家族の絆

文字数 2,073文字








          3月28日(木)


         -PM 6時50分-


      《天浄地公園》



··実は私、子供の頃の事を覚えていないんです
えっ?!
私の実家は、お寺なんですが··

本当の家族ではなく、養子縁組でして··

優しい両親が私を迎え入れて下さったんです
でも··、全くの他人と言うわけでも無くて··
········
私は、養父である父の姉夫婦の子供なんだそうです
要は、本来なら君のお父さんは叔父さんって事か··
(···俺とアスマの関係に似ている)
··全く覚えていませんが、私が小学生くらいの時に交通事故で両親は亡くなったと聞かされました
その時、私も同乗していたようなんですが、奇跡的に助かったのだと··
そう···か··
なので、当時の事を何も覚えていないので··カルマが言っている事もよく分からないんです
なるほど···、いや··ごめんね
···え?
話すの嫌だったんじゃないか?
あ··、いえ··大丈夫です

···私には弟と妹がいますが··

本当の兄弟のように仲良しなので··
···そっか
特にも妹とは年が離れていますので、本当に可愛くて仕方ありませんっ
小さい頃から、お姉ちゃんお姉ちゃんってもう··目に入れても痛くないとはこの事ですね!
ははっ、分かるなぁそれ··

俺も甥っ子が可愛くて仕方ないよ

·········

···ハルトさんも、優しい方なんですね··

っえ?!
····あれっ?!
ん?
叔父さん?!
えっ?!
····えっ?!
え···っ?!





    ええーーーーーっっ?!




おっ、叔父さん!!!

何してんの?!

いや···、何っていわれてもなぁ

普通に···デート?

····叔父さん?
おっ、おおおお姉ちゃんっ!!!?
なにっ?!
えっ?!!!
···プチパニック!















                          -PM 7時20分-


          《天浄地公園》



···と、言うわけでな
········

(··叔父さん、まさか軽い気持ちなんて事··ないよな)

そうでしたか··
あ、あのね··レン··
大丈夫ですよお姉ちゃん!
···え?
お姉ちゃんが、幸せならば私は全てを受け入れますので!
·······っ!!
········

(だ、大丈夫かな··)

まっ、まだ··そんな関係じゃないのよ··っ?
···あ、ご免なさい
(お、叔父さん··)
(何なんだアスマ··、さっきからその表情は)
ちょっと、こっちに来て下さいっ!
···アスマさん?
っ何だよ?
俺にとって、レンはっ

すっっごく大事な子なんですよっ

なっ、何なんだ藪から棒に!?

俺に告白してくんなよっ!

そうなるとっ、レンのお姉さんだって俺にとっては大切な人になるんです!
おまっ、それはちょっと聞き捨てならねえな··っ!
だからっ!

もし、軽い気持ちだったら··いくら叔父さんでも許しませんよ?!

っ!!!!
·····そうか

そう言う事か

·········
ふ···っ
ナデナデ
っ!!!!!
な、何をするんですか···

子供じゃないんですけど··

俺からすりゃあ、お前は俺の子供も同然なんだよ
········
アスマ、いらねえ心配してんなよ?
っ!!
俺だってなぁ、本気になることもあんだよっ
そう··ですか··

良かった··

お前は本当に···

可愛いなぁ~っ!

っっ!!!

なっ、何をするんですかっ!!

うーーん··、デカくなりすぎだぜアスマ··ハグしきれねぇ··
しなくていいですよっ

気持ち悪いっ!

·····チラッ
ジーーーーー
とても···、仲良しなのねぇ
···えぇ、勘違いされかねませんねぇ

(長身イケメンカップル的な··)

···でも、ハルトさんの気持ちは良く分かるわ
そうですか?
お姉ちゃんだって、あんたが可愛くて仕方ないんだから
っ!!!
へ··、へへっ

知ってるし··

あ···っ
それはそうと、カルマはどうなったのです?!
えっ?!
ハルトさんの言っていた、小鬼ってカルマの事でしょう?
うん···カルマは1人で帰らせたわ··、ハルトさんに失礼な事を言った罰よ··
確かにカルマは小鬼だけど、年齢は私たちよりも遥かに上なんですよ
いつになったら、精神年齢が上がるのでしょうかねぇ
···それもそうね
レンっ、ごめん

お待たせっ

大丈夫ですか?
ってか、お前らどうやってここまで来たんだよ?
えっと~、電車を乗り継いで、食べ歩きをしながら··です
かなり遠かったけど···
でも、とても楽しそうね
···そうか、若いっていいなぁ~
·········
ハルトさんだってまだまだお若いですよ?背高くてイケメンだし、オーナーさんだし(お金も車もあるし)
ははっ、さすがレンちゃんだよな··
さあ、明日も学校にお仕事にありますので··
皆で一緒に帰りましょうっ!
はいはい、送ってってやるよ
···そう言う事ね
···あんたね、そう言うのお止めなさいよ
へへっ

(末っ子パワーなのだ)





この後


アスマとレンちゃんは


後部座席で爆睡していた···




俺にはこの二人の今日と言う1日に


何が起こっていたのかなんて


知るよしもなかったからな··






そんな二人を見守りながら


俺はと言うと、


カンナちゃんとの会話を楽しみながら


帰りのドライブをしていたのだった







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登場人物紹介

名前 伊吹 遊馬(いぶきあすま)

年齢 19歳

身長 179㌢

体重 63㌔

趣味 弓道、スノボ、漫画、小説


本編の主人公。

極度な霊感体質な事から、有りとあらゆる百鬼から命を狙われている。

それ故に、物事を諦める思考のある性格。

レンに興味を持ち始める。

名前 櫻井 蓮(さくらいれん)

年齢 19歳

身長 150㌢

体重 内緒

趣味 お寺巡り、お経早口言葉、御詠歌


本編のヒロイン 

実家はお祓い家業を営んでいる。

アスマを助ける為に自らを犠牲にするが、犠牲とは全く思っていない根っからのお人好し。

名前 伊吹 悠人(いぶきはると)

年齢 35歳

身長 183㌢

体重 68㌔

趣味 カクテルの調合、アンティーク収集、ドリ車の改造


アスマの叔父【para ti 】のオーナー

自分の息子のようにアスマを可愛がっている。

女性関係には少々だらしなく、それ故に婚期を逃して未だに独身。

名前 宮琵 曄子(きゅうびようこ)

年齢 ???

身長 165㌢

体重 秘密

趣味 七変化、レンの子守


レンの親友

レンとは相当親しい間柄で、学校ではいつも一緒に過ごしている。

その正体は謎に包まれており誰も知らない。

名前 碓井(うすい)

年齢 33歳

身長 185㌢

体重 75㌔

趣味 車、バイク、バギー、


【Para ti 】のバーテンダー

見た目はヤバいく、口調も荒いが

実は紳士。

特にも女性には優しく、執事より人気が高い。アスマの事も可愛がっている。

名前 湊(みなと)

年齢 30歳

身長 177㌢

体重 62㌔

趣味 コース料理やスイーツの試作、海外で食べ歩き、彼女募集中


【Para ti 】のシェフ&パティシエ

基本的に落ち着いていて物静か。

生まれてこの方、怒った事が無い。

常に食材の事を考えている為、彼女にフラれる事が多い。

名前 ???

年齢 ???

身長 ·············

体重 ·············

趣味 ???


飼い猫のようだが·····?

名前 黒崎 陵(くろさきりょう)  

年齢 35歳

身長 175㌢

体重 65㌔

趣味 野良猫の保護と世話、読書、創作料理


黒猫マートの店長

スーパーの様な品揃えでありながら、実は24時間営業のコンビニ店長。

猫が大好きでとにかく優しい。何事も猫優先のため彼女が出来ない。

名前 櫻井 梗(さくらいきょう)

年齢 26歳

身長 178㌢

体重 59㌔

趣味 酒を飲む、自然の中で小説を読む、使い魔を従える


レンの兄

お祓い家業を営みつつ、神社の神主を勤めている。霊力が強く百鬼は近づこうともしない。··最近彼女にフラれた。

名前 黒鉄(くろがね)

年齢 630歳

身長 190㌢

体重 78㌔

趣味 佐助の守護、佐助と散歩、佐助と昼寝


佐助の飼い猫(人型バージョン)

630年の時を経て、佐助(黒崎陵)との再開を果たし、今を幸せに暮らしている猫又。超級百鬼であり、百鬼の中でも敵はいない程の強さを持っている。


名前 櫻井 蘭蕉(さくらいかんな)

年齢 30歳

身長 160㌢

体重 秘密

趣味 筋トレ、太極拳、少林寺拳法


レンの姉(長女)

基本おっとりしているが、趣味は大体護身術や体を鍛える事。

仕事はグラフィックデザイナーで、中間管理職。

男性との縁がいつもいまいち。

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