p143 おわり
文字数 858文字
「兄ちゃん、その呼び方、外ではやめろっつったじゃん! あと、おれのTシャツ勝手に着んなし」
「リトル・マッスルてめぇこの野郎! 年末年始休暇に入った途端、学校から呼び出し食らったぞ! どういうこった! 」
「保護者の方がいらっしゃいましたね。では、これより欠点者保護者召喚 の儀 を取りな行います」
「ナニソレぇ? 」
ソロは静かに校長の机の後ろへ隠れると、固唾を飲んで状況を見守った。
これから生徒とその保護者が学校側関係者からお小言を食らうイベントが始まる。
「ソロ、あれ? どこ行った? 助けて」
外の天気は穏やかなのに、この空間だけ大変な修羅場が展開されている。
神経衰弱のよう並べられた答案用紙を、バンクが全身を震わせて凝視している。
「リトル・マッスル。今年のクリスマスプレゼントは無しだ」
バンクの声も怒りで震えている。
「別に。だったらサンタのだけで十分だし」
「毎年サンタにテメーの欲しいモンを伝令してるのは俺だ! 今年はアイツに来んなって言ってやる! 」
期末テストの結果に、お冠 のようだ。
「サンタに意地悪すんなし」
キャピタルを気の毒だとは思うが、ここで出ていくほどソロも命知らずではない。
兄弟喧嘩に気を取られて、二人とも隠れているソロに全く気が付いていない。
この隙にキャピタルのテストでも見て時間をつぶそうと、ソロは机の上にそっと手を伸ばして何枚か取った。
「見事だ」
ゼロなんて、なかなか取れない。
普通は情けで三点とか与えられてしまうのに。
きっと後にも先にも二度とお目に掛かれないだろう。
だが、ソロは油断していた。
「しまった」
なぜ、キャピタルだけではなく自分も校長室に呼び出しを食らったのか。
一緒にたぬキノコの浮島のお使いを受注したからではない。
ソロは震える手で、キャピタルの答案用紙の後ろに控えていたプリントの、見覚えのある筆跡を見た。
キャピタルよりは少しは勉強ができると過信していたのだが、赤点だらけの自分の答案用紙を見て思い出した。
「オレもバカだったの忘れてた・・・・・・」
おわり
「リトル・マッスルてめぇこの野郎! 年末年始休暇に入った途端、学校から呼び出し食らったぞ! どういうこった! 」
「保護者の方がいらっしゃいましたね。では、これより
「ナニソレぇ? 」
ソロは静かに校長の机の後ろへ隠れると、固唾を飲んで状況を見守った。
これから生徒とその保護者が学校側関係者からお小言を食らうイベントが始まる。
「ソロ、あれ? どこ行った? 助けて」
外の天気は穏やかなのに、この空間だけ大変な修羅場が展開されている。
神経衰弱のよう並べられた答案用紙を、バンクが全身を震わせて凝視している。
「リトル・マッスル。今年のクリスマスプレゼントは無しだ」
バンクの声も怒りで震えている。
「別に。だったらサンタのだけで十分だし」
「毎年サンタにテメーの欲しいモンを伝令してるのは俺だ! 今年はアイツに来んなって言ってやる! 」
期末テストの結果に、お
「サンタに意地悪すんなし」
キャピタルを気の毒だとは思うが、ここで出ていくほどソロも命知らずではない。
兄弟喧嘩に気を取られて、二人とも隠れているソロに全く気が付いていない。
この隙にキャピタルのテストでも見て時間をつぶそうと、ソロは机の上にそっと手を伸ばして何枚か取った。
「見事だ」
ゼロなんて、なかなか取れない。
普通は情けで三点とか与えられてしまうのに。
きっと後にも先にも二度とお目に掛かれないだろう。
だが、ソロは油断していた。
「しまった」
なぜ、キャピタルだけではなく自分も校長室に呼び出しを食らったのか。
一緒にたぬキノコの浮島のお使いを受注したからではない。
ソロは震える手で、キャピタルの答案用紙の後ろに控えていたプリントの、見覚えのある筆跡を見た。
キャピタルよりは少しは勉強ができると過信していたのだが、赤点だらけの自分の答案用紙を見て思い出した。
「オレもバカだったの忘れてた・・・・・・」
おわり