スマホゾンビ
文字数 928文字
いくら死神や獄卒たちがいるといっても、やはり同じレベルで話し合える友人がいないというのは退屈だ。別に面と向かって議論したいわけではない。スマホで創作半分であったとしても気兼ねなく愚痴ったりできる仲間が必要だ。
レディオやテレビがあるんだ。電話ができないわけが無い。残念なことに妖狐の毛は受信ができても発信ができないことがわかった。通話のために彼らを連れ歩くわけにもいかない。
「他に、通信できるあやかしはいあにのか?」
地獄を尋ねまわったところ、妖怪化したタヌキに似たような能力があるという噂を聞いた。タヌキとキツネで飛ばしあいをしたとこえろ、キツネのほうが多くの仲間に一斉に通信できつということだったらしい。
「キツネってのは馬鹿でな。考えていることがダダ漏れなのよ。そこへいくと、歴史あるタヌキのほうが 特定の相手とだけ通信できて、セキュリティが高いんだ。」
タヌキは負け惜しみともとれる自慢をする。
「それって、暗号化のような一対一通信してるってことじゃない?」
俺は早速、若いタヌキたちに協力してもらった。違うタヌキの毛を俺と死神が持ち、あの世とこの世に別れた。
「もしもし。」
死神の声が聞こえた。
「電話?離れた相手と話すって、何を話すんだい。こうやって相手の顔を見ながら酒を飲むのがいいんじゃねえか。別の地獄のやつらと話しても、訳わからねえし。」
鬼たちは、口々に電話は必要ないといった。
一方、現代の機器に飛びついたのが、スマホ世代の若い霊たちだった。死んで間もないかれらはスマホが忘れられず、人とつながっていないと不安でしかたない様子だ。閻魔の元に着くまでは長い。その間に他の連中と会話することで、不満も出なくなった。タヌキ毛の便利な点は、同じ固体の毛なら、情報共有、つまりグループができるってことだ。さらに、居場所もわかる。死神が霊を連れて行く際に配っておけば、はぐれても連絡が取れる。
だが、タヌキの毛玉の真の実力は、そのさわり心地にある。霊は老人が多く、感覚が鈍い。固めの剛毛はちょうどいい刺激になる。霊たちは死神を先頭にぞろぞろと移動中に、手元を見ながら夢中で撫で回している。まさに、スマホゾンビである。
レディオやテレビがあるんだ。電話ができないわけが無い。残念なことに妖狐の毛は受信ができても発信ができないことがわかった。通話のために彼らを連れ歩くわけにもいかない。
「他に、通信できるあやかしはいあにのか?」
地獄を尋ねまわったところ、妖怪化したタヌキに似たような能力があるという噂を聞いた。タヌキとキツネで飛ばしあいをしたとこえろ、キツネのほうが多くの仲間に一斉に通信できつということだったらしい。
「キツネってのは馬鹿でな。考えていることがダダ漏れなのよ。そこへいくと、歴史あるタヌキのほうが 特定の相手とだけ通信できて、セキュリティが高いんだ。」
タヌキは負け惜しみともとれる自慢をする。
「それって、暗号化のような一対一通信してるってことじゃない?」
俺は早速、若いタヌキたちに協力してもらった。違うタヌキの毛を俺と死神が持ち、あの世とこの世に別れた。
「もしもし。」
死神の声が聞こえた。
「電話?離れた相手と話すって、何を話すんだい。こうやって相手の顔を見ながら酒を飲むのがいいんじゃねえか。別の地獄のやつらと話しても、訳わからねえし。」
鬼たちは、口々に電話は必要ないといった。
一方、現代の機器に飛びついたのが、スマホ世代の若い霊たちだった。死んで間もないかれらはスマホが忘れられず、人とつながっていないと不安でしかたない様子だ。閻魔の元に着くまでは長い。その間に他の連中と会話することで、不満も出なくなった。タヌキ毛の便利な点は、同じ固体の毛なら、情報共有、つまりグループができるってことだ。さらに、居場所もわかる。死神が霊を連れて行く際に配っておけば、はぐれても連絡が取れる。
だが、タヌキの毛玉の真の実力は、そのさわり心地にある。霊は老人が多く、感覚が鈍い。固めの剛毛はちょうどいい刺激になる。霊たちは死神を先頭にぞろぞろと移動中に、手元を見ながら夢中で撫で回している。まさに、スマホゾンビである。