20 未来の世界が待ち望む希望の光

文字数 6,434文字

 十年前の春のある日、稀代の新鋭科学者マノン・ディーダラスの姿は、王都ヨアネスの一画に立つ科学アカデミーの講堂にありました。
 時刻はわずかに正午を過ぎたあたり。今しがた、朝から開催されていた学術発表会の午前の部が終わったところです。
 大陸じゅうから集まった研究者たちがわらわらと食堂へ移動していくなか、少女はただ一人、おとなたちの視線を振り払いながら流れに逆行します。
 真っ赤な長い髪を頭の上で一つに結び、赤紫色のローブを身に着け、背中には本や資料がぎっしり詰まったリュックサックを背負った12歳のマノンは、まるでここでは息ができないとばかりにきつく唇を閉じ、ほとんど走るような速度で講堂の前庭(まえにわ)を横切っていきます。
「おや、ディーダラス様。いったいどちらへ?」
 正門を通過する時、門番の男性が呼びかけてきました。
「ちょっと出かけてきます」マノンはにこりともせずに大声で一言告げて、そのまま外へ飛び出します。
「出かけるって、学会は午後も……」
 うろたえる門番の声を背に、少女はまたたく間に講堂を後にしました。


 大通りに出るとすぐに乗合馬車に飛び乗りました。
 十分もしないうちに、町なかの大きな庭園の前に到着します。馬車を降り、少女はまっすぐにそこへ向かいます。入園門に立つ顔見知りの係員の女性が、少女を無言の笑顔で出迎えてくれます。ぺこりと会釈を返し、少女は門をくぐります。
 休日の市民たちで賑わう噴水広場を寡黙に通りすぎると、少女は奥に建つ巨大な白亜の館へ吸い込まれるように入りました。玄関の脇には大きな看板が立ててあり、この建物が大陸各地から集められた動植物を生育している自然博物館である(むね)が書かれてありますが、すでに百回はここを訪れている少女がその看板に目をくれることはありません。
 雲も風もない穏やかな春の午後ということもあって、入口の分厚いガラスの扉を閉じると、一瞬で外界の喧騒が消失します。代わりに耳に入ってくるのは、館内を自由に飛びまわる小鳥たちの(さえず)り、姿の見えない無数の羽虫たちが風を切る音、そしてあちこちの用水菅を流れる涼やかな水音だけです。
 講堂を出る前から気を張り続けていたマノンは、ここでようやく立ちどまって肩の力を抜きました。むせ返るような自然界の香りのなかで深く息をつき、額に浮いた汗を拭き、水筒の水で喉を潤すと、さっそく最初の目的地へ向かいます。
 それは、彼女の生まれ故郷であるコランダム地方の植物が配された区画でした。
 リュックの肩紐を握りしめ、ほんのりとまどろむような表情を浮かべて、色とりどりの花々や樹々を、一つ一つじっくりと眺めます。
「ハスキル先生、お元気にしてらっしゃるかな……」
 鼻先をかすめて飛来した小さな白い蝶に向かって、少女はたずねました。けれど蝶はなにもこたえてはくれません。静かに柵を越えてふらふらとと、赤く咲き誇るカネリアの花弁の真ん中に、ふわりと吸いつくように着地しました。
 そのささやかな光景のなかに希望のしるしを見出して、マノンは小さく笑みをこぼします。そして再び元気に歩きだして、今度は小動物の飼育区画へと向かいます。
 大陸南方の植物を囲む柵の前まで来ると、おもむろにリュックを降ろして足もとに置きました。そして双眼鏡を取り出し、柵と鼻がくっつくほどの距離まで近づいて、草葉のあいだを練り歩く一匹のカメレオンの姿に焦点を定めます。
 体の向きをあれこれと変えつつ、少女はさまざまな角度から、その風変わりな身体機能を持つ生物を観察します。数秒前まで鮮やかな黄緑色をしていた皮膚は、突如間近に現れた人間を警戒してか、ほんの一瞬で近くに置かれた枯木とそっくりの灰色に変化します。
 マノンは双眼鏡のレンズを柵にぴったりと押しつけて、刻々と色彩を変化させていく小さな体の表面を、穴が空くほど観察しました。
「不思議だな」少女はぽつりとつぶやきました。「神さまは、イーノは、どうしてこんな変てこな生き物を創ったんだろう」
「その謎を紐解くのが、私たちの仕事ではないかね」
 とつぜん頭上から降ってきた声に驚き、双眼鏡を目に当てたまま少女は顔を上げます。
 するとそのレンズ越しに、大きな眼鏡と伸び放題の黒い(ひげ)に覆われた中年男性の顔面が、少女の視界いっぱいに映し出されました。
「わあ!」
 思わず後方へ飛びのき、少女は目を丸くして柵の向こうに立っている大男を見あげました。
「ふぁははは! そんなに驚かんでもよかろう」大男は腰に手を当てて豪快に笑います。
「ベ……ベーム博士……」
 博士と呼ばれた巨漢は、しかしその肩書とは似ても似つかない風貌をしています。身長は優に2エルテムを超え、体は拳闘家も真っ青なほどに筋骨たくましく、軽く結ってあるたっぷりとした黒髪は野生の馬や獅子を彷彿とさせます。皺だらけの白いシャツの上に赤紫色のローブを羽織り、膝のあたりに穴が開きかけている茶色の綿のズボンを穿いています。丸パンのようにずんぐりとして大きな両足は、くたくたに履き潰された革サンダルに突っ込まれています。片手に表紙の破れた手帳と鉛筆を握っている他には、持ち物らしい持ち物は携行していないようです。
 真四角形の大ぶりな眼鏡をぐいと押し上げ、赤みがかった金色の瞳を愉快そうに輝かせながら、彼は柵を回って少女の隣にやって来ました。
「お嬢はなにやってるんだ、こんなところで。今は学会の途中だろうが」
「それはこっちの台詞です!」少女は頬を紅潮させて、遥か上空にそびえる大男の顔を指差します。「僕より、博士の方があそこにいなきゃだめでしょう」
 ベーム博士は頬を顎をごりごりと掻きます。「ううむ。やっぱり、そうかな」
「そうかな、じゃありません。そうに決まってるでしょ」
「そうか。やっぱり、そうなんだなぁ」博士は見るからに上の空な様子でつぶやきます。「しかしだね。私の正直な心が、必ずしもそうではないかもしれないぞと、告げているのだ」
「は?」
「つまり、辛気くさい学者連中の(つら)を眺めながら、論文を読めば十倍の早さで把握できる研究内容を朝から晩までくどくどと聴かされて、この二度とは戻らない美しい春の一日を丸ごと潰してしまうのが、本当に正しい人生の時間の使い道だとは、どうしても思えんということだ」
「は……」
 マノンは口をあんぐりと開けて、大男の浮かべる子供っぽいしたり顔を呆然と眺めます。
「なんだよ、その目は」大男はにやりと笑います。「私のこの気持ち、お嬢ならわかってくれると思ったんだがなぁ」
 その笑顔につられて、マノンは急に胸の内から笑いが込み上げてくるのを感じました。そしてついにこらえきれず、両手で口を押さえて、けたけたと笑いだしてしまいました。
「ふぁははは!」博士が一緒になって笑い、その場で軽く肩を揺らして踊りだしました。「そうだ、笑え! 笑うとイーノが喜ぶ。イーノの喜びは世界の喜びで、世界の喜びはきみの喜びだ」
 なにを言っているのかよくわからないけれど、この奇天烈な大男が子どものようにおどける姿を見ていると、余計に少女の笑いは治まらなくなってしまいました。
「あ、そうだ。お嬢、昼飯は食ったか?」ぴたりと体の動きを止めて博士がたずねます。
「ううん、まだ」
「じゃあ今日は私がごちそうする。外の広場でなにか食おう」
「うん」
 大男は小石でもつまむように少女のリュックサックを拾い上げて肩にかけると、片手を優雅にひらりと舞わせて、少女を丁重にエスコートする仕草をしました。


 二人は並んで博物館を出て、噴水のそばに建っているレストランへ向かいました。歩いているあいだじゅう、ベーム博士は大きな声で鼻歌を歌い続けました。

 あなたが笑うと 世界じゅうが一緒に笑う
 あなたがほほえむと お日さまはもっと輝く……

 鼻歌の範疇を大きく逸脱した声で彼が歌うので、近くを通る人たちはみんな思わず笑いだしてしまいます。その隣で、まわりから注目を浴びることにすっかり食傷(しょくしょう)していたはずのマノンは、なぜだかこの時ばかりは、他人にじろじろ見られても少しも不愉快ではありませんでした。それどころか、近くにいる人をみんな笑顔にしてしまうこの大男の特殊能力は大したものだと、素直に感心していました。
 日傘の立てられた屋外のテーブルについて、いささか風変わりな組みあわせの二人組は、それぞれの手に握られたバゲットサンドにかぶりつきました。
「カメレオンに興味を持ったのかい?」ベーム博士がたずねました。
 少女はこくりとうなずきます。「ものすごく面白い。今いちばん、調べ尽くしたくてたまらないもの」
「ってことは、次の研究の主題?」
「はい。たぶん」
「そうかそうか」博士は満足げにうなずきました。そして噴水に裸足で入って遊んでいる親子たちをにこやかに眺めながら、しみじみと言いました。「ところで……このあいだのお嬢の論文。あれには痺れたなぁ」
「えっ」口のまわりにケチャップをくっつけたマノンが、唖然とした表情を浮かべます。「……でもあれ、大勢に笑われた」
「なんだ。そんなこと気にしてたのか?」
「うん……ちょっとだけ」
「いいか、お嬢。他人が笑うからって、それがだめなものだってことにはならないだろ」
「うん」
「それに、あの研究成果になにもまちがいがないことは、お嬢がいちばんよくわかってるはずだろ」
「うん」
「だったら、気に病むことなど……」
「僕も、ほんとはそう思ってるけど……」
 ふっと微笑すると、博士は自分のサンドイッチのなかからまだ口をつけていない分厚いハムを抜き取り、少女のサンドイッチの上に載せました。
「くれるの?」少女が彼を見あげます。
 博士はうなずきます。「なぁ、お嬢。私がきみくらいの歳の頃には、わけもなく野山を駆けまわるか、近所の悪童たちと兵隊ごっこをやるか、どうしたら綺麗な女の子と仲良くなれるだろうって頭を悩ませることくらいしか、やってなかったよ」
「なにそれ」少女は吹き出します。
「お嬢は、ほんとによくがんばってる。身寄りもなく一人きりで、こんなややこしいおとなの世界に飛び込んで」
「……うん」
「それでも挫けずに、人から笑われたって、あることないこと吹聴されたって、いつも研究意欲を失わずに新しいことに挑戦し続けるお嬢を、私はとても立派だと思う。おなじ道を歩く仲間として、心から尊敬する」
 少女は深くうつむいて、追加されたハムをぱくりとくわえました。
「くり返すがな、こないだの、顕導揚力発生場における複合的イーノ干渉波長を単一の顕導式(けんどうしき)に集約させた新理論、あれは私にとって人生でそう何度も出逢ったことのない、心底胸打たれる見事な論文だった」
「本当?」
「本当だとも! 今にきっと、お嬢の作った理論を基に、山のようにでかい物体を空に浮かせることができるようになるぞ」
「僕もそれは確信してる」マノンは口もとをごしごしと拭って身を乗り出します。「それはもう時間の問題でしかないって思ってるんだ。空飛ぶ船だって、今じゃ物笑いの種だけど、いつか必ず当たり前の技術になるよ」
「空飛ぶ船か!」博士は両目を見開きます。「そいつぁすごい。浮かせるって言っただけで笑われたってのに、お嬢の頭のなかではそのまま空を自由に飛ぶところまで見えてるんだな」
 少女は自信たっぷりにうなずきます。「それはもう去年のうちに理論はまとめてあるんだ。時機が来たらみんなにも伝わるように、きちんと形にするよ。それより今は、どうしてもカメレオンのこと調べたい」
「調べてなんとする?」
「物質の色を自由に変えられるようになったら、すごいと思わない?」
「は……」博士は目を点にして、たまらず大声で笑いだしました。「ふぁははは! そりゃあ素晴らしい。まったく、お嬢の発想は自由で桁外れだなぁ」
「おかしいかな?」
「おかしいものか!」テーブルをがたんと揺らせて、博士は両腕を広げます。そして両の手で優しく少女の肩をつかみ、静かにほほえみます。「おかしいものか。お嬢、きみには掛け値なしに本物の才能と、未来の世界が待ち望む希望の光が宿っている。これからも、なにがあっても、自分の心に正直に従って、まっすぐ前を向いて進んでいくのだ」
 春の太陽を反射するレンズの向こうの瞳はどこまでも優しさに満ち、どこまでも澄み渡り、そしてどこまでも真剣そのものでした。自分という存在のすべてが許されてしまったかのような深い感銘を受けながら、少女はぎゅっとサンドイッチを握りしめて、こくこくと何度もうなずきました。
「ふぁはは。よろしい」ひょいと手を離し、博士は再びサンドイッチを頬張りました。
「これ食べたら、博士は学会に戻る?」少女がたずねます。
「そうだな……」博士は少し顎を上げ、太陽の位置を推し測るようにまぶたを薄く閉じました。「仕方ないよなぁ。でも、すぐには戻らん。陽が出ているうちに図書館に行っておきたい」
「今研究していることについての本?」
「そうだ」
「なんの本?」
「神話」遠くを見据えたまま、博士がぽつりとこたえます。
「え? 神話?」マノンは首をかしげます。「科学となんの関係があるの?」
「さぁな」博士は肩をすくめます。「だがもう長いこと、私の興味の的なのだ」
「へえ……そうなんだ」
「いつか暇ができたら、お嬢もちょっと調べてみてごらん。けっこう面白いものだぞ、創世神話体系ってのは」
「うん。今度読んでみます」
 博士は微笑し、冷たいコーヒーを一息で飲み干します。「お嬢はこれからどうする?」
「僕は……僕も、あそこへ戻ります。教授たちからまた怒られちゃうし」
「そうか」博士は同情のため息をつきます。「まぁ、気楽にな。あまり根を詰めすぎちゃいかん。時にはすべてを忘れて遊んだり休んだりすることも、立派な研究者になるために大切なことだよ。またそのうち、のんびりと飯でも食おうじゃないか」
「はい。次は僕がごちそうしてさしあげます」
「ふぁはは! 楽しみにしておくとしよう」
 その何気なく交わされた口約束は、その後もずっと有効であり続けました。年齢も体格も桁ちがいにかけ離れた父娘(おやこ)のような二人は、それからもたびたび休日を共に過ごしたり、昼食や夕食を一緒にとったりするようになりました。
 しかしそんな、天涯孤独の身であるマノンにとって誰といるよりも心安らぎ、なにをするよりも愉快で幸福だった時間は、突如終わりを告げてしまいました。
 詳しい事情は、当時まだ駆けだしの研究者だったマノンも、一流の科学博士に成長した現在のマノンにも、まったくわからないままです。十年前のある日、まるで神隠しにでもあったように忽然と、ドノヴァン・ベーム博士は王都から姿を消して、二度と帰ってくることはありませんでした。
 そのことでやはりマノンは傷心し、博士と親しくなる以前よりも強い孤独感を身の内に飼うことになりましたが、ほどなく彼女の携わる研究や業務が多忙を極めていくにつれ、かつての幸せな休日の記憶は、故郷でハスキル先生と一緒に過ごした美しい季節と一緒に、彼女の胸の奥の宝箱にそっと仕舞い込まれたのでした。時折りその箱に手を触れて、中身の温かさを感じるだけで、それだけで自分はじゅうぶんなのだと、彼女は自分自身に言い聞かせて歳月を送りました。
 今どこでなにをしているのかわからないけれど、あの愉快で公平で思いやり深い博士が、この世界のどこかで生きていてくれさえすれば、それだけで自分は満足だ。マノンは毎日、息つく間もない激務に振りまわされながら、心からそう思っていました。
 謎の失踪から十年ほどが経ち、研究所宛てではなく彼女の自宅宛てに私信――つまり例の絵葉書――が届いた時には、一緒に暮らすレスコーリアに気取られないよう、部屋の鍵を閉めてベッドに突っ伏し、子どものように声を上げて涙を流したものでした。
 以来彼女は、まるでお守りのように、常時その絵葉書を持ち歩くようになったのでした。
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登場人物紹介

◆ミシス・エーレンガート


≫主人公。エーレンガート家に家族の一員として迎え入れられ幸福な日々を過ごしていたが、思わぬ形でコランダム独立の騒乱に巻き込まれ、ノエリィと共に丘の家から旅立つことになった。

◆ノエリィ・エーレンガート


≫ミシスの親友であり家族でもある心優しい少女。望まぬ形で軍に連行されるミシスを独りにさせまいと、ほとんど押しかけるようにして〈特務小隊〉の一員となる。

◆マノン・ディーダラス


≫本職は科学者であり発明家だが、カセドラ〈リディア〉を守護するため急造された部隊〈特務小隊〉の隊長を務めることになった。同隊が移動式拠点として利用する飛空船〈レジュイサンス〉も、彼女の発明の賜物。

◆グリュー・ケアリ


≫マノンの腹心の助手。彼女に付き従い、ホルンフェルス王国軍極秘部隊〈特務小隊〉に所属する。飛空船での暮らしにおいては、もっぱら料理係と操縦士の役割を務めている。

◆レスコーリア


≫マノンたちに同行するがまま、〈特務小隊〉に加わることになったアトマ族の少女。相変わらず自分流に気ままな日々を過ごしながらも、密かに隊の皆を見守っている。

◆クラリッサ・シュナーベル


≫世界最強の顕術士一族として知られるシュナーベル家の長女。優れた顕術士ばかりで構成される王国騎士団〈浄き掌〉の副団長を務める。グリューとは許婚どうしで、マノンやレスコーリアとも旧知の仲。

◆ゼーバルト・クラナッハ


≫新生コランダム軍を率いる将軍。統一王国からの離脱と祖国独立の宣言を発し、全世界に対し戦後最大級の衝撃を与えた。

◆ライカ・キャラウェイ


≫新生コランダム軍に所属する軍人。エーレンガートの丘での失態の後、妹のレンカと共に小部隊を率いてミシス一行を追撃する。

◆レンカ・キャラウェイ


≫エーレンガートの丘で勃発したカセドラどうしの戦闘によって重傷を負い、その後しばらくのあいだ治療に専念していた。

◆ヤッシャ・レーヴェンイェルム


≫国王トーメ・ホルンフェルスの名代として、マノン一行に〈特務小隊〉としての任務を与えた。以後さまざまな手段を用いて、先の見えない困難な日々を送る同小隊を遠く王都より支援する。

◆ハスキル・エーレンガート


≫愛する娘たちと離ればなれになり、我が子同然の学院校舎が損傷してもなお、決して希望を失うことなく毎日を前向きに生きている。

◆ピレシュ・ペパーズ


≫幼少時より人知れず抱えていたカセドラ恐怖症の劇的な発作により、長期に渡って入院生活を送っていた。恩師ハスキルに護られながら、徐々に回復へと向かう。

◆ドノヴァン・ベーム


≫十年ほど前に王都から忽然と姿を消した、伝説的な大科学者。レーヴェンイェルム将軍の幼馴染みにして、マノンの恩師。現在の彼の動向を知る者は極めて少ない。

◆プルーデンス


≫ベーム博士と共に暮らすアトマ族の少女。博士とおなじくアルバンベルク王国の出身。幼い頃から過酷な環境を生き抜いてきたためか、非常に気立てと面倒見が良い。

◆〈リディア〉


≫ホルンフェルス王国軍が極秘裏に開発していた最新型のカセドラ。本来ならカセドラが備えるはずのない、ある極めて特異な能力をその身に宿している。操縦者はミシス・エーレンガート。

◆〈フィデリオ〉


≫コランダム軍が新たに開発した特専型カセドラ。操縦者はライカ・キャラウェイ。

◆〈コリオラン〉


≫フィデリオと同一の鋳型を基に建造された姉妹機だったが、リディアとの交戦の末に大破した。かつての操縦者はレンカ・キャラウェイ。

◆〈□□□□□〉


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