42 世界の行く末

文字数 6,957文字

 とくに何事もなく穏やかな日々が、それから二十日間ほど続きました。
 そのあいだにも王都との交信は数日おきにおこなわれましたが、双方これといって報告すべき案件もありませんでした。レーヴェンイェルム将軍からは依然として動乱の嵐の吹きすさぶ王都の現状と、急激に活動の規模を広げる〈緑のフーガ〉の状況報告が主で、特務小隊の方からは全員健在であること、機密管理に不備はないこと、そしてミシスの顕術訓練が首尾よく進んでいることなどといった、毎回ほぼ代わり映えのしない情報が交換されるだけでした。
 二十日のうちのちょうど中日(なかび)あたりに、ベーム博士一家が月に一、二度の頻度で赴くのが慣例になっているパズールの町への買い出しに、今回は博士とプルーデンスが二人でボートに乗って出かけていきました。
 積載許容量ぎりぎりまで積み込まれた食料品や生活雑貨などと共に博士たちが島へ戻ったのは、夕刻の少し前でした。
 山のような荷物をみんなで手分けして運び、からっぽにしたボートを何事もなかったかのように浜辺に係留した直後、島の近海を王国軍の監視船が通過していきました。間一髪、平時の倍以上の量の積荷を目撃されずに済んで、一同はほっと胸を撫で下ろしました。
 過酷な荒野で隠れ暮らしたかつての日々の辛苦を忘れてしまうほど、特務小隊の一行は博士の島でのびやかな日常を過ごしました。
 とはいえ、誰しもすっかり気をゆるめてしまったわけでは、もちろんありませんでした。
 鉱晶ラジオを通じて各地から伝えられる世界の実情は、日を重ねるごとにますます混乱と不安を膨らませ続けていました。〈緑のフーガ〉と王国政府に連なる組織や軍隊とのあいだの穏やかざるいざこざも、目に見えて頻発するようになっていました。
 絶海の孤島に身を寄せあう一行は、そういったさまざまな外界の情報を全員で共有し、毎晩のように今後の世界の行く末を占う話し合いの席を設けました。それはしばしば夜半過ぎ、あるいは明け方近くにまで及ぶこともありました。


 そして、ノエリィとベーム博士の誕生会から二十一日めの朝がやって来ました。
 その日は朝早くから、島を含むこのあたりの海域の上空は、めずらしく厚ぼったい灰色の雲に覆われていました。空気は残暑の香りの濃厚なこの時期にしてはいやにひんやりとしていて、夜明け頃から吹きはじめた北寄りの潮風も、時が経つにつれて無礼なほどに刺々(とげとげ)しい性格を帯びてきました。
 いつも開け放っている食堂の窓は、この日は半分以上閉められていました。朝食のテーブルを囲む一同は、恒例の食前の祈りを唱え終えて、食事を始めたところでした。
 燭台やランプに明かりを灯すほどではありませんが、普段は燦々と朝陽の射し込む食堂には、今はどこか物憂い薄闇が立ち込めています。
「これは、一日くらいじゃ()みそうにないな」コーヒーカップを手にしたベーム博士が、眠そうな目で窓の向こうの空を見やりました。
「そうねぇ」五人の子どもたちにスープを配りながら、プルーデンスがため息をつきます。「洗濯物、明日までに乾くかしら」
「もう降りだしてるんですか?」ミシスが体をひねって前庭を眺めます。
 彼女とおなじ動きをしたノエリィが、眼鏡の中心をくいと押し上げます。「ううん。まだみたい」
「じき降りはじめるでしょうね」クラリッサがあくびをして、左右に分けた髪の束を撫でます。「髪がやけにまとまるもの」
 その横でトーストに苺のジャムを塗りながら、グリューが彼女の青い髪をなにげなく眺めます。それから真向いに座っているマノンの、寝癖だらけの赤い髪をちらりと一瞥します。いつもまっすぐさらさらとしている彼女の髪も、今は若干うねっているように見えます。
 マノンは口にクロワッサンをくわえたまま、片手に丸めて持った新聞をじっと見ています。
「それ、たしか十日前の新聞じゃないですか」青年がたずねます。
「うん。でも別に読んでるわけじゃないよ。さっきたまたま、これを見つけてさ」
 そう言ってマノンが広げて見せたのは、単語を書き入れる空白の欄が複雑に幾筋も絡みあっている、クロスワードパズルのページでした。見開きの全面に張り巡らされたパズルは尋常ではなく緻密で広大で、まだ一つの文字も書き込まれていません。
「これ、書き入れちゃってもいいですか?」マノンがベーム博士にたずねます。
「好きにしてかまわないよ」博士がうなずきます。
「はっくしょん!」
 前髪を右側で分けている男の子アルが、卓上の席で盛大なくしゃみをしました。
 おかっぱ頭の女の子ルビンが、さっと身をかがめて自分の皿を守ります。そして無言でアルの顔をじろりと見あげます。
「また鼻出てる」
「……ごめん」ぐしぐしと鼻を擦りながら少年は詫びます。
「アルは、鼻がよわい」そのかたわらに腰かけている男の子テルが、なぜだかミシスとノエリィの方を向いて解説するように言います。
 説明を受けた二人は、苦笑してうなずきます。
「えっと、鉛筆は……」
 マノンがきょろきょろと周囲を見まわして、廊下の先の居間のテーブルに散らばっている筆記具に目を留め、さっと腰を上げます。
 ちょうどその瞬間、彼女が常時携帯している鉱晶伝話器が、彼女のマグカップの横でりんりんと鳴りだしました。
 一同は途端に身をこわばらせ、その小さな機器に視線を集中させます。
 すぐに再び着席し、マノンが応答します。相手が誰かは明白なので、いちいち皆に断る必要もありません。
「はい、マノンです」
「私だ」レーヴェンイェルム将軍が言いました。
「定期連絡は昨日おこなったばかりじゃないですか。なにかあったのですか」マノンが眉をひそめます。
「予測されていた事態の一つが実現するようだ。きみたちも耳に入れておきなさい。これについては、また後日話そう」
「え、なんですって?」
「ラジオをつけたまえ」
 将軍はそれだけ言うとすぐさま通信を切断してしまいました。
 やや頬を引きつらせて、マノンがベーム博士に伝えます。「ラジオをつけろと……」
 博士は瞬時に椅子を引いて立ち上がり、大股で居間へ向かうとその奥の書斎から手製の鉱晶ラジオを抱えてきました。よく育ったカボチャのような形をしたその機器を、博士は居間のソファに囲まれたテーブルの真ん中にどんと置きます。その弾みで、鉛筆や飴玉がいくつか、テーブルの外へこぼれ落ちます。
 すでに他の面々も食堂を離れてそこに集まっていました。五つ子たちだけは、プルーデンスの言いつけに従って食卓の上におとなしく座ったままでいます。
 博士が慣れた手つきで機器のつまみを回し、一発でビスマス中央放送局の周波数に番号を合わせました。
 最初にざざっという雑音が駆け抜けた後、次第に明瞭な人声(ひとごえ)が聴こえてきます。それは特務小隊がこのビスマス地方に潜伏を始めてから毎朝耳にしてきた、陽気で歯切れのよい中年男性の声でした。
「こちらはビスマスの主都パズールにあります中央放送局。お相手いたしますのは、毎度お馴染みの私、ロジャー・ロンソンです。さて、いつもならここで軽口の一つや二つ叩くところですが、今朝はそうも言っていられません」
 ソファの肘掛けに腰をおろしたミシスの肩に、ノエリィがぴたりとその身を寄せました。ミシスはそれにこたえ、彼女の手をそっと握りしめます。二カ月ほど前、エーレンガート家の居間で、コランダム軍の臨時放送を聴いた時とおなじように。
「この出来事を、あたかも緊急事態のような扱いでお伝えすべきなのかどうか、当局内部でも若干の議論が交わされました。ですがやはり今後の世界情勢に及ぼしうる影響の大きさを(おもんぱか)って、このように番組の予定内容を大幅に変更してお伝えさせていただくことになりました」
 ラジオの真上に浮かんでいたプルーデンスがふとなにかに勘づき、窓の外へ目を向けます。ちょうど天上から落下した最初の一滴が、庭先に降り立ったところでした。
 ほどなくして、ひっそりとした単調な雨音と、夏の草木が放つむっとするような強い芳香が、家のなかへじわじわと沁み込んできました。
 ベーム博士はソファに腰かけたまま大きく身を乗り出し、ラジオの音量を調節するつまみを限界まで回しました。
「近頃大陸各地で台頭のめざましい、もはや世界規模の活動をおこなう大組織へと成長を遂げた〈緑のフーガ〉が、本日午前八時をもって、正式な協会を発足する運びとなりました」慎重な言葉選びを心掛けつつ、ロンソン氏が述べました。
「……なんだそれ」床に片膝をつく姿勢を取っていたグリューが、怪訝そうに首をかしげました。
 息継ぎの間を挟んで、ロンソン氏の言葉は続きます。
「ご存知ないかたも多いかと思われますが、王国の定める憲法上、協会の発足にあたってはとくに厳しい条件等はなく、言ってしまえば組織を継続的に運営できるだけの人的資源と資金と場所さえあれば、誰にでも可能なことであります。それは団結や結社の権利に関する憲法の項目のなかに、はっきりと明記されています。ただ、単なる趣味的な団体や有志の集いなどとは異なり、あえて協会の名を冠する規模の組織を結成するとなると、それに所属する人々のあいだで共有される目的意識や活動理念の明文化、そしてなにより実際的な活動を維持するための充分な財源が必要とされます」
 グリューの頭上であぐらをかいているレスコーリアが、退屈そうにこそこそと耳の裏を掻きます。
「一般的に、こうした協会組織は、民間の財団や企業の財力、あるいは各種営業活動による収入や政府からの補助金等をその活動の支えとするのが常となっていますが、しかしこの〈緑のフーガ〉に至っては、そういった慣例的な資金供給源を持つことなく、あくまでこれまでどおりに賛同者たちによる自発的な資金提供を基盤とし、さらには例によって組織内部での権威の序列も排したまま、今後も運営されていくものだと伝えられています。これは……率直に申しまして、いまだかつて前例のない、極めて特殊な協会組織の形態だと言えるでしょう」
 いつになく硬いロンソン氏の語り口に耳を傾けながら、ラジオを囲む一同は揃って砂を噛むような表情を浮かべます。
「協会となることで、果たして彼らの活動は、どのように変化していくのでしょうか」ラジオの前にいる幾多の人々の疑念にこたえるように、氏の言葉は続きます。「まず、それまで公の場に散発的に集まっていた彼らが、協会運営の通例に則った結果、世界各地に正式な支部を持つようになるでしょう。そうなると当然、各都市間における同協会の連帯や連携はより秩序立った綿密なものとなり、会員たちの活動もよりいっそう組織化された、整然としたものに発展していくことが予測されます。そして……それに加えて、次の点が、今回の件の最大の議論の的になると目されているのですが……」
 そこではっとベーム博士が頭をもたげ、眼鏡のレンズの奥で不穏な眼光を放ちました。
 マノンは組んでいた腕をほどき、隣に座る博士の横顔をのぞき込みます。
「そうか……」博士が小さくつぶやき、じわりと頬を紅潮させました。
「団結権について制定された憲法29条13項には、こう書かれています」ロンソン氏の手もとで、なにかの書類がかさかさと音を立てます。「『……協会として正式に認可され登録された組織は、その会長あるいは指導者の責任の下で、組織を構成する会員とその家族等の安全を、みずからの手で警護する義務が発生する。この場合認められるのは基本的に第四種武装等級であるが、組織の規模や直面する危機的状況の度合いに応じ、また正当な審査を経た後、第三種以上の武装等級の装備・運用も認められる権利を有する。』」
 マノンとグリュー、それにクラリッサの三人が、同時に重い嘆息を吐きました。
 ずっと顔をしかめていたノエリィが、そのままの表情でつぶやきます。
「……それってつまり、きちんとした協会になったら、自警を理由にして堂々と武器を持てるようになる……ってことですよね」
 奇妙な喉の渇きを感じながら、ミシスが続きます。
「でも、権力を持つ人が責任を負ってこそ武装が許されるって、今の話にあったよね。それなら、この場合はどうなるんだろう。だって、権力の上下を作るつもりはないって、あの人たちは言ってるのに……」
 グリューが肩をすくめます。「そんなのは協会に所属する誰かの名前を書いて登録しさえすれば、それで法規上は解決する話だ。そしてその誰かが、本物の権力や決定権を持つ必要はない。たとえ書類上では上に立つ人間が誕生したって、そんなのはただの紙屑だっていう認識を全体で共有すれば、組織内の思想やら活動方針やらに矛盾が生じることはないんじゃないか。要はただ適当に、傀儡(かいらい)の上司を据えときゃいいわけだ」
 ぐらりと赤髪のこうべを垂れて、マノンが床の一点を睨みつけます。「法の穴と呼ぶにはあまりにも大きすぎる穴だ。連中が突いて当然の抜け道だ。盲点とさえ呼べない」
「これほどの規模で急成長する、これほど前例のない性質の政治的集団が現れるなんて、13年前の法律家たちは想像すらしてなかったでしょうね」ソファの脇に立つクラリッサが、呆れたように天井を仰ぎます。
「戦争に勝って世界を統一して、よっぽどいい気になってたんだろうな」グリューが吐き捨てるように唸りました。
 お尻の下が熱を帯びて居心地がわるくなったのか、レスコーリアがぷいと宙に飛び上がりました。
「いったい、世界はこれからどうなっていくのでしょうか」ため息を呑み込んだ低い声で、ロンソン氏が述べました。「いずれにしても、我々報道に携わる人間は、今後も責任をもって正確な情報をみなさまにお届けしていく所存です。……さて。それではここからは、平常どおり軽口を交えつつ、町の最新の出来事を中心にお伝え――」
 ベーム博士が手を伸ばし、ラジオを停止させました。
 ふいに訪れた静けさの輪郭をなぞるように、雨の調べが粛々と屋内へ流れ込んできます。
「……第四種とか第三種とかって、なんのことですか?」ノエリィが顔を上げ、思わず目が合ったクラリッサにたずねました。
「ざっくり言えば、第四種武装等級はいわゆる拳銃とか刀剣とか。第三種は、それよりもっと大掛かりな、大砲とか機関銃とか、ある程度の規模までの武装車両とかね」
 ミシスとノエリィは共に目を伏せ、やはり共に肩を落としました。
「まったく、どう――」
 マノンがかぶりを振り、なにか言いかけたその時でした。
 食堂の方から、妙な物音が聴こえました。どこかで一度は耳にしたことがあるような、ないような、例えるなら水気の多い果実が無理に潰された時に発するような、そこはかとなく不快な響きでした。
 プルーデンスとベーム博士はとっさに顔を見あわせ、すぐに食堂へ向かいます。博士より先にその場に到着したプルーデンスが、直後、短く鋭い悲鳴を上げました。
 居間で沈んでいた一同はぎくりと背筋を伸ばし、すぐさま食堂へ駆け込みます。
 食べかけの朝食が並ぶ食卓の片隅で、おとなしく食事を続けているように言付(ことづ)けられていたアトマ族の子どもたちが、互いの体を重ねあうようにしてうずくまっています。
 その中心には、前のめりに突っ伏して倒れ込んでいるアルの姿があります。
 白目をむいて全身を痙攣させながら、少年はぜえぜえと激しい呼吸をくり返しています。その口もとには嘔吐した跡があり、吐き出されたものがそこらじゅうに散乱しています。
「アル!?
 口々に喚き立てる他の子どもたちを掻き分けて、プルーデンスが少年の小さな体を抱き起こしました。首をもたげた拍子にアルは再び勢いよく嘔吐し、それが彼を抱きかかえる腕や膝に降りかかります。
「なにが、なにがあったの!?」プルーデンスが叫びます。
 長髪の女の子タインが、べそをかいて唇を震わせます。「いきなり吐いて、倒れちゃったの……」
「いきなり?」プルーデンスは今まさに意識を失った幼子の顔を見おろします。そして口のまわりについていた吐瀉物(としゃぶつ)を拭ってやりながら、じわりと両目を見開きます。「あ……熱い!」
「どれ」ベーム博士がその場に顔を寄せて、そっと小指の先をアルの額にあてがいます。「……いかん。すぐに冷やさなくては」
「アトマ用の氷嚢(ひょうのう)が、そこの棚のいちばん上の段にあるわ」食堂の隅の棚を指差して、プルーデンスが声を張り上げます。
 一目散にミシスが駆けだし、思いきり戸棚を引き開けてそれらしき物を見つけ出しました。その時にはもう、クラリッサがたらいに冷水を張り、ノエリィが清潔なタオルを用意していました。
「この高熱は、まさか……」手のひらを少年の額に載せて、プルーデンスがこわごわと博士の顔を見あげました。
 博士はやるせなさげに首を振りました。
「気づいてやれなくてわるいことをした。この子はいつも鼻をぐずぐずさせてるから、今日もそれだと思っていた。しかしこの発熱は、今とつぜん始まったものじゃない。おそらくは昨晩あたりから、発症しはじめていたんだ」
「発症、って……」ノエリィがタオルを絞る手を一瞬止めて、表情を曇らせます。
「この症状は、〈羽化熱(うかねつ)〉でまちがいないだろう」博士が厳しい声で告げました。
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登場人物紹介

◆ミシス・エーレンガート


≫主人公。エーレンガート家に家族の一員として迎え入れられ幸福な日々を過ごしていたが、思わぬ形でコランダム独立の騒乱に巻き込まれ、ノエリィと共に丘の家から旅立つことになった。

◆ノエリィ・エーレンガート


≫ミシスの親友であり家族でもある心優しい少女。望まぬ形で軍に連行されるミシスを独りにさせまいと、ほとんど押しかけるようにして〈特務小隊〉の一員となる。

◆マノン・ディーダラス


≫本職は科学者であり発明家だが、カセドラ〈リディア〉を守護するため急造された部隊〈特務小隊〉の隊長を務めることになった。同隊が移動式拠点として利用する飛空船〈レジュイサンス〉も、彼女の発明の賜物。

◆グリュー・ケアリ


≫マノンの腹心の助手。彼女に付き従い、ホルンフェルス王国軍極秘部隊〈特務小隊〉に所属する。飛空船での暮らしにおいては、もっぱら料理係と操縦士の役割を務めている。

◆レスコーリア


≫マノンたちに同行するがまま、〈特務小隊〉に加わることになったアトマ族の少女。相変わらず自分流に気ままな日々を過ごしながらも、密かに隊の皆を見守っている。

◆クラリッサ・シュナーベル


≫世界最強の顕術士一族として知られるシュナーベル家の長女。優れた顕術士ばかりで構成される王国騎士団〈浄き掌〉の副団長を務める。グリューとは許婚どうしで、マノンやレスコーリアとも旧知の仲。

◆ゼーバルト・クラナッハ


≫新生コランダム軍を率いる将軍。統一王国からの離脱と祖国独立の宣言を発し、全世界に対し戦後最大級の衝撃を与えた。

◆ライカ・キャラウェイ


≫新生コランダム軍に所属する軍人。エーレンガートの丘での失態の後、妹のレンカと共に小部隊を率いてミシス一行を追撃する。

◆レンカ・キャラウェイ


≫エーレンガートの丘で勃発したカセドラどうしの戦闘によって重傷を負い、その後しばらくのあいだ治療に専念していた。

◆ヤッシャ・レーヴェンイェルム


≫国王トーメ・ホルンフェルスの名代として、マノン一行に〈特務小隊〉としての任務を与えた。以後さまざまな手段を用いて、先の見えない困難な日々を送る同小隊を遠く王都より支援する。

◆ハスキル・エーレンガート


≫愛する娘たちと離ればなれになり、我が子同然の学院校舎が損傷してもなお、決して希望を失うことなく毎日を前向きに生きている。

◆ピレシュ・ペパーズ


≫幼少時より人知れず抱えていたカセドラ恐怖症の劇的な発作により、長期に渡って入院生活を送っていた。恩師ハスキルに護られながら、徐々に回復へと向かう。

◆ドノヴァン・ベーム


≫十年ほど前に王都から忽然と姿を消した、伝説的な大科学者。レーヴェンイェルム将軍の幼馴染みにして、マノンの恩師。現在の彼の動向を知る者は極めて少ない。

◆プルーデンス


≫ベーム博士と共に暮らすアトマ族の少女。博士とおなじくアルバンベルク王国の出身。幼い頃から過酷な環境を生き抜いてきたためか、非常に気立てと面倒見が良い。

◆〈リディア〉


≫ホルンフェルス王国軍が極秘裏に開発していた最新型のカセドラ。本来ならカセドラが備えるはずのない、ある極めて特異な能力をその身に宿している。操縦者はミシス・エーレンガート。

◆〈フィデリオ〉


≫コランダム軍が新たに開発した特専型カセドラ。操縦者はライカ・キャラウェイ。

◆〈コリオラン〉


≫フィデリオと同一の鋳型を基に建造された姉妹機だったが、リディアとの交戦の末に大破した。かつての操縦者はレンカ・キャラウェイ。

◆〈□□□□□〉


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