ガッキー

エピソード文字数 346文字

 「アラ・・・ガッキーじゃない?」
 通りすがりの若い鬼女の声に、彼等が見つめる方向を探す。
 「ガッキー!」
 鬼たちが騒ぐ。

 手に持ったせんべいを出すと、かけてきた小さな塊が、さっと奪い去る。餓鬼。ガッキーと呼ばれ、今、あの世では大人気だ。小さい・かわいい・餌によってくる。
 どこかで見た光景だと思ったら、奈良公園の鹿。

 「ボー、ボッボッボー。」
 角笛の音がするほうに一斉に駆け出した。
 「ほうれ、今、くいものやるでな。」
 一人の年寄りが、白い小さな粒をまいている。米だ。それも、生。
 「日米安保(日々の米が安く保たれている)のお陰で、こいつらも悪さしねえですむだ。」

 米は雪女が酒をつくるのに必要だが、不良品が余る。それをこうしてまいているのだと彼は説明をした。
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登場人物紹介

主人公

地獄で入獄拒否され残りの人生を霊として過ごす

主人公を保護観察する死神

雪女。

居酒屋雪ん子の女将。

死神の知り合い。

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