ガッキー
文字数 346文字
「アラ・・・ガッキーじゃない?」
通りすがりの若い鬼女の声に、彼等が見つめる方向を探す。
「ガッキー!」
鬼たちが騒ぐ。
手に持ったせんべいを出すと、かけてきた小さな塊が、さっと奪い去る。餓鬼。ガッキーと呼ばれ、今、あの世では大人気だ。小さい・かわいい・餌によってくる。
どこかで見た光景だと思ったら、奈良公園の鹿。
「ボー、ボッボッボー。」
角笛の音がするほうに一斉に駆け出した。
「ほうれ、今、くいものやるでな。」
一人の年寄りが、白い小さな粒をまいている。米だ。それも、生。
「日米安保(日々の米が安く保たれている)のお陰で、こいつらも悪さしねえですむだ。」
米は雪女が酒をつくるのに必要だが、不良品が余る。それをこうしてまいているのだと彼は説明をした。
通りすがりの若い鬼女の声に、彼等が見つめる方向を探す。
「ガッキー!」
鬼たちが騒ぐ。
手に持ったせんべいを出すと、かけてきた小さな塊が、さっと奪い去る。餓鬼。ガッキーと呼ばれ、今、あの世では大人気だ。小さい・かわいい・餌によってくる。
どこかで見た光景だと思ったら、奈良公園の鹿。
「ボー、ボッボッボー。」
角笛の音がするほうに一斉に駆け出した。
「ほうれ、今、くいものやるでな。」
一人の年寄りが、白い小さな粒をまいている。米だ。それも、生。
「日米安保(日々の米が安く保たれている)のお陰で、こいつらも悪さしねえですむだ。」
米は雪女が酒をつくるのに必要だが、不良品が余る。それをこうしてまいているのだと彼は説明をした。