第3夜 7節
文字数 572文字
「───えー、いきなりだが今日は転入生が居る。紹介するぞー、入ってこい」
そんな先生の合図をはじめに緊張した素振りで入ってくる生徒が二人。……私は、彼女達に見覚えがあった。
「……レナさん、と、セツナさん……?」
レナさんとセツナさんはぺこりと頭を下げ───担任の「自己紹介を」と云う言葉を待って自己紹介を始める。……後ろの方で、「あ───!」と宮下さんが指差し……担任が「五月蝿いぞ宮下ー」と咎めた。
「レナ、です。夜国玲菜……よろしくお願いします」
「白橋雪奈です。皆さんと仲良く出来たらなと思っています。どうかよろしくお願いします」
「夜国と白橋は最近この街に引っ越してきたらしい。分からない事は教えてやるように。それから──席は星野の後ろの二つを使いなさい」
「は、はいっ」
「それじゃ、HRを終わるぞ。一時間目は理科室だ、遅れないように。以上」
二人が着席すると、学級委員の「きりーつ」と云う声が聞こえた。
………転入生、だったんだ……通りで知らない顔だと思った。けれど……
ユキはちらりと後ろを振り返る。レナさんとセツナさんは緊張したように号令に合わせて動いていた。
……あの時、感じた殺気は、一体─────。
HRが終了する。