落ちこぼれ

文字数 1,948文字










         3月28日(木)


      -PM 12時10分-


       《専門学校周辺》



···滑稽だな橋姫よ

そこまでしてでもそのワラシが欲しいか

ぐふぅぅぅ-···っ
アスマは···我の者だ···っ!!
···そうか
ならば仕方あるまいな··




        シュンッッッ




えっ?!






··その瞬間、十二天将は


一瞬でその場から消えたように見えた





その場に残されたものは


勢いよく渦を巻くように宙を舞う


枯れ葉と風だけ···









と思った瞬間··


十二天将は橋姫の目の前に


移動していた···っ








っっっ!!!!!!!




          ヒュッ




さらばだ橋姫···

己の命運を恨むがよい








   ズバアアアァァァァッッ!!!!








ぎぃあああああぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!
·········
···········














  おおのぉれえぇぇぇぇっっ!!!

    怨まいでかあぁぁぁぁぁ····っ

  





















     ·················




















      シュゥゥウゥゥゥゥゥ----···








·············





橋姫は凄い断末魔と共に


灰となって行った···





申し訳ありません···
···え?






レンは今、誰に謝ったのだろう···


やはり···


自らの力不足によって救えなかった


橋姫にだろうか···






····レン
········
はい··
お前の未熟さは、昔から何も変わっておらぬな··
っ!!!
百鬼とて··救わねばならぬのがお前ら櫻井一族の役目
········
ただ消滅させるだけならば、力など貸さぬぞ
··········
···天一神、気持ちは分かるが、そのくらいにしてやれ
···まぁよい、今回お前の呼び出しに応じたのはキョウからの依頼故だ
···申し訳ありません
··そのワラシを守りたいのならば、お前は常に精進せよ
はい··
···レン









    ヒュオオォォォォーーー····















そう言い残して、 


十二天将は風と共に消えて行った··





············
レンっ!




俺は、俯くレンの側に


駆け寄った




···アスマさん

まさか早退されたのですか?

あ、うん···

って、そんなことよりっ

大丈夫か?
···え?

わ、私はなんともありません

ごめんな··、全部俺のせいで··
アスマさんのせいなんかじゃありません···、私は櫻井家の落ちこぼれですから··
·········
兄のような能力が無い為に、いつも

3倍は努力しなければなりませんでした

っ!!?
(俺から言わせれば、レンだって十分凄いのに··)
なので··、子供の頃からお友達と遊ぶ余裕などなく、常に修行させられていたので··
私には仲の良いお友達なんておりませんでしたし··
(···意外だ)
···········

私はダメですね

レン··
···取り敢えず
お前ら早退したのならば、今日はさっさと帰れ
はい···
··········
そうだ··
え?
··折角だから

ちょっと付き合ってよ

は、はい··
ならば、わしは黒猫マートにおるからな
あっ、はいっ

今日は本当に有り難うございました!

うぬ··




          テクテクテク···




それじゃあ、行こうか
はい··




















                       -PM 12時50分-


                            《桜坂神社》

         


到着
ここは···




ここは、街の外れの高台にある


寂れた神社だ








こんな神社に神様なんて


居ないんじゃないかって程


寂れいる···








だが、


そんな事は気にならないくらい


美しく巨大な桜の木に囲われた


幻想的な場所でもあるんだ









さ、桜が満開になっています···
今日は空が青いから桜が更に映えるね
···こんな場所があったなんて、知りませんでした








      サワサワサワサワ--···









(優しい風が髪をすり抜けていく···)
もう春だね··

··あっという間だな~

そうですね···
レンと出会ってから色んな事があったね··
は、はい···
最初は本当に不思議な女の子に会ったと思ったけどさ
っ!!!
でも···
今では、俺にとって無くてはならない存在だよ··
っ!!
········
ごめんなさい···、私··
···どうしたの?
··私など、その様に思われる程の価値なんて··無いなって··
っ!!
·······
········
···俺は別にレンの能力がどうとか、そんな事問題じゃないんだけど
··え
えっ、て···

当たり前だろ~··

···で、でも
でもじゃない
っ!
うーん··

じゃあさ、はっきり言うよ

レンは分かって無いかもだけど、

俺ね··

·······
レンの事が好きなの
····っ!!!
··それも、今までに経験した事ないくらい好きなの
~~っ!!!
だから··
ま、待って下さいっ
えっ
そ、その~··
·········
···もしかして、迷惑··かな?
えっ?!
ちょっと、一方的に話しちゃったしね··
··ごめん
········
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登場人物紹介

名前 伊吹 遊馬(いぶきあすま)

年齢 19歳

身長 179㌢

体重 63㌔

趣味 弓道、スノボ、漫画、小説


本編の主人公。

極度な霊感体質な事から、有りとあらゆる百鬼から命を狙われている。

それ故に、物事を諦める思考のある性格。

レンに興味を持ち始める。

名前 櫻井 蓮(さくらいれん)

年齢 19歳

身長 150㌢

体重 内緒

趣味 お寺巡り、お経早口言葉、御詠歌


本編のヒロイン 

実家はお祓い家業を営んでいる。

アスマを助ける為に自らを犠牲にするが、犠牲とは全く思っていない根っからのお人好し。

名前 伊吹 悠人(いぶきはると)

年齢 35歳

身長 183㌢

体重 68㌔

趣味 カクテルの調合、アンティーク収集、ドリ車の改造


アスマの叔父【para ti 】のオーナー

自分の息子のようにアスマを可愛がっている。

女性関係には少々だらしなく、それ故に婚期を逃して未だに独身。

名前 宮琵 曄子(きゅうびようこ)

年齢 ???

身長 165㌢

体重 秘密

趣味 七変化、レンの子守


レンの親友

レンとは相当親しい間柄で、学校ではいつも一緒に過ごしている。

その正体は謎に包まれており誰も知らない。

名前 碓井(うすい)

年齢 33歳

身長 185㌢

体重 75㌔

趣味 車、バイク、バギー、


【Para ti 】のバーテンダー

見た目はヤバいく、口調も荒いが

実は紳士。

特にも女性には優しく、執事より人気が高い。アスマの事も可愛がっている。

名前 湊(みなと)

年齢 30歳

身長 177㌢

体重 62㌔

趣味 コース料理やスイーツの試作、海外で食べ歩き、彼女募集中


【Para ti 】のシェフ&パティシエ

基本的に落ち着いていて物静か。

生まれてこの方、怒った事が無い。

常に食材の事を考えている為、彼女にフラれる事が多い。

名前 ???

年齢 ???

身長 ·············

体重 ·············

趣味 ???


飼い猫のようだが·····?

名前 黒崎 陵(くろさきりょう)  

年齢 35歳

身長 175㌢

体重 65㌔

趣味 野良猫の保護と世話、読書、創作料理


黒猫マートの店長

スーパーの様な品揃えでありながら、実は24時間営業のコンビニ店長。

猫が大好きでとにかく優しい。何事も猫優先のため彼女が出来ない。

名前 櫻井 梗(さくらいきょう)

年齢 26歳

身長 178㌢

体重 59㌔

趣味 酒を飲む、自然の中で小説を読む、使い魔を従える


レンの兄

お祓い家業を営みつつ、神社の神主を勤めている。霊力が強く百鬼は近づこうともしない。··最近彼女にフラれた。

名前 黒鉄(くろがね)

年齢 630歳

身長 190㌢

体重 78㌔

趣味 佐助の守護、佐助と散歩、佐助と昼寝


佐助の飼い猫(人型バージョン)

630年の時を経て、佐助(黒崎陵)との再開を果たし、今を幸せに暮らしている猫又。超級百鬼であり、百鬼の中でも敵はいない程の強さを持っている。


名前 櫻井 蘭蕉(さくらいかんな)

年齢 30歳

身長 160㌢

体重 秘密

趣味 筋トレ、太極拳、少林寺拳法


レンの姉(長女)

基本おっとりしているが、趣味は大体護身術や体を鍛える事。

仕事はグラフィックデザイナーで、中間管理職。

男性との縁がいつもいまいち。

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