こうべ方式vsながの方式

エピソード文字数 822文字

 「大変なことになった。」
 閻魔庁から呼び出しがあった。
 「獄卒のいじめ問題で、極楽から調査にくるそうだ。」
 そりゃ、毎日、亡者たちをいじめているんだから、いまさらである。
 「それは、仕事。じゃなくて、獄卒同士のいじめがあるというんだ、」
 もともと鬼だから喧嘩ぐらい日常茶飯事だろう。獄卒もなり手が減ってきているというので、最近は頭数をそろえる、こうべ方式を採用している。

 「どんな、内容なんです。」
 「赤鬼が青鬼に劇辛カレーを食べさせる。」
 赤鬼は大の辛いもの好き。逆に青鬼はまったくだめ。
 「さらに、ケツバットで青鬼の尻に青アザをつくる。」
 素人目にはどれがアザだかわからない。
 「セミを食っているとうわさされた。」
 「牛頭馬頭が、乗っているやつを振り落とす映像。」

 第三者に調査させておくようにといわれたらしい。
 ともかく、給食室へいく。
 「人気の煩悩カレー、甘口なんですけどね。」
 確かに、あまり辛くはい。しかし、苦情を無視できない。
 「この前はいつも赤で、いやだというので、グリーンカレーにしたのよ。」
 「そりゃ辛いでしょ。」

 青アザを確認しにいく。
 「ほら、ここに丸く青いアザができてるでしょ。絶対、叩かれたからですよ。」
 「いや、これ生まれつき、蒙古斑だから。」
 「ところで、セミを食っているという話は?」
 「そんなもの食わないよ。そうだ、せっかくだからこれつまんでかねえか?」
 そういって出してきたものは、白くて短い棒状のものと、黒いトゲトゲの塊。青鬼はうまそに食べる。
 「セミ?」
 「おめえさ知らねえの?これ、蜂の子。こっちがイナゴの佃煮。これが、ながのっこのおやつ。貧血にはたんぱく質が大切らしい。」
 とりあえず遠慮して、牛頭馬頭を探しに出た。
 「ああ、この時ね。ロディオ大会だったんですよ。飛び入り参加したら、こんな結果に。」
 牛頭も馬頭も心外そうだった。
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登場人物紹介

主人公

地獄で入獄拒否され残りの人生を霊として過ごす

主人公を保護観察する死神

雪女。

居酒屋雪ん子の女将。

死神の知り合い。

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