いい湯だな
文字数 643文字
「極楽、極楽。」
死神は自然の露天風呂につかている。骨だけの彼が湯につかる理由は理解できない。さすがに、地獄の湯は暑い。しかし、霊にとって暑さも寒さも一種の幻想のようなものだ。
「草津の湯もよかったですけど、やはり、こことは比べ物になりません。しかも、ダイエット効果が半端ない。ほら、もう骨がつるっつるです。」
それ、カルシュウムが溶けてるだけだから。
何種類かの露天風呂がある。
赤湯は、血の湯で貧血ぎみの青鬼が入っている。死神たちは、弱酸性の湯。血気盛んな赤鬼は、溶岩湯に浸かっている。
「いま、人気があるのは岩盤浴と針を組み合わせた針岩盤浴ですね。」
それは、熱した石の板の上に無数の針が突き出していた。皆、その上に気持ちよさそうに座っている。たまに、頭や体から血を流している鬼がいる。死神が解説する。
「強者は上からも行きます。悪い血が出てスッキリするらしいです。私はしませんよ。流す血も涙もありませんし、骨が砕けますから。」
「冷酒にワインどうですか?アイスもありますよ。」
時折、雪女の店の店員が売りに来る。もらいものの霊蔵庫を使って商売してやがる。ちゃっかりした奴だ。
会社が心配だ。翌日には雪女を残し、戻りの車の中にいた。
「たまには息抜きもいいものですなあ。いやあ、おかげで寿命が延びるってもんだ。」
死神のやつ、何を言っているんだ。こっちは、寿命を削りにいってるんだ、
「社長、よろこんでください。死神の目で調べた結果、寿命が延びてますよ。」
死神は自然の露天風呂につかている。骨だけの彼が湯につかる理由は理解できない。さすがに、地獄の湯は暑い。しかし、霊にとって暑さも寒さも一種の幻想のようなものだ。
「草津の湯もよかったですけど、やはり、こことは比べ物になりません。しかも、ダイエット効果が半端ない。ほら、もう骨がつるっつるです。」
それ、カルシュウムが溶けてるだけだから。
何種類かの露天風呂がある。
赤湯は、血の湯で貧血ぎみの青鬼が入っている。死神たちは、弱酸性の湯。血気盛んな赤鬼は、溶岩湯に浸かっている。
「いま、人気があるのは岩盤浴と針を組み合わせた針岩盤浴ですね。」
それは、熱した石の板の上に無数の針が突き出していた。皆、その上に気持ちよさそうに座っている。たまに、頭や体から血を流している鬼がいる。死神が解説する。
「強者は上からも行きます。悪い血が出てスッキリするらしいです。私はしませんよ。流す血も涙もありませんし、骨が砕けますから。」
「冷酒にワインどうですか?アイスもありますよ。」
時折、雪女の店の店員が売りに来る。もらいものの霊蔵庫を使って商売してやがる。ちゃっかりした奴だ。
会社が心配だ。翌日には雪女を残し、戻りの車の中にいた。
「たまには息抜きもいいものですなあ。いやあ、おかげで寿命が延びるってもんだ。」
死神のやつ、何を言っているんだ。こっちは、寿命を削りにいってるんだ、
「社長、よろこんでください。死神の目で調べた結果、寿命が延びてますよ。」