金欠地獄

文字数 359文字

「借金を苦に地獄に来るものが増えた。そこで、金欠地獄を新設する。」
 大王の命により、新たな地獄のキャストが餓鬼から集められた。

「等活地獄ではカツカツと言っていたと思いますが、金欠地獄ではカネカネと喋ってください。」
 キャストの教育ともに、新しい拷問具も必要になった。発注がきたのは嬉しいが、何がいいか悩む。
「金に因んだ物だよね。」
 地獄じゃ鐘は使えない。針はすでにある。銃を揃える予算はない。

 集められる亡者たちは、嘘ツキなのでみんな舌を切られていて、話も聞けない。
「どんな、亡者が集まります?」
「借金したまま逃げてきた連中だ。したきり雀ってとこだな。」
 なら、あれしかない。

「シャッキン、シャッキン」
 鋏に決定した。キャストは鋏を嘴にみたて、鳥に扮して亡者を追いかける。その名も「シャッキントリ、ガッキーとマネー」。
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登場人物紹介

主人公

地獄で入獄拒否され残りの人生を霊として過ごす

主人公を保護観察する死神

雪女。

居酒屋雪ん子の女将。

死神の知り合い。

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