました。
 プルーデンスは箱のなかから二つのペンダントトップを選んで取り出しました。一つは人間の小指の半分ほどの大きさの、涙滴(るいてき)型のもの。そしてもう一つは、親指の半分ほどの大きさの(ひし)型のものでした。よく見るとそれらはどちらも内部が空洞になっていて、上端に小さな穴が開いています。
「これ、前に博士とパズールの町へ出かけた時に、手芸屋さんで買ったものなの。ほら、砂時計に使われる色つきの砂とかあるじゃない。ああいうのを自分で好きに入れて、世界に一つしかないペンダントを作るのよ」小さな少女はミシスの耳に唇を近づけてひそひそと説明します。「このなかにさっきのアリアナイトを詰めたら、とても素敵だと思わない?」
 ミシスは頭の後ろに束ねた髪を興奮した犬の尻尾のようにぶんぶんと振りまわし、心からの賛同を示しました。
 二人が満面の笑みを交わしあったその瞬間、奥の部屋でかすかな物音がしました。
 たちまち正気に返ったプルーデンスがペンダントの材料を仕舞い、木箱を抱えて屋根裏へ飛んでいきました。とんぼ返りで食堂に戻ってきた彼女に向かって、ミシスが無言で首を振ってみせます。大丈夫、まだ誰も起きてないよ。
 そこでまた、先程とおなじ種類の微細な物音が、今度は立て続けに三度聴こえました。音のあいだに挟まれた息継ぎのような響きから、それが誰かのくしゃみの音であることが推察されます。プルーデンスは寝室に向かいました。
 並んで寝ている五人の端っこで、一人だけ毛布から転げ出て体を丸めているアル――前髪を右側で分けた男の子――が、プルーデンスの到着と同時にまたくしゃみをしました。プルーデンスは微笑し、小さな体にしっかりと毛布を掛けてやります。
 食堂に戻ると、何事もなかった、みんなまだ寝ている、ということをミシスに身振りで伝え、二人はとりあえず一安心すると、さっそく朝食の支度に取りかかりました。
 窓はまだ閉めたままでいましたが、外では鳥たちの朝の合唱会が始まったのが伝わってきました。起き抜けのふわふわとした太陽も、徐々にくっきりとした夏の輝きをまき散らしはじめます。
 大きなあくびとおはようの声と共にベーム博士が起きてくると、他の皆も朝の気配に導かれて目を覚まし、一人また一人と食堂へ集まってきます。最後にマノンがお腹をぽりぽりと掻きながらやって来て、それと同時に博士が五つ子を引き連れて家じゅうの窓を開けてまわりました。もぎたての果実のように(かぐわ)しい風が、家のなかいっぱいに招き入れられます。
「ミシス、今朝はずいぶん早起きだね」ノエリィがまだ舌の回りきらない声で言いました。
「うん、目が覚めちゃったんだ」ミシスはぐつぐつと煮えている鍋をかき混ぜながらこたえます。
「さあさあ、今日もやることがいっぱいあるわ」プルーデンスが食卓の上空で手を叩きます。「みんなしっかり食べて、それぞれのやるべきことをがんばってちょうだい」
「はーい」まだ目を擦ったりあくびを噛み殺したりしていた面々は、その一声にこたえてしゃっきりと姿勢を正しました。
「まったく、朝から熱い人たちねぇ」
 いつの間にか姿を現していたレスコーリアが、テーブルの片隅でオレンジを絞りつつぼやきました。
「うわっ。いつからいたんだよ、おまえ」グリューが目を丸くします。
「ついさっき」
「あなたってほんと、神出鬼没ねぇ」プルーデンスがいつか口にしたのとおなじ台詞をくり返します。「でも、今朝は間に合ったみたいね。感心、感心」
「……どうも」
 レスコーリアはのっそりと会釈をすると、絞りきったオレンジを横に転がし、顕術を使って次のオレンジを籠から浮かせてまな板に載せました。グリューがそれをナイフで二つに切り分けて、一人(ひそ)かに笑みをこぼしました。
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登場人物紹介

◆ミシス・エーレンガート


≫主人公。エーレンガート家に家族の一員として迎え入れられ幸福な日々を過ごしていたが、思わぬ形でコランダム独立の騒乱に巻き込まれ、ノエリィと共に丘の家から旅立つことになった。

◆ノエリィ・エーレンガート


≫ミシスの親友であり家族でもある心優しい少女。望まぬ形で軍に連行されるミシスを独りにさせまいと、ほとんど押しかけるようにして〈特務小隊〉の一員となる。

◆マノン・ディーダラス


≫本職は科学者であり発明家だが、カセドラ〈リディア〉を守護するため急造された部隊〈特務小隊〉の隊長を務めることになった。同隊が移動式拠点として利用する飛空船〈レジュイサンス〉も、彼女の発明の賜物。

◆グリュー・ケアリ


≫マノンの腹心の助手。彼女に付き従い、ホルンフェルス王国軍極秘部隊〈特務小隊〉に所属する。飛空船での暮らしにおいては、もっぱら料理係と操縦士の役割を務めている。

◆レスコーリア


≫マノンたちに同行するがまま、〈特務小隊〉に加わることになったアトマ族の少女。相変わらず自分流に気ままな日々を過ごしながらも、密かに隊の皆を見守っている。

◆クラリッサ・シュナーベル


≫世界最強の顕術士一族として知られるシュナーベル家の長女。優れた顕術士ばかりで構成される王国騎士団〈浄き掌〉の副団長を務める。グリューとは許婚どうしで、マノンやレスコーリアとも旧知の仲。

◆ゼーバルト・クラナッハ


≫新生コランダム軍を率いる将軍。統一王国からの離脱と祖国独立の宣言を発し、全世界に対し戦後最大級の衝撃を与えた。

◆ライカ・キャラウェイ


≫新生コランダム軍に所属する軍人。エーレンガートの丘での失態の後、妹のレンカと共に小部隊を率いてミシス一行を追撃する。

◆レンカ・キャラウェイ


≫エーレンガートの丘で勃発したカセドラどうしの戦闘によって重傷を負い、その後しばらくのあいだ治療に専念していた。

◆ヤッシャ・レーヴェンイェルム


≫国王トーメ・ホルンフェルスの名代として、マノン一行に〈特務小隊〉としての任務を与えた。以後さまざまな手段を用いて、先の見えない困難な日々を送る同小隊を遠く王都より支援する。

◆ハスキル・エーレンガート


≫愛する娘たちと離ればなれになり、我が子同然の学院校舎が損傷してもなお、決して希望を失うことなく毎日を前向きに生きている。

◆ピレシュ・ペパーズ


≫幼少時より人知れず抱えていたカセドラ恐怖症の劇的な発作により、長期に渡って入院生活を送っていた。恩師ハスキルに護られながら、徐々に回復へと向かう。

◆ドノヴァン・ベーム


≫十年ほど前に王都から忽然と姿を消した、伝説的な大科学者。レーヴェンイェルム将軍の幼馴染みにして、マノンの恩師。現在の彼の動向を知る者は極めて少ない。

◆プルーデンス


≫ベーム博士と共に暮らすアトマ族の少女。博士とおなじくアルバンベルク王国の出身。幼い頃から過酷な環境を生き抜いてきたためか、非常に気立てと面倒見が良い。

◆〈リディア〉


≫ホルンフェルス王国軍が極秘裏に開発していた最新型のカセドラ。本来ならカセドラが備えるはずのない、ある極めて特異な能力をその身に宿している。操縦者はミシス・エーレンガート。

◆〈フィデリオ〉


≫コランダム軍が新たに開発した特専型カセドラ。操縦者はライカ・キャラウェイ。

◆〈コリオラン〉


≫フィデリオと同一の鋳型を基に建造された姉妹機だったが、リディアとの交戦の末に大破した。かつての操縦者はレンカ・キャラウェイ。

◆〈□□□□□〉


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