鬼女
文字数 1,915文字
《札場病院-3F》
··俺の目の前に転がっていたモノ
それは···
人··のモノと思われる
体の一部だった···
散らばった四肢は···、まるで何かに
食い散らかされたかのように
おぞましい状態でゴロゴロと、
大量に転がっていた···
ヌル···ッ
当然の如く
俺の周りは血の海だった··
あ~···すまぁぁぁ~~··
我に引き裂かれろ··· アスマ――··
ズサッ ズサ···ッ
引き裂イても···
この餓えは治マラぬ
お前を引き裂カセろぉぉォォォッッ!!
ふ··· フハッ····· ウクくくく···
バラバラに引き裂いて
ハラワタまで貪り尽くシテくれルわァァッッ!!!
そう···思ったその時····
グアアアァァァァォッッ!!!!!!
キシャァァ――――ッッ!!!
突如、目の前に現れたのは
金色に輝く巨大な···
錦蛇···?!
宙を舞いながら俺の周りを
グルグル回りだした
··そしてその蛇は、
まるで俺を守るかのように
立ち塞がった···
ドドドドドドドッッッ
ズサーーーーッ
キシャァァ――――――ッッッ!!!
俺は仕方なく目を瞑った···
··レンは自然に俺の手を取って
そのまま手を引き、歩き出した
俺は···目を瞑っていても、
さっきの光景が脳裏に焼き付いていて
先に進むのが中々難しかった···
だが、俺達の横では妖怪大戦争が
繰り広げられている···
さっさと歩かないと···っ
そう言われて目を開けた··
··そこは、非常階段の踊場だった
そうして、俺達は急いで階段を下りた··
《札場病院-1階》
廃病院だった····
目の前には、荒れ果てた待合室があり
さっき通ってきた受付も
埃とクモの巣だらけになっていた
外からの明かりで多少見える程度では
あったが、ガラスや窓も
割れ散らかっている状態だった··
俺達は廃病院を出て
ハルト叔父さんに連絡を取ることにした··