49 月の世界と渡り鳥

文字数 6,300文字

「おかえり、おじいちゃん」
 派手な柄物の布を頭に巻きつけたノエリィが、家の玄関先でベーム博士と〈緑のフーガ〉の一団を出迎えました。
「ただいま、パティ」
 博士からパティと呼ばれたノエリィは、にっこりと気の良い笑顔を浮かべます。今は眼鏡は外されていて、金と銀の溶けあう色の髪も布のなかにすっかり収めてあります。
「こちらは、お友だち?」三人の男たちをやや警戒しつつ、パティが祖父にたずねます。
「いいや。ちがうよ」即刻否定すると、博士は重々しく体を回転させ、男たちに孫娘を紹介しました。「こちらが私の孫のパティだ」
「どうも、お騒がせしてます」先頭に立つ黒髪の男が相好を崩します。
 バンダナの若者も同様に頬をゆるめ、前へ進み出て握手を求めます――が、すぐさまおじいちゃんの雷撃のような視線を食らって後退を余儀なくされます。
 その二人の背後に立つ白髪の坊主頭の男は、いったん冷静に少女の容貌を観察してから、きょろきょろと首を回して家の周囲を探り始めました。
 博士が孫のパティに事情を説明しました。
「なんだ、そんなことだったの」パティは胸に手を置いて安堵しました。「みなさん物騒なものをお持ちだから、なにか恐ろしいことでも起こったのかと…‥」
「怖いことなんか、なぁんにもないよ」馴れ馴れしい口ぶりでバンダナの男が言います。「ただ少しだけ、お兄さんたちに家のなかを見せてほしいだけなんだ」
「なんだと?」博士がぎろりと眼光を放ちます。「なかに入れろと言うのか? 厚かましい連中だな。家を見るだけじゃなかったのか」
「家の外側だけ見てどうしろっていうんですか……」黒髪の男が控えめにかぶりを振ります。「そんなに手間はおかけしませんから。ほんのちょっと、見せてもらうだけでいいんです」
「ちょっとって、どのくらいだね」
 山のように盛り上がった胸板を全面に押し出して、博士が二歩ほど黒髪の男に迫ります。男はたまらず後ずさりし、ブーツの底がざりざりと音を立てます。
「もう。少しくらいかまわないじゃない、おじいちゃん」パティが祖父の腕をつかんで苦笑します。そして男たちに向かって言います。「ごめんなさい。わたしが一緒だと、男の人に対していつもこうなんです」
「それはそれは……パティさんも、なにかと大変ですねぇ」バンダナの男が一歩下がって薄く笑います。
「あ?」博士が首をもたげます。
 そこへ白髪の男がしびれを切らしたようにずいと割って入って、パティに会釈をしました。
「すみませんね、お嬢さん。どこに賊が潜んでいるかわからないものですから、我々も簡単に済ませるわけにはいかんのです。なに、すぐ終わりますから」
 男たちは祖父と孫娘に案内され、家のなかをくまなく見てまわりました。
 まず、玄関から入ってすぐの居間と、その奥の博士の書斎。
 居間のテーブルにはラジオや文具類、それに雑多なメモ紙やお菓子などが散乱しています。博士の書斎は壁を覆う本棚や収納棚に囲まれて、色濃い影に沈んでいます。家具や品物に無断で手を触れたりはしませんが、男たちは目に映るすべてのものを穿(うが)つように仔細に観察していきます。ですが、とくに変わったものは見あたりません。人間が何人も隠れられるような場所も、どこにもありません。
 続いて廊下と、その脇の洗面室内をさっと点検し、食堂へ移ります。
 食卓には調味料の入った瓶がいくつか、それに果物やパンの入った籠などが置かれています。調理場に置かれた大きな鍋のなかには、貝と根菜のスープがたっぷりと入っています。黒髪の男がくんくんと鼻を動かし、ガラス蓋を通してその中身をのぞきます。鍋肌がまだ温かいことを手のひらを近づけて確認すると、途端に両目を細め、振り返って住人たちにたずねます。
「たった二人でこんなに召し上がるんで?」
「見てくださいよ、この体」パティが祖父のお腹を遠慮のない仕草でぽんぽんと叩きます。「一日十食にしたって、きっとぺろりと食べちゃうんだから」
「想像つきます」バンダナの男がにやりと笑います。
「あ?」
 博士が凄みを利かせますが、その時にはすでに若者は白髪の男の背後に隠れていました。
 その白髪の男は、テーブルの片隅に置かれた小さな箱をさっきからじっと睨んでいます。箱は樹皮をなめした紐で編まれたもので、その編み目のあいだに空いた無数の微小な穴の奥に、皿の白さが点々とかいま見えています。
 先程からずっと、博士は白髪の男の目線に勘づいていました。そして胸の内で、なかなかよく気がつく男だな、と感心してさえいました。
「これは?」白髪の男は博士が想定したとおりの質問を口にします。
「ああ、そいつはアトマ族用の食器を収める箱だ」
「アトマ族と同居してらっしゃるので?」黒髪の男がたずねます。
「何年前になるかな。孤児を何人か引き取ってね。以来、一緒に暮らしてる」
「今どこに?」箱のなかの皿の数を目で勘定しながら、白髪の男がたずねます。
「さてね。日中はいつも外で遊んでいるよ。だいたい暗くなってお腹がすくまでは帰ってこない。なにしろ自由気ままな子どもたちだからね」
 ひとまず了解した男たちは、今度は勝手口から家の裏手に回り、畑やそのまわりの果樹や藪の陰、さらには畑仕事の道具を収める納屋の内部までも調べ尽くすと、最後に寝室へ向かいました。
「うわ~広いなぁ」バンダナの男が率直な羨望の声をもらします。
 一方でまったく気をゆるめずにいる白髪の男は、なおもぎらぎらと目を光らせたまま、その部屋にあるものを一つ残らず舐めるように検分していきます。
 出入口のドアのすぐそばに、クッションと毛布が載せてある小ぶりのソファ。
 中央の壁に沿うように配置された、連結型の大きなソファベッド。そして、その上に数人ぶん並べられたアトマ族用の小さな寝床。
 裏庭に面した窓際には持ち主の巨体に相応しい広大なベッドがどんと据えられ、その枕もとには難解そうな研究書が数冊積んであります。
 そしてテラスに接する大きな窓の前には――
「なんでハンモックが二つもあるんです?」黒髪の男がたずねます。
「夜はベッドで眠るが、昼はよくハンモックで昼寝する」博士がつまらなそうにこたえます。「二つあるのは、パティのために最近一つ追加したからだ」
「こりゃ羨ましい。見てたら欲しくなってきた。帰ったらおれも買おうかなぁ。狭っ苦しい下宿の部屋にぴったりだ」バンダナの男が親しげな笑顔をパティに向けます。「寝心地もわるくなさそうだし。ね?」
 全身に浮き上がった鳥肌に耐えながら、パティは微笑を返します。
 再び居間に戻り、いよいよ手持ち無沙汰になった男たちに向かって、ベーム博士が声をかけます。
「気が済んだかね」
「ええ、まぁ」黒髪の男が浅くうなずきます。「人間が二人にしちゃあ、やけに物が多すぎるのが気になると言えば気になりますけど、とくに変わったところは……」
「ないっすね」バンダナの若者が続きます。
 しかし白髪の男は、まだなにやら納得のいかない様子で、テーブルの上に散らばっている品物をじろじろと眺めています。
 その眼球の動きを無意識的に追っていたバンダナの男が、視線の先になにか気になるものでも見つけたのか、すんと鼻を鳴らしました。
「どうした」白髪の男がたずねます。
「この新聞って」ページを開かれたままぐしゃっと二つ折りにされていた新聞を、若者が手に取ります。「おれもたまに買ってるやつだ」
「今朝の新聞……じゃないな。いつのだ?」黒髪の男が眉をひそめます。
 とっさに白髪の男が体を寄せ、若者の手から新聞を奪い取って広げます。そして上目遣いに博士の顔色をうかがいます。
「なんだよ。古新聞ぐらいあったっていいだろう。たまにしか町へは出ないんだ」博士が肩をすくめます。「それともきみたち、こんな場所まで毎朝新聞を届けてくれる奇特な業者でも知ってるのかね。もしそうなら、ぜひ紹介してほしいものだ」
 男たちは首を振り、拍子抜けしてあっさりと新聞から関心を引き下げました。
「……あれ」しかしその直後、バンダナの若者が再び手を伸ばします。「そういやこの号って、月に一度の懸賞が載ってる日のやつじゃなかったっけ」
 他の二人の男、そしてベーム博士とパティも、ぽかんとした表情を浮かべます。
「おれ、試験勉強が忙しくて買いに行く暇がなかったんです。けっこうな賞金が出るから、挑戦したかったんだけどな」言いながら若者はぱらぱらと紙面をめくり、懸賞の問題が記載されたページを探します。
「挑戦って、なんだ」白髪の男が若者に訊きます。
「クロスワードパズルですよ」若者が説明します。「この新聞社が作るやつ、毎回めちゃくちゃ気合い入ってるんすよ。やったことないです?」
「ないな」
 博士とパティは、背中に冷たい汗が滲むのを感じます。
「うわぁ!」バンダナの若者が嘆息します。「すげぇ。さすがベーム博士のお孫さんだ。見事にぜんぶ埋めちまったんですね」
「えっ?」パティはぎくりと肩を震わせます。
 たしかに、その紙面ぜんたいを覆う迷路のように複雑に入り組んだ無数の空欄は、そのすべての空白に赤い鉛筆でびっしりと文字が書き込まれてあります。その繊細な筆跡は、一目で女性の手によって書かれたものだと推察されるものです。
「賢いお嬢さんですねぇ」バンダナの若者は博士を見あげます。
「ああ、そうだとも」博士も得意げに応じます。
「そんな。おじいちゃんに手伝ってもらっただけですよ」
 愛想笑いを浮かべながら、ノエリィは普段よりいくぶんぼんやりとした裸眼の目で、開かれた紙面をちらちらと見やります。そしてそれを実際に解いた人物――今頃はグリューやミシスと一緒に飛空船レジュイサンスのなかに身を潜めているはずのマノン――のことを、密かに思っていました。
 この時、家の屋根の上で耳をそばだてていたプルーデンスは、かたわらにおとなしく身を寄せあっている五つ子たちを抱きしめながら、一人静かに覚悟を定めつつありました。
「えっと、それで今月の解答は……」バンダナの若者が所定の升目(ますめ)に記された文字を拾い集めます。「……あ~、なるほどね。なかなか時宜(じぎ)を得た答えだな。ね、パティさん」
「ええ」パティはにこやかにうなずき、胸の奥でどきりと跳ねる心臓を息を止めて押し込めます。
「つ、き、の、せ、か、い、と、わ、た、り、ど、り」若者は声に出して読み上げます。
 ベーム博士は体を動かすことなく、首だけをわずかに伸ばして若者の手のなかの紙面を見おろします。この時ほど、博士はみずからが持って生まれた長身を祝福したことはありませんでした。たしかにそのパズル問題の解答は、今しがた若者が口にしたとおりの言葉でした。もう少し背が低くて目が届かなかったら、それがはったりの罠かどうかさえ、たしかめようがなかったところです。
 すかさず博士は肘の先を軽くパティの肩に触れ、その触れかただけで、万事問題ないことを伝えました。
 それをはっきりと受け取った少女は、確信と共に小さくうなずきます。
「なんだよそれ」白髪の男が唸ります。「つきの……って、なんのことだ?」
「知らないすか? 『月の世界と渡り鳥』。最近話題になった小説の題名ですよ」
「そんなの知るか」
「今日じゅうに応募したら、ぎりで締切に間に合うな……。あの、これ、貰っていっちゃだめですか?」懸賞の応募要項を食い入るように見つめながら、若者が博士と少女にたずねます。
 博士は孫娘の顔をのぞき込み、孫娘は人の善さそうな笑みを浮かべます。
「かまいません。どうぞお持ちになってください」
「やった! ありがとう」
 こうして三人の男たちは、一紙の古新聞というささやかな収穫だけを携えて、帰途に就くことになりました。
 玄関先まで、博士とパティが見送りに出ます。昼のまばゆい陽光が、庭じゅうにひたひたと注がれています。あたり一帯、いつもと変わらぬ静けさとそよ風と草樹の芳香に包まれています。
「ご迷惑をおかけしました」黒髪の男が頭を下げます。
「まったくだ」博士が憮然とこたえます。
 一仕事終えて肩の荷が降りたのか、バンダナの男は晴ればれしい表情を浮かべて、丸めた新聞を尻のポケットに突っ込みました。白髪の坊主頭の男は、まだなにか気にかかることでもあるのか、若者の尻から突き出ている古新聞をまじまじと品定めしています。あたかもそこに、なにか決定的な見落としがあるのではないかと懐疑するように。
「それでは、我々は失礼します」黒髪の男が言います。「あの、最後に一つ。お二人は、〈緑のフーガ〉にご興味は……」
「ない」博士が断言します。「な、パティ」
「う、うん」
「残念です」やっぱりな、という具合に男は苦笑します。
「私たちは昼食の支度をしなけりゃならん。とっととお帰り」博士が浜の方角へ向けて顎をしゃくります。
 男たちは居心地わるそうに首をすくめ、最後の会釈を二人に送ると、のろのろとした足取りで砂浜へ向かって歩きだしました。
 去り際、黒髪の男が白髪の男に耳打ちします。
「なぁ、森のなかは……」
「仮に潜んでいたとしても、この人数でこの広さじゃ日が暮れる。ここはもういい。退()こう」白髪の男がため息をつきます。
 しかしその直後、ふいにバンダナの若者の足が止まりました。
 少し先を歩いていた二人の仲間がそれに気づいて、同時に振り返ります。
「どうした」黒髪の男が声をかけます。
「忘れものか」白髪の男が舌打ちします。
 にこにこと笑顔を振りまきながら、若者は再び小走りで博士とパティのもとへ駆け寄りました。
「あの。おれも最後に一つ、いいですか?」
「なんだね」
 ベーム博士が心底うんざりしたように言ってあくびをした、その瞬間でした。
 若者は飛びかかるように両手を伸ばすと、パティの体を捕らえて羽交い締めにしました。そして少女が悲鳴を上げるより先に、腰から抜いたナイフの刃を、そのか(ぼそ)い柔肌の首に近づけました。
「貴様……」博士が拳を握ります。
「動くな!!
 怒りに震える巨体は、すぐにぴたりと動きを封じられます。
「おれを怒らせるなよ」若者はぶるぶると震える唇の隙間から声を押し出します。
 その腕のなかに捕らえられているパティは、驚きと、恐怖と、迫る刃に圧倒され、言葉を失ってすくみ上がっています。
「なめやがって。なにが孫娘だ」勝ち誇ったように若者が吐き捨てます。
 駆け戻ってきた二人の男が、突発的に持ち上がったわけのわからない事態に目を丸くします。
「お、おい! おまえ、いったいなにを……!」拳銃に手をかけながら、黒髪の男が若者を怒鳴りつけます。
「お目にかかれて光栄です。ドノヴァン・ベーム博士」若者はじっとりと相手を()めつけます。「自分は、パズールの大学で顕導力学を専攻しております」
 ベーム博士は奥歯を砕くほどに強く噛みしめ、猛烈に自身の油断と悪運を呪いました。
「あんたの書いた本、いくつも読んだよ。それに、あんたの現役時代の動向だって、おれの同学の連中はみんな知ってる。少なくともおれの知るかぎり、学会追放時のあんたに子供は、家族はいなかったはずだ。そんな歳の孫娘がいるなんて、どうやっても計算に合わない」
「なんだと!?」白髪の男が両目をかっと見開き、すぐさま拳銃を抜きました。
 黒髪の男も瞬時に敵意を露わにして、銃口を博士の胸部に向けます。
「だからさ。おれからの最後の質問は、こうだ」バンダナの男がパティの耳もとでささやきました。「お嬢さん。

?」
 ごくりと上下に動かされたノエリィの首の表面に、冷たい刃が一瞬ぺたりと触れました。
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登場人物紹介

◆ミシス・エーレンガート


≫主人公。エーレンガート家に家族の一員として迎え入れられ幸福な日々を過ごしていたが、思わぬ形でコランダム独立の騒乱に巻き込まれ、ノエリィと共に丘の家から旅立つことになった。

◆ノエリィ・エーレンガート


≫ミシスの親友であり家族でもある心優しい少女。望まぬ形で軍に連行されるミシスを独りにさせまいと、ほとんど押しかけるようにして〈特務小隊〉の一員となる。

◆マノン・ディーダラス


≫本職は科学者であり発明家だが、カセドラ〈リディア〉を守護するため急造された部隊〈特務小隊〉の隊長を務めることになった。同隊が移動式拠点として利用する飛空船〈レジュイサンス〉も、彼女の発明の賜物。

◆グリュー・ケアリ


≫マノンの腹心の助手。彼女に付き従い、ホルンフェルス王国軍極秘部隊〈特務小隊〉に所属する。飛空船での暮らしにおいては、もっぱら料理係と操縦士の役割を務めている。

◆レスコーリア


≫マノンたちに同行するがまま、〈特務小隊〉に加わることになったアトマ族の少女。相変わらず自分流に気ままな日々を過ごしながらも、密かに隊の皆を見守っている。

◆クラリッサ・シュナーベル


≫世界最強の顕術士一族として知られるシュナーベル家の長女。優れた顕術士ばかりで構成される王国騎士団〈浄き掌〉の副団長を務める。グリューとは許婚どうしで、マノンやレスコーリアとも旧知の仲。

◆ゼーバルト・クラナッハ


≫新生コランダム軍を率いる将軍。統一王権からの離脱と祖国独立の宣言を発し、全世界に対し戦後最大級の衝撃を与えた。

◆ライカ・キャラウェイ


≫新生コランダム軍に所属する軍人。エーレンガートの丘での失態の後、妹のレンカと共に小部隊を率いてミシス一行を追撃する。

◆レンカ・キャラウェイ


≫エーレンガートの丘で勃発したカセドラどうしの戦闘によって重傷を負い、その後しばらくのあいだ治療に専念していた。

◆ヤッシャ・レーヴェンイェルム


≫国王トーメ・ホルンフェルスの名代として、マノン一行に〈特務小隊〉としての任務を与えた。以後さまざまな手段を用いて、先の見えない困難な日々を送る同小隊を遠く王都より支援する。

◆ハスキル・エーレンガート


≫愛する娘たちと離ればなれになり、我が子同然の学院校舎が損傷してもなお、決して希望を失うことなく毎日を前向きに生きている。

◆ピレシュ・ペパーズ


≫幼少時より人知れず抱えていたカセドラ恐怖症の劇的な発作により、長期に渡って入院生活を送っていた。恩師ハスキルに護られながら、徐々に回復へと向かう。

◆ドノヴァン・ベーム


≫十年ほど前に王都から忽然と姿を消した、伝説的な大科学者。レーヴェンイェルム将軍の幼馴染みにして、マノンの恩師。現在の彼の動向を知る者は極めて少ない。

◆プルーデンス


≫ベーム博士と共に暮らすアトマ族の少女。博士とおなじくアルバンベルク王国の出身。幼い頃から過酷な環境を生き抜いてきたためか、非常に気立てと面倒見が良い。

◆〈リディア〉


≫ホルンフェルス王国軍が極秘裏に開発していた最新型のカセドラ。本来ならカセドラが備えるはずのない、ある極めて特異な能力をその身に宿している。操縦者はミシス・エーレンガート。

◆〈フィデリオ〉


≫コランダム軍が新たに開発した特専型カセドラ。操縦者はライカ・キャラウェイ。

◆〈コリオラン〉


≫フィデリオと同一の鋳型を基に建造された姉妹機だったが、リディアとの交戦の末に大破した。かつての操縦者はレンカ・キャラウェイ。

◆〈□□□□□〉


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